第5回 IDEA WORKSHOP
情報デザイン概論/2020|地域共創学部|2020.10.12|対面
情報共有シート|特設サイト
AGENDA
- 以下名簿が表示されます。ご自身の「出席欄」にチェックをつけて下さい。
情報共有シート - 本日は「情報量を上げる編集 ≡ アイデアの創出法」をテーマにお話します。
- 実習室PCを立ち上げて関連情報を検索しつつ聴講して下さい。
本日は以下の内容で講義を行います。
本日のメニュー
情報量と編集
情報量の要点確認|第2回講義の復習
- 生起確率と情報量( ーlog2P (bit) P:生起確率 )
- 生起確率の低い現象が起こる:その「知らせ」は情報量大
- 生起確率の高い現象が起こる:その「知らせ」は情報量小
- 情報量と「面白さ」
- 情報量が小さすぎる:単調 退屈 おもしろくない
- 情報量が適度に大きい:なるほど! 面白い!
- 情報量が大きすぎる:複雑 難解 不快感
「面白い!」を生み出す「編集」
新規性のあるアイデアやイノベーションは、既存のモノ・コトの「意外な編集」による「情報量の拡大」を契機に生まれます。
- 逆転する
- 言葉の順序を入れ替える
地球 の 水 → 水 の 地球 - 配置、考え方を逆転する
縦を横に、倒れそうなものははじめから倒しておく
何を持つかではなく、何を持たないかを考える
- 言葉の順序を入れ替える
- 組み合わせる
- 異質な言葉同士を接続する
参考:ひらがな を 洗う バカリズムの発想法 - 写真と文字を組み合わせる
参考:投稿サイト bokete - 身近にあるものを組み合わせる
人は自分自身で「編集」できるものに「面白い!」を感じます
人は単なる「消費者」ではない。
人は誰でもデザイナーである V.パパネック
参考:GoogleImage:セリア DIY GoogleImage:ハンドスピナー DIY
- 異質な言葉同士を接続する
- 異なる文脈(環境)に置く(見立てる) 5
- 既製品 Ready Made の活用 マルセル・デュシャンの発想
- 井戸茶碗 雑器が国宝になった例
IDEA WORKSHOP
はじめに
私たちの思考回路には「常識」のバイアス(情報量が小さくなるようにまとめようとする傾向)がかかっているので、例えば、「ひらがな を ◯◯◯ 」という文における ◯◯◯ の部分には、「ひらがな を 書く」、「ひらがな を 覚える」、「ひらがな を 漢字に変換する」のような、ふつうにつながる言葉しか思い浮かばないようになっています。
ということは、意識的にこれを排除して、ありえない言葉を接続する、たとえば、「ひらがな を 洗う」のような異質な接続をすれば、今までにない発想が生まれる・・ということになります。
ひらがな| で…|に…|を…|は …|が…|も…|へ…|
- 単語をつなぐ
2つの単語を非常識な関係で接続してみる。- ひらがな が 歩く
- ひらがな で 滑る
- ひらがな を 焼く
- 発想を広げる
2つの単語の関係から思いつく、物語・構造物・商品・イベント・・を発想。- ひらがなを主人公にした物語・アニメーション作品をつくる。
- ひらがなの形をした遊具(滑り台、ブランコ・・)をデザインする。
- ひらがなの形をしたパンを商品化する(アルファベットチョコの発想)。
では、やってみましょう
- 配布したシートで下書き
- 本日の情報共有シートに記載
参考:過去のWorkshopより
- いろはす で 奏でる
- ペットボトル製のパーカッションで演奏会
- 画家 を 飼う
- 部屋に飾れる画家のミニチュアフィギア
- ある日ひとりの画家が訪ねてきた。・・飼う事になった。
- 傘 が 予約する
- 雨が降る日に、持ち手が光って利用者に持参を促す
- 消しゴム が しゃべる
- 消しゴム型のミニチュアロボット
- ふでばこ で 寝る
- 筆箱的な収納スペースを持つベッド
- 筆箱、財布、スマホ・・日用品の絵柄がプリントされた寝袋
- 本 を 飲む
- ペットボトルのラベルに小説をプリント
- 警察官 を 食べる
- ペロペロチョコ「働く人」シリーズ
- 野菜 に 食べられる
-
野菜の形をモチーフとした掃除機、ゴミ箱、回収ボックス・・
-
野菜の形をモチーフとした掃除機、ゴミ箱、回収ボックス・・
要点の確認
- ひとつの主語に出現確率の低い述語をつなぐと、情報量の大きな(新規性の高い)表現ができる。
- ひらがなを切る、ひらがなを洗う、ひらがなを食べる・・などと、出現確率の低い単語をつなぐことで、「ひらがな」を活用するアイデアは拡大する。
- 要素と要素を「斜めに」つなぐ、異なる地平にあるものをつなぐ
> アイデアは「切って」「つなぐ」、という「編集」によって生まれる。
価値は所与のものではない
モノ・コトの価値はそれ単体では決まるわけではありません。価値を生み出すのは「関係」です。
- 「紙幣」自体はただの紙。そこに価値を生み出すのは「社会」です。
- 「綺麗な色」があるのではない。色の価値は他の色との関係で決まります。
- 「優れた人」がいるのではない。人間関係が人の価値を生み出すのです。
- つまり、どんなモノ・コトでも、その諸関係を再・編集することによって、新たな価値を産みだすことができるのです。
*所与のものではない:はじめから備わっているものではないという意味です。
第5回目は、以上をもって終了とします。
第6回は、遠隔授業となります。