Audacity
A free multi-track audio editor and recorder
概要
Audacityは、オープンソースの音声編集・録音ソフトで、マルチトラックでの録音・編集・書き出しが直感的に行えます。
機能
- 音声の録音・再生(外部デバイスにも対応)
- 音声の編集(カット・コピー・ペースト)
- マルチトラックミキシング
- デジタルエフェクト
- 振幅エンベロープの編集
- ノイズ除去フィルタリング
- スペクトル分析
仕様
- ファイル入力:WAV / AIFF / MP3 / OGG / FLAC
- ファイル出力:WAV / AIFF / MP3 / OGG / FLAC / MP2
- チャネル 最大16、サンプリングレート 最大192 kHz、量子化最大 32 bit
Download
http://www.audacityteam.org/download/
基本操作
音声ファイルの読み込み
以下のいずれかで可能です。
- 音声ファイルをウインドウ内にドラッグ&ドロップ
- ファイル>開く(mp4などの動画ファイルからの音声抽出も可)
- ファイル>取り込み>オーディオファイル
保存と書き出し
- プロジェクトファイルを保存:Audacityプロジェクトとしての保存
- オーディオの書き出し:WAV、mp3形式など、汎用の音声データ出力
編集ツール
音声のカット・コピー・ペーストや音量の調整は、一般的なショートカットキーで直感的に行うことができます。音声ファイルは非破壊読み込みなので、編集操作によって元の音声データが消失することはありません。
ツール(右図)の概要は以下のとおりです。
- 上左:範囲選択
- 上中:エンベロープ(音量)編集
- 上右:サンプル点の編集
- 下左:ズーム( [SHIFT] +で縮小)
- 下中:操作範囲の移動
- 下右:マルチツール(選択・エンベロープ)
エフェクト
選択範囲に対して様々なフィルタリングが可能です。主なものは・・
- 正規化:波形をセンターに戻し、音圧を最適化
- ノイズの除去:ノイズとみなす音を選択的に除去できます。
- はじめにノイズのみの部分を選択してノイズプロファイルを取得
- 次に調整を行って OK をクリック
- イコライザー:周波数軸でのレベル設定ができます(グラフ描画)
- 前後反転:逆転再生
- 上下反転:位相の反転です。普通にモノラルで聞く分には聞こえに変化はありませんが、ステレオで聴くと、音の位置が変わったように聞こえます。
- テンポの変更:音程を変えずに再生速度を変えることができます。
- ピッチの変更:カラオケで言うとキーを変える操作にあたります。
- その他、エコー、リバーブ、ワウワウ、コンプレッサー、ディストーションなど、様々な効果をかけることができます。
参考:センターキャンセル
音の仕組みを理解するための事例として、Audacity を用いた センターキャンセル(ボーカルキャンセル:カラオケづくり)の方法について説明します。
- 楽曲を読み込みます。
楽曲がステレオで、ボーカルがセンターにあることが前提です。 - トラックバーのファイル名のプルダウンから「ステレオトラックを分離」を選択。各トラックごとの編集操作が可能になります。
- 分離されたそれぞれのトラックの LR のスライダで「パン:中央(つまり両方のチャンネルに出力)」を選択
- どちらか一方のチャンネルトラックで全体を選択して、エフェクトメニューから「上下を反転」を実行
- 以上。再生するとセンターの音が消失しているのが確認できるはずです。
録音
PC内臓マイク、マイク端子、USBマイク等を用いた録音が可能です。
録音デバイスの設定
- システム環境設定で、以下の2箇所を事前にご確認ください。
- サウンドの「入力」で入力デバイスを正しく選択する必要があります。
- セキュリティーとプライバシーの「マイク」の設定で、Audacity からマイクへのアクセスを「許可」する必要があります。
- 外付けのマイクを使う場合、まず、PCそのもののシステム環境で、それらが利用できるか確認します。 次に、Audacity のツールバーで、入力デバイスを選択します。
録音品質
サンプリング周波数:設定メニューの品質、フッターツールバーの左端にある「プロジェクトのサンプリング周波数」で設定可能です。
録音操作
- 入力レベルは、マイクアイコンの右にあるスライダーで設定することができます。
- 重ね録りの設定
録音と再生メニューの「オーバーダブ」がONの状態の場合、既存の音を再生しながら重ね録りが可能です。
- ミックスダウン
複数のトラックをミックスして、ひとつのトラックに落とし込むことが可能です。ミックスしたいトラックを [SHIFT] + クリックで選択した後、「ミックスして作成」あるいは「新規トラックにミックスして作成」が可能です。
- 音による録音起動
一定以上のレベルの音で、自動的に録音を起動することもできます。
参考
インターネット上には、詳細な記事が多数あるので、参考にして下さい。
- 日本語リファレンス:http://taira-komori.jpn.org/reference.html
- Audacity Wiki(英語)