論文
Articles
論文の構成
論文は、一般に IMRAD(イムラッド)型 と呼ばれる文章構成で執筆されます。
Introduction, Methods, Results And Discussion
Title|題名
研究の主旨をわかりやすく、簡潔に表現します(通常20 - 30文字)。
必要に応じて Subtitle を付けます。
Abstract|要旨
研究の背景・目的から結論まで、論文全体を要約した文章を掲載します。
Introduction ( I )|導入
何を問題にするのか、何を解決したいのか・・。研究の背景、研究の目的を明確にするとともに、「仮説」を設定します。研究の背景では、先行研究(研究対象・テーマに関連する既知の知見)」についてもふれます。
Methods ( M )|研究方法
調査・観察・実験など、研究の方法について記述します。研究方法は、第三者による追試が可能となるよう(検証可能になるよう)、対象(被験者)・日時・場所・装置・手順・解析方法など、詳細に記述することが必要です。
Results ( R )|結果
得られた結果を言語化して説明します。ここで示すデータは、Introduction で提起した仮説を支持する根拠となります。ここでは、客観的な事実のみを記載するにとどめ、主観的な感想を含めてはいけません。
Discussion ( D )|考察
一般に Introduction で提起した仮説を提示した上で、Resultsで示したデータや、先行研究の結果と「仮説」を結ぶ論拠を記述します(必要に応じて実験そのものの妥当性も検証します)。ディスカッションなので、主観的な推論が含まれても構いません。
Conclusion|まとめ
全体を総括するとともに、研究の将来展望、また関係者への謝辞を述べます。
References|引用・参考文献等
本文中で引用、あるいは参考とした文献等について、 著者、書名、発行所、発行年等の情報を、本文中に付した注番号に沿って列挙します。
論文は、自分のために書くのではなく、読者のために書くものです。読者がこれを読んで「面白い」と感じることはとても重要で、また、疑問をもった読者が、自身で「検証」することができるよう、どんな方法で実験をしたのかについては、きちんと明記する必要があります。常に第三者の視点で読み返し、「正しく伝わる」文章になるよう心がけて下さい。
執筆上のルール
基本的な事項
- 見出し・本文・箇条書きなど、情報要素ごとの書体や文字サイズは、投稿先(提出先)の執筆要項等にあるルールに従います。日本語論文の場合「見出しはゴシック」、「本文は明朝」とするのが一般的です。
- 読点・句点については、「、」と「。」あるいは( , )と(.)をセットで、論文全体を統一します。投稿先の学会によって異なります。
- 文章段落の先頭は一文字分「字下げ」する・・等、日本語の文章の記載ルールについては、一般的な作文のルールと同じです。
引用について
- モノ・コトの「紹介」等を目的として画像や文章等を「引用」掲載する場合は、以下の条件を満たすことが必要です。
- 他人の著作物を引用する必然性があること(共有・紹介・拡散)
- 自身の著作物と引用部分とが区別されていること(余白、枠等の利用)
- 自身の記述と引用記述との主従関係が明確であること(自身の文章が主)
- 出典の明示がなされていること(注番号をつけて、巻末に文献情報を記載)
- 引用箇所には、注番号を付して、巻末の文献一覧で、書籍等の情報を確認できるようにすることが必要です。
- 論文執筆用に、スプレッドシート等に、参考文献一覧情報をまとめておくことを推奨します。
図表について
- 視覚的な資料、統計的なデータ等を必要に応じて掲載します。
- 図や表には、その箇所が一意に定まるように個別の番号を付すとともに、本文中に「・・を図1.1 に示す」、「・・という結果が得られた(表2.1)」などと記載して、本文と図表との関係を明確にする必要があります。
- 図表に付すキャプションの位置は、以下が一般的です。
- 図のキャプションは「図の下」
- 表のキャプションは「表の上」
- 図表のキャプションは、本文との区別が視覚的に明確になるよう、書体・サイズ・要素感の距離をとるなどの配慮が必要です。
巻末の文献等の情報について
- 引用・参考文献については、一般に以下の情報を記載します。
著者、書名(雑誌名)、発行所、発行年、(記載箇所)
項目の順番は、投稿先の学会等のルールに従います。 - インターネット上の情報は、サイトの閉鎖等にともなって消失する可能性があるため、論文の参考情報として一般的ではありませんが、記載する場合は、以下の情報を記載します。
サイト名、URL、閲覧年月日