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SocialDesign x Photography

カメラを持つということは、世界を見る新たな視覚を手に入れるということです。ファインダー越しに見える日常の風景には、美しい色、面白いカタチ、暮らしの知恵、そして社会を蝕む「凡庸な悪」も潜んでいます。

インターネットとスマートフォンの登場により、写真をとりまく状況は一変しました。発明当初は一部の専門家だけの特殊な技術であったものが、1888年に発売された The Kodak( ”You Press the Button, We Do the Rest.”:あなたはボタンを押すだけ、後は私たちがやります)によってアマチュア層に拡大し、その後、ライカ判(35mmフィルム)カメラの世界的普及、さらに1986年に登場したレンズ付きフィルム「写ルンです」によって、それは完全に大衆的な存在となりました。そして21世紀、スマホとネットがもたらしたのは「カメラの常時携帯」と「全地球規模での即時的な拡散・共有」です。

今日、カメラの役割の多くは「記録」にあると言えるでしょう。それは写真術の登場以来、役割の中核にあることには変わりありませんが、世界中の監視カメラが記録しつづける風景、スマホで撮られるメモとしての情報。その量は、かつてのカメラが記録してきた情報量をはるかに超えるものとなっています。

写真というものが「誰もが手にいれることができ、小さな規模で応用できる技術(Small is beautiful E.F.Schumacher )」となった今日、その存在は我々の社会にとってどんな意味を持つのか、そして写真に何ができるのか。従来の写真論とは異なる視点からの考察が求められていると言えます。

Finder/References



オブジェクト指向で整理する

さて、ここでは、プログラミングの分野でおなじみの「オブジェクト指向」という考え方を用いて、写真というオブジェクトのプロパティとメソッドを整理し、写真の存在意義と可能性を様々な角度から考察するためのキーワードを探ってみたいと思います。

道具の使い方を学ぶことが私たち自身を変える・・
という点に人間と道具の関係の本質がある。

アラン・ケイ, 1994, 人間のためのコンピュータ, Addison Wesley Publisher JP

オブジェクト指向(object-oriented)とは、1960年代にアラン・ケイによって考案された言葉で、モノ(オブジェクト) が持つプロパティ(データ) とメソッド(振る舞い) の組み合わせで物事を捉え、その仕組みを最適に設計するための概念的枠組みです。今日の代表的なプログラミング言語は、いずれもこのパラダイムで設計されています。

例えば、自動車というオブジェクトでは

オブジェクト指向では、自動車というオブジェクトが持つこれらの属性と振る舞いをまとめて「自動車クラス」として定義し、クラスを元に、実際に存在する個々の自動車(例えば、XXさんの所有するプリウス)を「インスタンス」として生成します。



写真 x オブジェクト指向

人間社会における写真の存在意義と可能性に関わる研究は、様々な視点・キーワードから着手することができます。例えば「写真の縦横比」ひとつとっても、その歴史的変遷、世代や文化の違いによる好みの差、被写体との相関、提示スペースとの相関・・など、インターネット上の膨大な画像を統計的に処理することで、縦横比に関することだけでも、様々な知見が得られるでしょう。また例えば「写真を飾る」という行為についても、どんな写真を、いつ、どこに、どのように飾るのか・・、個別具体的な調査を行うことで人々の属性と写真の飾り方に関する知見が得られそうです。

つまり、ひとくちに写真を研究すると言っても、その切り口は、プロパティとメソッドの数だけある・・ということになります。ここでは、まずそれがどれだけあるのかを、可能な限り列挙することからはじめたいと思います。

写真は、コンピュータの世界では「イメージオブジェクト」です。よって、写真をオブジェクト指向的に捉えたければ、イメージクラスに定義されたプロパティとメソッドをリストアップすることで、大半が網羅されることになります。極端に言えば、Photoshopのような画像処理ソフトに存在するメニュー項目は、すべて画像の属性と操作に関するものなので、その数だけプロパティとメソッドが存在する・・ということになりますが、まずはプログラミング言語におけるイメージオブジェクトを参考に基本的なものを列挙し、それに我々が日常的に使う言葉としての「写真のXXXX」や「写真をXXXXする」といった表現から、「写真」のプロパティとメソッドを追加列挙してみたいと思います(随時追記中)。

写真のプロパティ

プロパティは「写真のXXXX」 と表現される場合の XXXX の部分です。

写真のメソッド

メソッドは「写真を XXXX する」 、「写真の XXXX を XXXX する」と表現される場合の XXXX の部分です。

付記:イメージのオブジェクト化

ジョン・バージャーは、その著書「イメージ - Ways of Seeing」(1986)の中で、画像というものについて、以下のように語っています。

資本主義が社会関係に対して及ぼしたことを、
絵画(=イメージ)はものの外観に対して行った。
つまり絵画は、あらゆるものをオブジェとして等価な位置に置いた。
あらゆるものは商品になったがゆえに交換可能になった。(p.108)

写真は、それを自動化して、誰もが自由にあらゆる対象をオブジェクト化できるようにした・・と言えます。スナップ写真に映り込む人物の立場からすれば、スナップされること=私がモノ化されて所有されることであり、それがネットに拡散されること=私(の外観)が商品として交換の対象になる・・という意味で、意図せず写される側にとっては、不快なものなのかもしれません。

もちろん、イメージは情報であって物質・エネルギーではないので、モノ化とは言っても元となる存在には何ら変化はなく、その外観が情報として複製されるだけです。当然ですが、動物にカメラを向けても(警戒はしますが)怒ることはありません。撮られたイメージが勝手に公開・交換されることに不快感を感じるのは、人間が物理的リアルの世界にではなく、イメージ(幻想)の世界に生きていることのひとつの現れと言えるでしょう。



カメラ x オブジェクト指向

写真が成立するにはカメラが必要で、このカメラにも同様にオブジェクトとしてのプロパティとメソッドが存在します。

カメラのプロパティ

プロパティは「カメラのXXXX」 と表現される場合の XXXX の部分です。

カメラのメソッド

メソッドは「カメラを XXXX する」、「カメラの XXXX を XXXX する」と表現される場合の XXXX の部分です。

写真と社会に関する考察のテーマ

誕生から200年に満たない写真ですが、写真について語られた文献は非常に多く存在します。他の芸術領域と比較すると「作家自身が写真について語るケースが多い」ということもその特徴のひとつです。というのも、写真は他の芸術と比較すると「創作に関わる直接的な行為の時間が圧倒的に短い」という性質があって、その分、作家自身が考える時間が増える・・ということかも知れません。

以下、写真のプロパティとメソッドから様々な考察のテーマが考えられます。すでに多くの作家・評論家によって語りつくされた感もありますが、この技術がすべての人に利用可能なのものとなった現在、「みんなはどう考えているのか」、「この社会において写真はどのように機能しているのか」ということについて、インターネット上にある大量の画像やコメントから、統計的な知見を得る・・という研究も面白いのではないかと思います。

総論

直球のテーマ、その答えは作家・評論家の数だけ存在するとも言えますが・・

各論




APPENDIX

関連ページ

ちょっとAIにも聞いてみました

意外にもっともらしい回答でびっくり・・ 2025年1月31日 Gemini

人々はどんな写真を好んで撮っているのか、男女別、また世代別の
違いがあれば教えて下さい。 


男女別の傾向

世代別の傾向

その他

補足

これらの傾向はあくまで一般的なものであり、個人の趣味や嗜好によって異なります。スマートフォンの普及により、誰もが手軽に写真を撮れるようになったため、写真の多様性はますます広がっています。

まとめ

人々が好んで撮る写真は、男女別、世代別、個人の趣味やライフスタイルによって様々です。しかし、SNSの普及やスマートフォンの高性能化により、誰もが手軽に美しい写真を撮れるようになったことで、写真の楽しみ方も多様化しています。








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Last-modified: 2025-01-31 (金) 17:52:04