SOUND
音の三属性
音には三つの属性があり、それぞれ音の強さ・高さ・音色といいます。「強さ」は振動の振幅の大きさ、「高さ」は振動の基本周波数、そして「音色」は主に波形(あるいはスペクトル分布)としてとらえることができるものです。
音の強さ
音の強さの単位にはdB SPL(Sound Pressure Level:音圧レベル)が用いられますが、これは基準の音圧 P0 と 比較する音圧 P との比の対数の 20 倍・・
20 log 10 ( P / P0 ) dB という式で定義されています。
さて、db(デシベル)という単位ですが、波動エネルギーまたは振幅の大きさのレベルを表わす単位で、ベルの 1/10 (デシというのは 1/10 )。
測定値P と基準値P0 に対して 10 log 10(P/P0) と定義されます。
で、なんで20倍なの? という点ですが、圧(フォース)を2乗すると、パワーになる事から、2乗すると計算上便利になることが多いということで dB SPL では
10 log 10 (P2/P02) = 20 log 10(P/P0)
すなわち20倍という係数が採用されているようです。
最小可聴音圧 P0 は、最も感度の高い3〜4kHz付近での値で、
2x10-5 pa = 20×10−6 Pa = 20 µPa(マイクロパスカル)
とされています。 参考:最小可聴値(MAP)
最小可聴域が 20 μPa に対して、耳が痛くなって耐えられなくなる音圧、すなわち最大可聴域(痛覚域)は、20 Pa 程度。この差は 100万倍(120dBに相当)になります。音圧の単位 dB に対数が用いられるのは、人の聴覚のダイナミックレンジが百万倍もあること、また一般に感覚が物理量の対数に比例することが主な理由で、音の大きさを示すメータ類はこのdB表示を採用することで感覚的に理解しやすくなっています。 参考:GoogleImage:dbメータ
- 参考:様々な音の音圧レベル
10dB 聴こえる事の出来る限界 呼吸音 20dB 寝息 木の葉のふれあう音 置時計の秒針の音 30dB 郊外の深夜 夜の住宅街 洋服を着る音 ささやき声 40dB 市内の深夜 昼の住宅街 図書館 鼻息 小雨の音 換気扇 50dB 静かな公園 静かな事務所 小さな声 エアコンの音 60dB 学校の授業 銀行内の音 一般的な家庭の朝 普通の会話 テレビ(小) 70dB レストラン 工場 乗用車 騒々しい街頭 掃除機 テレビ(中) 80dB ボーリング場 機械工場 大型幹線道路 地下鉄の車内 ピアノ 90dB パチンコ店内 カラオケ店内 騒々しい工場の中 犬の鳴き声 100dB 地下繁華街の音 電車が通るときのガード下 110dB 自動車のクラクション 120dB オーケストラの演奏 新幹線鉄橋通過 130dB 飛行機のエンジンの音 落雷
音の高さ
音高(おんこう)、あるいはピッチと言われるもので、振動の基本周波数を指していいます。音楽の世界では、基準となるピッチが 440Hz(ピアノ鍵盤のラの音)と決まっていて、 "A = 440 Hz"、"A440" などと記されます。
ちなみに周波数とは、光・電波・音波などの「波」が一秒間に何回変位するか、つまり振動数のことです。単位には Hz(ヘルツ)を用います。
人の音波に対する可聴周波数範囲は、ほぼ20Hzから20,000Hzで、音域にすると約10オクターブ(1000倍≒2の10乗倍であるから)に相当します。
音色
音色は時間軸上にグラフ化すれば「波形」として、周波数を軸としてグラフ化すれば、スペクトルパターンとして物理的に捉えることができるものです。
我々の耳が聴き分ける楽器の音色というものは、基本周波数とその倍音列(Overtone Series)の強度分布によって特徴づけられているのです。電子楽器がピアノに似た音やギターに似た音を生成する場合も、この倍音の分布パターンを様々な方法 でコントロールすることによってそれが実現されます。
補足:倍音について
音程のある「楽音」は、通常基本周波数の振動と、その2倍の周波数、4倍の周波数など、整数倍の周波数の振動が重なっています。つまり、同じラ(a3)の音といっても、具体的な楽器の音では、440Hz, 880Hz, 1760Hz・・と複数の振動の組み合わせになっていて、我々の耳は、その各成分の強さの分布の違いを聞き分けることで、それがピアノの音かバイオリンの音かを識別しているのです。