flowing
百人一首をテーマとした入浴剤
- 渡辺 侑貴
- Keywords:bath, waka, relax, flow
概要
これは何?
百人一首をモチーフにした入浴剤と現代語訳が書かれたカードを作成し、新たな入浴方法の提案
背景
近年、スマートフォンの普及により、入浴中にスマホを使用する「スマホ入浴」が若者の間で急速に広まっている。特に動画視聴や読書、SNSの利用が主な活動であり、リラックスする場でありながら、エンターテインメントや情報収集の場としても入浴が機能している。これにより長時間入浴が一般化しつつあり、若者のライフスタイルに影響を与えている。
また、日本文化に対する関心が再び高まっており、萬葉集を現代の若者言葉で翻訳した本の出版や、紫式部を主人公にした大河ドラマの放映など、古典文学や日本の歴史を題材にした作品が今時風にアレンジされ、幅広い世代から支持を集めている。
こうした背景から、伝統文化を再解釈することで、古典文学や歴史がただの教養としてだけではなく、エンターテインメントとしても注目を浴びていることが分かる。
目的
若者を対象に百人一首の持つ美しさや奥深さを入浴剤を通して、リラックスしながらも日本の伝統文化に自然に触れることができる新たな入浴方法を提案する。
コンセプト
・百人一首をテーマにした入浴剤を作成し、 スマホの代わりに浴室へ持ち込むことで日本文化に触れる機会を提供する。
・親しみを持ちやすいように、若者向けに現代語訳する。
・入浴時間を文化的側面で豊かにする。
・デザインは入浴剤が浴槽の中で広がる様子や感情の移ろいをモチーフにする。
成果物の仕様
- 長方形のカード
- 色 :カラー
- 用紙 :ラミネート加工
- 内容:和歌の現代語訳カードと入浴剤
25〜40グラム(粉末状)/200リットル想定
カードは全100種類で、1箱20パック(歌番号順で第1弾、第2弾……と続けて行く) - パッケージ
- 現代語訳カード
制作ツール
Adobe Illustrator
MacBook air
プロジェクトの期間
2024.04.12 - 2024.12.20
調査
現状調査
先行事例
技法・技術情報
制作
タイトル
時間や感情の移り変わりを歌った百人一首と、入浴で心と体が流れる感覚を掛け合わせ、古典的要素を現代の入浴スタイルに取り入れる。そういった意味で、時や水、言葉の流れを意味するflowing(フローイング )をタイトルにした。
現代語訳カード
パッケージデザイン
- 入浴剤の袋
百人一首の札をイメージした緑色を基調に、(時や水などが)混ざるイメージ
フォント Bradley Hand Bold
印刷
- キンコーズ
ラミネート加工 - パッケージ通販
まとめ
今回の研究を通じて、日本文化を題材にした作品が若者に支持される背景や、入浴時間が情報収集の場へと変化している現状を知ることができた。その中で、スマホに頼らない新たな入浴方法を提案するために、百人一首をテーマにした入浴剤を制作した。実際に商品を見てもらった際、パッケージをきっかけに百人一首にも興味を持ってもらえたので、今後もさまざまな手段を通じて百人一首を現代のライフスタイルに取り入れ、多くの人にその魅力を伝えていきたい。