生理痛のを視覚化・明示化するためのシンボルマーク
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生理痛を視覚化・明示化するためのシンボルマークの開発
生理痛の痛みは個人差が生じるが、腹痛だけではなく貧血によるめまいや、吐き気、頭痛などといったひどい症状に悩まされている女性は少なくはない。しかし、その症状は見た目ではあまり伝わらない。そのため、交通機関の優先席を利用していた女性が文句を言われたり席を無理やり譲らされたという事例がある。また、優先席を利用しずらいといった意見をネット上で多く目にした。
他者からは分かりにくい身体の内部障害や、病気を伝えるための『ヘルプマーク』も存在しているが、生理痛そのものは病気ではないということから、つけることに対してハードルが高く手を出せていない女性が多い印象を受ける。そんな女性のために、「生理痛マーク」をデザインし、堂々と自分の体を労わってほしいと思い、研究テーマに設定した。
声1
声2
身近な女性の知り合いや友人に意見をもらい寄り添いながら考える。
2022.09.21~2022.12.21
生理痛の症状は、見た目にあまり現れないため理解され難い。実際に、生理痛が酷いため優先席を利用していた女性に対し、非難されるトラブルが発生した。(参照)
ヘルプマークは、生理痛が酷い時に利用することができるが、生理痛は病気ではない等の理由から、ハードルが高いように感じる。
これらを踏まえて、女性が堂々と自分の身体を労るために、辛さを周りに伝えることができる新たなシンボルマークをつくる必要がある。
<タイトルに関して>
生理痛を英語に翻訳すると、CRAMPである。
ヘルプマークやマタニティマークが、英語のカタカナ表記の名前なので、統一して クランプ マークにした。
<先行事例・調査・関連>
<生理のタブー視についての記事>
💡生理を「恥ずかしいもの」ではなく「当たり前の日常」に
常に心の中に生理のことを考えてしまう女性の心情を表現した。人に伝えるために情報量は最小限に抑えたシンプルなデザインを心がけた。
生理周期は月の満ち欠け周期とシンクロしている。また、おそらく「毎月あるもの」ということが由来とされているため、月をメインにデザインを進めた。
検討中
月経という言葉が普及する以前は「月水」「経水」などと呼ばれていたが、時代や階級などによって様々な名称で呼ばれた(例:「おまけ」「おめぐり」「はつはな」「めぐり」「おてなし」「かりや」「おてあい」等)。おおよそ1ヶ月の周期であることから、古くから「月の障り」と呼ばれ、異称として「月のもの」「月やく」「月の障り」「お月様」などと呼ばれた。(Wikipedia参照)
宣伝媒体の調査
アンケート調査
Instagramのストーリーズ機能を利用し、約70名ほどの女性にアンケートをとった。
Q1.生理の時、体調は悪く感じますか?
A. はい 91% いいえ 9%
Q2.生理中、交通機関を利用する際に座りたいと思いますか?
A. はい 84% いいえ 16%
Q3.もし、優先席しか空いてなかったら優先席に座りますか?(Q.2ではいと答え方)
A. 座る 11% 座りたいけど我慢する 59% 座らない 30%
Q4.周りの人に生理痛の辛さを伝えることができる生理痛マークというものがあれば、利用したいですか?
A. はい 52% いいえ 48%
Q.4で はいと答えた人の意見
Q.4でいいえと答えた人の意見
アンケートを活用して感じたこと
アンケートを通して、やはり我慢をする人が多い印象を受けた。
また生理=恥ずかしいという認識の人が多くいることが分かった。確かに、無理にオープンにすることではないとは思うが、生理痛による苦痛を伝えることに対して恥ずかしいというタブー意識が存在する社会に疑問を覚えた。だからこそ生理休暇の取得率が低いことに加え、この認識がジェンダー不平等にも繋がるのだと思った。
ただ単にシンボルマークを作るだけではなく、生理に関するタブー意識を緩和できるように取り組みたいと思った。
デザイン案メモ
上二つを組み合わせる。
ヘルプマーク
義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで援助を得やすくなるよう、作成したマークである。
▼
貰うことに資格など申請はいらないため、
生理痛が重い人でもヘルプマークを利用することができる。
しかし、貰うことに対してハードルが高い印象を受ける。
<なぜ?>
上記の考察から、もっと気軽につける事が可能な生理痛マークをつくるべきだと考える。