第1回 ガイダンス
ソーシャルデザイン概論/2020|2020.04.27
第1回目の展開と要件
- 受講生側|以下の作業を行なって下さい
- 以下名簿が表示されます。確認できた方は「出席」をチェックして下さい。
遠隔授業 共有シート
スマホのブラウザでは見ることはできますが、チェックや書き込みができません。スマホの方は Googleスプレッドシートというアプリをインストールする必要があります。 - 本日の講義内容(このページの「はじめに」以降)をしっかり読むとともに、リンクを辿ってその先のページもご確認下さい(リンクの先のリンク・・きりがありませんが、時間の許す限り辿って下さい)。
- ページの最後に、簡単な宿題を用意しています。その内容を確認の後、学科サイトの個人ページ/ IdeaNote に、それぞれ書き込みをお願いします。
学科サイト>ソーシャルデザイン概論 - 質問は 上記共有シートに書き込ん下さい。極力授業時間内に回答します。
- 以下名簿が表示されます。確認できた方は「出席」をチェックして下さい。
- 教員側|井上(貢)は、以下のことを実施します
- このページにおいて、文章による講義(ガイダンス)を行う。
- 授業時間内は、共有シートを確認し、質問に対応する。
- 授業終了後、各受講生のページ(IdeaNote)の記載完了を確認する。
- 記載に改善が必要なケースについては、当該ページ内にコメントする。
では、はじめましょう。まずは以下の「本日の目次」を見て、本日の授業の全体を把握してから、順に読み進めて下さい。
本日の目次
はじめに
この授業は、大学における当学科の入門講義で、受講生の方にとっては、最初の講義として位置づけられます。
今回は、みなさんが入学した ソーシャルデザイン学科 について概観するとともに、大学における学びとは、また、芸術学部における学びとは、・・など、大学生としてのスタンスを身につけていただくために、全体を俯瞰するかたちでお話しします。
学科紹介
- はじめに芸術学部のサイトにある学科の説明を読んで、この学科における学びの主旨を確認して下さい。
http://www.kyusan-u.ac.jp/kyugei/2017/department/social.html - 以下は、学科サイトの ABOUT のページです。ソーシャルデザインという言葉に対する誤解を解くために、ソーシャルデザインとは何ではないか を記載しています。こちらもお読み下さい。
https://design.kyusan-u.ac.jp/socialdesign/?ABOUT
情報デザイン専攻 紹介
- 芸術学部のサイトにある「情報デザイン専攻」の説明です。
http://www.kyusan-u.ac.jp/kyugei/information - 学びのキーワードを確認して下さい。
情報デザイン専攻 学びのキーワード
地域ブランド企画専攻 紹介
- 芸術学部のサイトにある「地域ブランド企画専攻」の説明です。
http://www.kyusan-u.ac.jp/kyugei/regional_brand - 学びのキーワードを確認して下さい。
地域ブランド企画専攻 学びのキーワード
学科の専任教員 紹介
ソーシャルデザイン学科には、6名の専任スタッフが配置されています。
それぞれ、よろしければ・・顔と名前を覚えて下さい。
https://design.kyusan-u.ac.jp/socialdesign/?STAFF
その他
- 芸術学部施設一覧 http://www.kyusan-u.ac.jp/kyugei/equipment/
- 芸術学部教職員一覧 http://www.kyusan-u.ac.jp/kyugei/teachers/
大学での学び
学位「学士」について
学士とは、学校教育法第68条の2第1項及び学位規則第2条により定められた学位のひとつで、大学を卒業した者、あるいは独立行政法人大学評価・学位授与機構に学位授与申請を行い審査に合格した者に授与されるものです(学位には他に大学院修了で与えられる「修士」、「博士」等があります)。
参考:国際標準教育分類
学士には、以下のような知識、技能、態度、創造的思考力が求められます。
- 知識
- 異文化の理解:外国などの文化を理解する
- 社会情勢や自然、文化への理解:人類の文化や社会情勢などを理解
- 技能
- コミュニケーション能力 :日本語、特定の外国語で読み、書き、聞き、話すことが出来る
- 情報活用力:インターネットなどの多様な情報を適切に使い、活用できる
- 論理的思考力:情報や知識を分析、表現できる
- 態度
- チームワーク、リーダーシップ:他者と協力して行動したり、目標実現のために方向性を示せる
- 倫理観:自分の良心や社会のルールに従って、行動できる
- 生涯学習力:卒業後も自ら学習できる
- 創造的思考力
- 知識、技能、態度を総合的し、問題を解決することができる
- 知識、技能、態度を総合的し、問題を解決することができる
この中で特に私が強調したいのは、「自ら学習できる」、「知識、技能、態度を総合的に活用し、問題を解決することができる」という部分です。
大学は、単純に「物事を教わる」ところではありません。「問題には正しい答えが一つだけあるはずだ。その答えを教えて欲しい」と思っている学生さんが多いようですが、いわゆる試験問題のような人が作った問題、模範解答を見れば答えがわかる問題・・・つまり「答えがわかっている問題」というのは大学生が精力を注ぐべき問題ではありません。
この世の中には、未だ「問題」として認識されていない問題も含めて、解決方法がわからない問題が山積してます。自分で問題を発見し、自分なりの方法でそれを解決する。それが大学生に求められる資質です。
大学では「卒業式」とは言わず「学位授与式」と言います。皆さんは芸術学部に所属しますので、卒業時には「学士(芸術)」が与えられます。芸術学部はどこにでもあるものではありません。つまり「学士(芸術)」も貴重な存在となりますので、良い意味でプライドを持ってがんばって下さい。
以下、大学での学びについて、学生の「よくあるカン違い」についてお話します。これらのことを早期に認識するか否かで、今後の大学生活の充実度が変わります。是非、ご一読下さい。
ただし、あくまでも私個人の見解です。教員によって、異なる考え方もありますので、単純に私の話だけを鵜呑みにしないよう注意して下さい。
授業時間内に読むのが難しい場合は、「事後学習」として時間終了後にお読み下さい。
以下を読み飛ばして次の節に進む
はじめに
私の話を信用しないようにして下さい。大人の話には時代錯誤によるズレた話や、大人の都合による「嘘」が混ざります。
特に「昭和のおっさん(私も)」の思考回路は、日本が高度成長期にあった時代の常識に洗脳されているので、その「教え」を素直に鵜呑みにすると、未来を破綻に導きかねません。「昨日の常識は、明日には非常識になる」と考えて、人間社会の「常識」を疑うとともに、みなさん自身の「地球上の生物の一員としての直感」にも耳を傾けるようにして下さい。
大学ではいろいろ教えてもらえる?
残念ながらその期待は裏切られます。もちろん、講義や演習で基本的な知識・技術の確認はありますが、大学生は「自ら学ぶ」ということが前提です。
よって、大学の教員がすることは、学生さんの好奇心を刺激すること、学びのきっかけをつくること、学び方(研究の仕方)についてアドバイスすること・・・などが中心になります。
「授業で習ってからはじめよう」とか「3年の授業で習うから1年のうちはいいか…」などと思っていると、「自ら学ぶ学生」との差が大きく開く結果となります。「習っていないのでわかりません」と言えるのは高校まで…と考えて、早く大学生としての学びの姿勢を身につけて下さい。
大学の先生は学生よりも知識が豊富 ?
これは(少なくとも私に関しては)ちがいます。私の脳から取り出せる情報量と皆さんの脳内の情報量は大差ないと思います。差があるように見えるのは、皆さんがこれから学ぼうとしている分野に関して、多少私の方が知識が整理されていて、経験的にそれをスムーズに取り出して話すことができる・・・というだけのことです。もし皆さんが、皆さん自身の得意分野について話をするとすれば、立場は逆転します。
私は、いつもゼミの学生さんからいろんなことを教わっています。研究室は、メンバー全員で話し合って新しい何かを生み出す場所です。「教える人」と「習う人」という関係ではなく、「共同研究者」として対話しましょう。
先生によって言うことが違う?
大学では(一般社会でも)これは当然です。大学には「学習指導要領」や「標準(検定)教科書」のようなものはありませんし、授業のシラバスも、最終的には、担当教員がそれぞれの考え方で構築します(もちろん学部、学科の教育ポリシーを共有した上でですが・・)。
ですから、授業の進め方の違いや、問題への対処の仕方についての見解の相違というものが、当然表面に出てきます。
どちらが正しいのか? もちろんそれを判断するのは「あなた」自身です。「言う事がそれぞれ違うからわからない…」と言って「思考停止」してしまったらそれで終わりです。双方の話を聞き、また他の人の意見や、他の資料にも目を通し、最終的には、自らの見解を持つことが必要です。
大学の試験では、教員の見解をそのまま答案に書く必要はありません。異なる見解であっても、それが論理的で説得力のある記述、またユニークな記述であれば、高い評価となります。わたしたしも学生さんの答案の中に、新たな視点を発見することを楽しみにしながら答案を読んでいます。
学費がもったいないから授業はできるだけ多く取った方がいい ?
これは程度の問題です。忙しすぎて「余裕がない」、「考える暇がない」という状況は、大学生にとって望ましいとは言えません。自分の人生について、じっくり考えるだけの時間が必要です。根本的な哲学抜きに数だけこなしてもきりがありません。おそらく充実感も得られないでしょう。
他の学生よりも単位をたくさん取ろうとか、コストパフォーマンス(費用対効果)を上げようとか、そうした市場原理的な発想は、本来学問・教育の現場には馴染まないものだと思います。
現に、勉強=競争という受験優先の教育環境の中で、日本の若者の大半が研究心や向学心を失い、疲れきってしまっています。これは私も含めて教育に携わる日本の大人たちの反省すべき点だと感じています。
すばらしい発見、面白いもの、良いデザイン、それらは競争心というより、純粋な好奇心や、問題意識、あるいは人や社会のために何かしたい・・・といった精神から生まれます。この世の中には金勘定抜きに提供されるモノやコトもたくさんあるのです。市場の競争原理をそのまま自分の人生(学問の世界)にまで持ち込まない方がいい・・・と私は感じています。
勉強は面白くないけど努力して取り組むべきものだ・・
とんでもありません。非常に面白いものですし、苦痛などありません。それに専念できる「大学生」という身分であることをシアワセだと思いましょう。
勉強は面白くない、苦痛だ・・・というのは、受験勉強の話です。大学での学びは好奇心を契機にはじめるもので、まったく質が異なります。
おそらく「勉強」という字面がよくないのでしょう。日本語で「強いる」とか「勉める」といった言葉の組あわせになっていることがいけません。英語で Study といえば「研究」という意味が濃厚になります。つまり「自分で発見した問題や関心ごとについて自ら関心をもって取り組む」ということです。
study も student も元はラテン語の studium に由来します。それは「情熱、熱意」という意味で、I am a student. というのは「私は情熱をもって真理を求めています。」ということ。単に肩書きの問題として「私は生徒です」というのとは意味が違います。日本では、高校までを生徒、大学になると学生。別の肩書きで区別しますが、student の文化圏では、中学生も大学生も同じ I am a student. です。つまり彼らは、ずっと情熱をもって真理を探究しているのです。ということで、日本の「勉強」につきまとっている義務的なイメージは払拭してしまいましょう。
大学は強制されて「勉強」するところではありませんし、偏差値のような一元的なものさしの上で競争を強いられることもありません。もっと自由に Study ができる場であると考えて下さい。「競争に勝つため」というような動機ではなく、純粋に「面白い」と感じること、純粋に「この問題を解決したい」と思う気持ちを学びのきっかけにして下さい。
大学での学び(まとめ)
大学の歴史は古く、本来は、国家や民族をこえて普遍的な知の成熟に貢献する存在であったはずです。ところが今では「国益」のために「企業」が求める「人材」を養成する場である・・という理解が幅を効かせている状況で、これは本来の大学の主旨からは、ずれるものではないか・・と私は感じています。
大学本来の意義を、学生さん自身がしっかり把握しておかないと、大切な4年間を政治に翻弄されて終える…という悲しい結果になりかねません。大学とは何か?。学問とは何か?。もちろん「就職のため」という現実的な目的もあるかもしれませんが、あなたの人生を根っこから豊かにするための「知」の発見の場として捉え直すと、日々の講義や演習も、一味違ったものに見えてくるはずです。
21世紀、世界はネットでつながり、すでに地球上のすべての人類が情報を共有できる状況にあります。国家のマネージャーである政治家は「国益」のために争っていますが、私たちは音楽や映像を通して国境を越え、自由につながっています。よくいわれるように「芸術」は国境を越えて、すべての人たちに「知的な豊かさ」をもたらすのです。リベラルアーツの言葉どおり「Arts」は本来「学問」の概念なのです。大学で学ぶことは「Arts」を学ぶこと。
学問の頂点は芸術である
芸術学部での学び
芸術は人類の起源とともに
文字、数式、そして科学技術・・そのいずれも、人類史における歴史は浅く、現代社会における「常識」も、その大半は産業革命以後のもの。たかだか200年程度の歴史しかありません。
一方「芸術」は 私たち ホモ・サピエンス の誕生とともにあります。多岐に進化したヒト科・ヒト属の中で、唯一生き残ったのは「芸術」とともに生きたホモ・サピエンスのみです。「芸術」は私たちの生存戦略と密接な関係があると言えるでしょう。
その意味では、学問の究極の目的である「人間とは何か」を考える重要なヒントが「芸術」にあるといっても過言ではありません。「学問の頂点は芸術である( 中村治四郎)」 という言葉にはそんな意味が込められていると思います。
参考:「藝術」は、リベラル・アーツ(人を自由にする学問) の訳語(西周による)
Art & Design
アートとデザインは何が違うのか?
学問的な「問い」の多くに共通することですが、唯一の正解があるわけではありません。よって以下、あくまでも私見です。私がこの問いを受けたときには、以下のように違いを説明することにしています。参考になれば幸いです。
- アート
- 自分の中に「動機」を見出す
- 自分の表現を追求する
- 既成概念を破る新規性の追求(惰性化した日常を挑発する存在)
- 作品|世界にひとつだけの存在|作家はサインを入れる
- デザイン
- 暮らしの中に「問題」を見出す
- 人と社会のニーズに応える
- 問題を解決し日常を快適にする(時には空気のような存在)
- 製品|設計図にもとづく機械生産|デザイナーは匿名
ソーシャルデザイン学科での学び
ソーシャルデザインとは、人と社会が抱える様々な問題に「気づき」、「伝え」、そしてその解決策を持続可能な方法をもって「提案する」活動です。まずは半径10m。自分が暮らす身近なところから世界を変えていきましょう。
日本で唯一のソーシャルデザイン学科
ご存知ない方もおられるかも・・ソーシャルデザイン学科というのは、日本の大学の中では、ここ九州産業大学 芸術学部にしかありません。最近では類似した名称の学部・学科がいくつかの大学に新設されていますが、ソーシャルデザインを学問の一領域として位置付けたのは、2016年本学が最初で、2020年度入学生のみなさんは、その5期生にあたります。
開設時の2016年当時、ソーシャルデザインという言葉は(デザインに関わる一部の人を除いて)一般にはまだ馴染みの薄い言葉でしたが、現在では、「ソーシャルICT」「ソーシャルディスタンス」などという言葉もあって、「ソーシャル」の意味も多くの人が知るところとなりました。
SOCIAL:社会の、社会に関する、社会的な・・
社会は、みなさんの将来の活躍に期待を寄せています。がんばって下さい。
芸術学部にソーシャルデザイン学科がある理由
- 問題に気付くセンスがある(芸術的感性)
- 提案を可視化する能力がある(表現力)
- 提案を実現する技術がある(実践的構築技術)
社会のための学術
以下、日本学術会議が発行した「新しい学術の体系」という文章の抜粋です。現代社会が、みなさんのような学生を求めている理由が、ここにあります。是非、ご一読下さい。
- 持続可能な発展のために
21世紀を迎え、社会と学術の接点がますます広がっている。 学術の成果が社会を変え,変わった社会が学術の新しい在り方を求める という,ダイナミックな変化が起こりつつある。 そのプロセスは、一方では人類にますます快適な生活を保障するものの、 他方では環境問題を深刻化させ、人類の未来に暗い影を投げかけている。 「持続可能な発展」を実現することは、地球が有限であるという認識が 行き渡ったことから生まれた未来への手詰まり感を克服するため、 国際的に広く合意された課題である。 この困難な課題を達成するためには、あらゆる学術を動員すること、 またそれが効果的に行われるためには 「Science for Science(知の営みとしての科学)」と並んで 「Science for Society(社会のための科学)」を 認識評価するという学術研究者の意識改革が必要である・・。
- 「あるものの探究」と「あるべきものの探求」
17世紀に誕生した近代科学は、人間が立てた目的や求める価値を 知の営みから切り離し、純粋に客観的な立場から 自然を探求する立場を取った。 この立場は知の合理性を高めることに大きく寄与し、 自然科学だけではなく法学、経済学、社会学など 人文・社会科学系の分野にも受け継がれた。 「あるものの探究」は知のひとつの基本範型となった。 一方で人類は、近代科学の誕生以前から、その知的能力を用いて 農耕技術、建築術、医術などさまざまな実践的な技術を獲得し、 自らの生活や社会を向上させてきた。 技術は目的や価値を実現するための、「あるべきものの探求」であり、 近代科学によって合理的な基盤を与えられはしたが、 知の営みとしては一段と低い地位に置かれた。 「実学」という呼称はこのことを象徴している。 しかし、人類が直面する深刻な課題を解決するためには、 「あるものの探究」である科学と「あるべきものの探求」である技術が 統合されなければならない。それこそが学術の真の姿である。
引用元:http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-18-t995-60-2.pdf
講義の最後に、ソーシャルデザインの前提を確認しておきましょう
- 問題に気付く
私たちの身の回りには、様々な問題(problem)があります。
まずは、問題に気付くことができるかどうか?
アーティストとしての感性が問われる部分です。
- 問題を忘れない
問題は無数にあって、せっかくそれに気づいても、
忘れてしまうことが多いのも事実です。
見えやすい場所に問題を銘記し、みんなで共有することが大切です。
このあと紹介する、IdeaNote のページもそのためにあります。
- 問題の本質をとらえる
橋をデザインするのではなく、川をどう渡るのかをデザインする。
かたちを作る前に、そもそも何が目的なのかを考えることが大切です。
注意:そもそもその問題は共有できるか
ある人にとっては「寒い」部屋でも、他の人にはちょうどいい・・・
「問題」が共有されなければ、その「解決」は混乱を招くだけです。
価値観、宗教観など文化の違いも含め、問題そのものが共有できない場合は、
「棲み分け」が必要です。
先を急ぐ人と、のんびりしたい人を一緒にすると、お互いが不幸。
実は「棲み分け」るだけで解決する問題が多いことも事実です。
- 課題を設定する
課題とは、問題を解決するための具体的な方法です。
問題(problem)と課題(issue)は違うので、まずこれを区別しましょう。
問題とは「あるべき姿と現状とのギャップ」で、
課題とは「そのギャップを埋める方法」を意味します。
例えば「村が孤立して住民が困っている」というのは「問題」。 「物資を届ける」「住民を移動させる」「橋を架ける」などは「課題」。
一般にひとつの「問題」に対して、いくつもの「課題」が設定できます。
問題が発生した段階では「何をどうすればいいか」が定まっていませんが、課題を定義すると「誰が何をいつまでにどうするか」が明確になります。
ソーシャルデザインの上流工程では、この「課題」を明確に「設定」して、
参加するメンバー全員がこれを共有する必要があります。
以上、本日のお話はここまでです。
本日の課題
本日の講義では、ソーシャルデザイン学科の紹介のあと、大学での学びとは、芸術学部での学びとは、さらにソーシャルデザイン学科での学びの前提についてお話しました。
講義科目というのは、講義を聞いて終わり・・ではありません。講義は「考えるきっかけ」を与えているにすぎません。
講義科目の目的は「講義で聞いたことを覚える」ことではなく、講義をきっかけにして、みなさん自身に自分の考えを築き上げてもらう・・ということです。
・・ということで、次回までの宿題です。
1. 学科サイト>SESSION>ソーシャルデザイン概論 にアクセス
以下のページにアクセスして下さい。
学科サイト>ソーシャルデザイン概論
2. IdeaNote のページに氏名を記入
- 各自の IdeaNote のページに進んで下さい。
今見えているページが、間違いなく自分のページであることを確認して下さい。ページ名は、サイトのロゴの直下に「@九産花子/IdeaNote」と小さく表示されています。
- ◯◯◯◯ をあなたの氏名に書き換えて下さい。
- ここで一旦「更新して下さい。」
ページ名(サイトロゴの直下)を見て、間違いなく自分のページであることを再確認して下さい。・・くどいようですが、ここで間違えると将来大きな混乱を招くので、注意して下さい。名前というのは、情報の識別に非常に重要な要素です。
3. 以下の事項について、あなたなりの考えを語って下さい。
今回の講義をきっかけに、以下の2点について、あなた自身の考えを語って下さい(正解はひとつではありません、あなた自身が自分の考えを人に語ることが大事なのです)。そして、それぞれの考えを相互に読みましましょう。
- 1. 大学での学び(高校までとはどう違うのか)について
- 2. アートとデザインの違いについて
以下のパターン(グレー部分)をコピー、各自の IdeaNote のページにペーストして、それぞれ箇条書きで書き込みを行なって下さい。
**ソーシャルデザイン概論|2020.04.27 ***大学での学び(高校までとの違い) -◯◯◯◯◯、◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯、◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ -◯◯◯◯、◯◯◯◯◯◯◯、◯◯◯◯◯◯◯◯◯ -◯◯◯◯◯◯◯◯◯、◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ ~ ***アートとデザインの違い -◯◯◯◯、◯◯◯◯◯◯◯、◯◯◯◯◯◯◯◯◯ -◯◯◯◯◯◯◯◯◯、◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ -◯◯◯◯◯、◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯、◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ ~ ~
学科サイトの編集方法は、ソーシャルデザイン演習/2020/0423で説明済みです。忘れた・・という方は、そのページをもう一度確認して下さい。
以上、第1回目は、これにて終了とします。
APPENDIX
第2回について
次回は、ソーシャルデザインの具体的な事例の紹介と、情報デザインを学ぶ上での基礎となる、人間社会における情報の歴史と様態 についてお話しします。
次回も同様に、授業開始前に、ページを更新・アップするので、授業時間を中心に、講義の文章を読んで下さい。最後に同様の課題を出しますので、学科サイトのIdeaNoteへの書き込みを行なって下さい。
おそらく私が担当する3回は遠隔授業が続くことが予想されます。教員は「授業のページ」に講義概要を記載し、受講生の方は、学科サイト上の各自のIdeaNoteのページで、自身の考え方を語る・・という流れで進めますので、以後、引き続き、よろしくお願いします。