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情報デザイン概論/2021/1004

第4回 情報デザイン

情報デザイン概論/20212021.10.04

AGENDA



以下、LIVE動画をご覧下さい。記事に沿って解説します。
記録動画の公開は 10月8日(金)までとします。早めの確認をお願いします。



CONTENTS


はじめに

今後の展開について

先週の Zoom での授業の中でもお話したとおり、学生さんと直接的な意見交換の機会も重要であると感じています。以前のアンケートでは、大半が YouTubeLive を希望されていたので、それを尊重したうえで、今後の Zoom の機会(回数)について、ご意見ありましたら、本日のミニッツペーパーに合わせて付記いただけると幸いです。



情報デザインとは

情報デザインの定義?

情報デザインのフィールド

情報×デザインの「てにをは」


情報デザインの 5W2H

情報デザインの可能性

情報デザインにできることは何か?

モノ(ハードウエア)のデザイン vs 情報(ソフトウエア)のデザイン

情報デザイナーの役割

世の中の様々な問題に気づき、その解決策を提案するのがデザイナーです。
問題解決の様々なステップに情報デザインの力が必要とされています。


付記:「情報が無い」ことの明記も重要な情報

気象庁の台風情報のページでは、台風が発生していない場合に、現在台風は発生していません というメッセージが表示されます。「情報が無い」ことを明示することは、情報を探す手間を省く、情報を求めておこる様々な混乱を防ぐ・・などのメリットがあります。

情報共有のための意識改革

クラウドファースト

サーバーにあるものがマスター、手元のファイルはクローン

データはローカルデバイス(自分の手元)ではなく、サーバーに一元管理して、みんなで共有するのが理想です。

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クラウドファーストで考えると、バックアップが自動的にできる(差分記録が残る)など、データを失うリスクが軽減されるとともに利便性も増します。「もし自分のパソコンが壊れたら・・」という不安からも解放されます。

「実体渡し」から「アドレス渡し」へ

情報伝達は、データの「実体渡し」ではなく、「アドレス渡し」を推奨します。例えば以下のように、データのある場所へと誘導するということです。アドレスは単なる文字列なので、通信負荷なく送受可能です。

・授業の資料一覧です。以下をご覧下さい。
 https://www.example.com/data01.html
・ 荷物は北浜305倉庫、B列45番BOX。開錠の暗証番号は2112です。

Push型からPull型へ

Pushとは、送信者が情報を強制的に送る(受信者は情報を受動的に受け取る)もので、電話・FAX・メールなどがこれにあたります。一方 Pull は、受信者が必要なときに情報を能動的に受け取りにいくもので、Webサイト、共有フォルダ、掲示板を見に行くなどの行為がこれにあたります。送信者都合による Push配信は情報氾濫を招きます。可能な限り Push から Pull への移行が賢明です。

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対面・同期から遠隔・非同期へ

リアルタイム・双方向が最良・・というわけではありません。自律分散を前提とするインターネットでは、遠隔・非同期が前提です。

インターネットはアナログ回線と違ってパケット送信が前提です。利用者の通信速度にも依存するので、リアルタイム(同期式)双方向のセッションは本質的に得意ではありません。オンデマンド(非同期式)でも視聴できる動画配信とチャットの組み合わせがベストです。


アナログからデジタルへ

アナログとデジタルの最大の違いは、 デジタル情報が「居場所」を選ばないということです*1。しかし例えば、WORD文書やPDFは「A4タテ」などという情報が含まれている点で紙媒体に拘束されたままだと言えます*2。「モノに拘束されないデータにする」ということを常に意識することが必要です。
ちなみに公的報告書は今だに「紙」が基本で、これがデジタル化の妨げとなっています。

ローカルデバイス(パソコン)からブラウザへ

画像処理、図形描画、音楽制作、そして AI関連のソフトウエア開発など、ほぼすべてのことがブラウザ(Chrome, Firefox等)の中だけで完結できるようになりました。ブラウザは、機種・OSに依存しない世界共通のプラットフォームです。

ローカルデバイス(パソコン)にデータを保存するのをやめて、クラウド一元管理を前提とすれば、必要なのはそのアカウント情報だけ・・ということになります。パソコンを管理する煩わしさからも解放されます。

利用者(消費者)から開発者(生産者)へ

この国では「技術」というものについて、開発者(生産者) と利用者(消費者)という産業革命以後の構図が根強くあって、システム開発を ICTベンダーに丸投げする組織・企業が多く存在します。しかし、業務の ICT 化の名の下に導入される「ガラパゴスシステム」は、その活用に無駄な学習コストがかかるだけでなく、開発がクローズドであるがゆえに、臨機応変な改変もできません。
参考:TheCathedralAndTheBazaar

デジタル技術の特徴は、物質的原材料いらず、オープンなソースコード、豊富な技術情報・・結果、すべての人に DIY の機会が与えられています。消費者意識でベンダーまかせにするのではなく、システムを自らの手で DIY すべく、組織のメンバー全員の意識改革を促すことが大切です。

自らの情報発信基盤を持つ

自らのWebサイトを持つと、その「アドレス渡し」を1回行うだけで、以後の関係構築が完了します。ICTの活用に原材料(お金)は不要です。ITベンダー(専門の生産者)に依存するのではなく、自らその技術(サービス)を利用して Pull アクセスの基盤となる Webサイトを構築することを推奨します。無料のアカウントを持つだけでも、それは実現します。

情報の整理に関わるキーワード

現代社会には情報が氾濫しています。それらを上手く整理して伝達・共有するためのキーワードを紹介します。

5つの帽子掛け

情報の整理には一般に以下の5つの視点があります。
by リチャード・ソール・ワーマン

書棚とデータベース

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従来のように「書類をバインダーに綴じて棚に整理する」という発想ではなく、「書類に関連するカテゴリー名やタグを付けて保管しておけば、あとはシステムが自動的に引き出してくれる」、つまり「ツリー状の枠組みで物事を片付ける必要はく、情報にマーキングだけしておいて、あとは機械に探させればいい」という発想の転換をすることで、情報の管理は非常に楽になります。

カテゴリーとタグ

カテゴリーは、一般にツリー型の分類構造を持ちます。例えば、Webサイトのサイトマップ(ナビゲーションメニューに反映)は、一般にカテゴリーツリーの形で構成されます。

一方タグは、各情報に関連するワード「タグ」付けする・・というもので、ツリー状の分類とは無縁の存在です。例えば「犬の写真」には、「犬」と「写真」の2つのタグを付けておけば、閲覧者は「犬」からでも「写真」からでも目的のデータにたどり着くことができます。

付記:カテゴリーツリーの作り方は多様
例えば、A大学の学生をいくつかのグループに分けるには・・

など、分け方や階層の上下関係は様々に考えることができます。

ツリー状に整理格納する場合、階層が深くなるとデータの探索には時間がかかります。また、実際には一つのカテゴリーに振り分けられない情報というものも存在します。であれば、情報をカテゴリーツリー上のどこかに割り付けるのではなく、個々の情報の方にカテゴリー名を付与する(一般的には、いずれかひとつのカテゴリー名をつけるべきですが、場合によっては複数のカテゴリー名を付与することもできる)という、逆転の発想で情報を整理する方が、柔軟な情報管理が可能になります。


フォルダとインデックス

フォルダは上記の「カテゴリー」に相当するツリー状の階層構造を持つもので、インデックスは上記の「タグ」に相当します。CMS等の管理上の用語としては、同義と考えて差し支えありません。

ストックとフロー

ストックとは、長期にわたって何度も閲覧される情報のことで、マニュアル、参考資料、文書フォームなどがこれに該当します。一方、フローとは、短期間で価値がなくなる情報で、お知らせ、募集告知などがこれにあたります。

伽藍とバザール

ページを独立させました > TheCathedralAndTheBazaar

ツリーとセミラティス

ページを独立させました > Semi-lattice

Wiki と Blog

CMSの2大スタイルである Wiki と Blog は「ストック(カテゴリー)」に重点を置くか「フロー(タグ)」に重点を置くかの違いで説明することができます。

ミニッツペーパー

受講生の方のコメント

APPENDIX

関連LINK

書籍紹介

付記

情報の空間性・時間性

松岡正剛(「知の編集工学」)に、有名な言葉があります。

情報は、ひとりでいられない

差異 / 言語 / 情報

最も基本的な「情報化」は、それに「名を与える」ということです。
言語化されてはじめてそれは情報になります。 > 言葉とは何か
物事を「差異化」して「関係づけ」すること・・




PAGES

GUIDE

TOOL

DATA


*1 アナログの時代には、文字は紙、音はテープ、 光はフィルムなどのように、情報が媒体(工業製品)に拘束されていました。
*2 ページに収めるためのレイアウト調整や、罫線との格闘、これがこの国の生産効率を著しく下げている元凶です。
Last-modified: 2021-10-11 (月) 13:39:00