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演習/「面白い!」を編集する

「面白い!」を編集する







「面白い!」とは、どういうことか

芸術・デザインの取り組みは「面白い!」ことが大前提です。どんなに重要なことでも、それが楽しく面白いものでなければ、人は積極的には動かないし、また継続もできません。
 そこで問題です。人は様々なものごとに対して「面白い」という言葉を発しますが、そもそも「面白い!」とはどういうことなのか。

 あらゆる感情現象にいえることですが、どんなモノ・コトを「面白い!」と感じるかは、人により、また状況により様々です。感情はそれを享受する人の脳内で起こる現象なので、作り手(送り手)の創造力だけでデザインできるものではありません。しかし、作家、お笑いタレント、クリエイターなどと呼ばれる人たちの実践を見れば明らかなように、世の中には高い確率で「面白い!」状況を作り出すコツが存在することも確かです。

「面白い!」とはどういうことか。その究極は、「刺激に対して脳がよろこぶ」つまり「脳内の神経細胞同士の結合に劇的な組み換えが生じて、脳内に快感物質が走る状況」です。
 ちなみに、脳内をかけめぐるのは「情報」です。「面白い!」には、資源つまり「お金」は不要です。

「面白い! 」の2大原理

知の体制化(感動する面白さ)

「知」の獲得とは、生まれたてのぐちゃぐちゃな脳内結線を、つないだり切ったりして秩序立てていくことを意味します。「分かった!」というときに感じる「面白さ」はその典型的なもので、複雑に絡んだ脳内結線が、文字どおりいくつかのグループに「分かれ」て信号の流れがクリアになる状況*1であると説明できます。
 知の体制・脳内回路は組換えが可能です。既存の物事の関係を再「編集」して別の関係に組換えることができれば、「面白い!」は無限に生産可能です。

知の崩壊と再体制化(笑える面白さ)

岸田秀によれば、笑いとは「共同幻想(擬似現実)の崩壊または亀裂によって起こる、それが要求していたところの緊張からの解放」です。既成の概念、常識、我々を縛り付ける思考の回路が寸断されると同時に、それまで異質なものとして位置づけられていたものが新たな関係を結ぶ瞬間、人は「笑える」面白さを感じます。

編集してみよう

新しいアイデアの大半は、既存の物事の再・編集によって生まれます。


発想法

私たちの思考回路には「常識」のバイアスがかかっているので、例えば、
「ひらがな を ◯◯◯ 」という文における ◯◯◯ の部分には、

ひらがな を 書く ひらがな を 覚える ひらがな を 漢字に変換する

のような、ふつうにつながる言葉しか思い浮かばないようになっています。

ということは、意識的にこれを排除して、ありえない接続を行えば、今までにない発想が生まれる・・ということになります。



編集|タイプA 名詞と動詞

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単語をつなぐ

ひとつの名詞に対して ありえない動詞 を接続してみる。

発想を広げる

2つの単語の関係から思いつく、物語・構造物・商品・イベント・・を発想。

編集|タイプB 名詞と名詞

単語をつなぐ

2つの名詞を 様々な「てにをは」 で接続してみる。

発想を広げる

2つの単語の関係から思いつく、物語・構造物・商品・イベント・・を発想。

演習の最後に

モノ・コトの価値は所与のものではない

つまりどんなモノ・コトでも、それをとりまく関係を再編集することによって、新たな価値を産みだすことができるのです。
*所与のものではない:はじめから備わっているものではないという意味です。





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*1 概念の分類は一般に、善と悪、天と地など、2項対立形式をとります。シナプスの結合には興奮と抑制があって、一方の回路が興奮したときは別の回路が抑制される・・まさに2項対立的なふるまいをします。
*2 「7割でええわな」というくだりがあります。「言われてみれば確かにそうだ」、「言語化されてはじめてわかる」ということも知の再構築であり、そこに笑顔が生まれます。ちなみに、7割あたりまでが最も学習効率が良いというのは、ロジスティック曲線を見るとわかります。
*3 「いじめ」の問題も同じです。いじめる人、いじめられる人がいるのではなく、人間社会の基本原理として「いじめの構造(秩序を更新しつづけるためのしくみ)」があって、そこにいじめる人、いじめられる人が役付けされるのです。構造が先にあって後に役割が与えられると考えれば、昨日までいじめていた人が、明日はいじめられる人になる・・という現象も何ら不思議はありません。
Last-modified: 2019-07-05 (金) 20:51:28