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Blender/Materials

Materials

Blender Tutorial

オブジェクトの材質(色・質感)のことをマテリアルと言います。Blenderでは、このマテリアル設定をシェーダーエディタのメインウインドウにあるノードエディタを使って設定します。従来型のプロパティーエディタでも設定可能ですが、レンダリングエンジンの Cycles と Eevee はノードツリーを使用するため、ノードエディターの利用(Use Nodes)がデフォルトになっています。



はじめに

2DCGでは、ラスター系(Photoshopなど)でもベクター系(Illustrator)でも、ピクセルや図形に設定するのは色(RGB値)と透明度(α値)のみですが、3DCGの場合は、一般に PBR(Physically-Based Rendering) と呼ばれる物理ベースのレンダリングを行うのに必要なパラメータを設定する必要があって、基本色のみならず、光の拡散、鏡面反射、透過・屈折、発光といった、シーディングの細かい設定が必要になります。

マテリアルに関するデータ自体が大きなデータセットになるため、赤いプラスチック・銅・ガラスなど、マテリアルには個別に名前を付けて、オブジェクトとの紐付けを簡単にできるように管理します。例えば「ガラス」と名付けられたマテリアルデータは、シーンに登場する複数のガラス素材のオブジェクトにリンクされて利用されるのが一般的です。



マテリアルの設定方法

レンダリングエンジンの設定  解説動画

マテリアルの設定を学ぶには、鏡面反射や透過といった光のシミュレーションも含めて試す必要があります。Blender デフォルトのレンダリングエンジン Eevee は、それに対応していないので、まずは、レイトレイシング(光線追跡)ができる Cycles エンジンを使うように設定して下さい。

PropertyEditor の RenderProprety パネルで エンジンを Cycles にします。

Render Engine:Cycles


Shading ワークスペースの利用

マテリアルの設定を行う場合は、Shadingワークスペースを使うのが効率的です。TopBar の ワークスペース選択から Shading を選択すると シェーダーエディタを含むワークスペースが表示されます。

マテリアルの新規作成

新規のオブジェクトは、オブジェクトデータ(頂点座標等)を持っていますが、マテリアル情報は持っていません。オブジェクトに色を付けるには、マテリアルデータブロックをリンクする必要があります。この初期操作は、以下のいずれかの方法で実現できます(後者を推奨)。

PropertyEditor > Material Property > New(または既存のものを選択)
ShaderEditor > Header > Material > New(または既存のものを選択)
Material.jpg

右図は、オブジェクト(Cube)にマテリアル(Material)が設定されている場合のデータの階層構造です。これは、Outliner の画面で個々のオブジェクトの項目をプルダウンして確認することができます。


NodeEditor を使ってマテリアルを設定  解説動画

シェーダーエディタのメインウインドウは NodeEditor になっています。

ShaderEditor.jpg

右図は、オブジェクトに新規のマテリアルを設定(New)した直後の画面で、シェーダーノードのひとつである Principled BSDF と、アウトプトノードのひとつである、Material Output の2つのノードが表示されています。

個々のノードには、ソケットと呼ばれる連結部分があって、マウスドラッグで同じ色同士のソケットを接続します。ノードは大きく3種類あって、ソケットは以下のように配置されています。

一般に、入力側ノードを左、出力側ノードを右に置いて、左から右へと処理が進むとイメージすればよいでしょう。右図の例では、ShederNode の出力が Material Output の Surface に接続されています。

Shading Parameter

オブジェクトの色や質感は、以下のような項目の値を設定することで、調整ができます(Principled BSDF ノードの場合)。

代表的な質感設定

Principled BSDFのデフォルト状態から、以下の値のみ変更すれば実現します。

付記:Smooth と Flat  解説動画

メッシュオブジェクトの表面が滑らかにならない・・という方。フラットシェーディングとスムーズシェーディングの違いをご確認下さい(以下)。
オブジェクトのシェーディング方法



複数マテリアルの定義

オブジェクトに複数のマテリアルを持たせるには、以下2つの方法があります。
解説動画

EditMode で面ごとに定義

MaterialAssign.jpg

複数のオブジェクトを JOIN する

例えば、本体がアルミで、取っ手が木材の「鍋」をつくる場合、全体の形をつくってから塗り分けるのではなく、本体と取っ手を別のオブジェクトとしてモデリングし、マテリアルの設定まで行ってから、2つのオブジェクトを JOIN すれば、結果的には、複数のマテリアルを持ったオブジェクトが完成します。

ShaderNodes

Blender には複数のシェーダーノードが用意されていますが、通常のマテリアル設定では、Disney Principled BRDF(あるいはこれを拡張した Disney BSDF) に基づいたシェーダである Principled BSDF*1 を選ぶとよいでしょう。

その他、Blender に用意されているシェーダーノードを紹介します。鏡面反射や透明ガラス等に特化したノードが用意されているので、最適なノードを選択するだけで、それらの質感は簡単に設定することができます。

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DATA


*1 Bidirectional Scattering Distribution Function(双方向散乱分布関数)とは、物体表面での光の散乱を計算するために使用される物理ベースの拡散近似モデルで、双方向というのは入射方向と出射方向が逆の場合でも同じ値になることを意味します。
Last-modified: 2022-02-22 (火) 15:58:06