スケールフリーネットワーク
Diameter of the world wide web
Albert-László Barabási & Réka Albert(Nature 401, 130-131 )
スケールフリーとは、現実世界のネットワークが持つ性質の一つで、数学的には 頂点が次数 k を持つ確率 p(k) の確率分布が p(k) ∝ k -γ という、べき乗則に従う性質をもつものを指します。
このような次数分布では、分布の偏りを特徴付ける平均的な尺度(スケール)が存在しなくなることから「スケールフリー」と呼ばれています。また、このような確率分布では分散 V は無限大となります。
一部の頂点が他のたくさんの頂点と辺で繋がって大きな次数を持っている一方で、その他の大部分はわずかな頂点としか繋がっておらず、小さな次数を持ちます(ちなみに、次数の大きな頂点を「ハブ」と呼びます)。
スケールフリーの性質は、現実世界のネットワークでは幅広く観察されています。例えば・・・
- 人々の友人関係の数をみると、一部の人は非常に多くの友人を持っていますが、大多数の人々の友人の数は限られています
- WWWでは、ごく少数のメジャーなサイトが数百万単位のリンクを集めている一方で、大多数のサイトはわずかなリンク先関係しか持ちません。
- 生体内の相互作用でも、ごく一部のたんぱく質が多数のたんぱく質と反応する構造になっています。