推論
Inference
推論とは、既知の事実から新しい結論を導き出す思考のプロセスで、主な形式として演繹、帰納、アブダクションの3種類があります。
演繹|Deduction
一般的な規則や原理(大前提)と特定の事実(小前提)を結びつけ、正しい結論を導き出す推論です。前提が真であれば、結論も必然的に真となります。
- 方向性: 一般 → 個別(トップダウン)
- 特 徴:正しい結論に至りますが、新しな知見を出むものではない
- 演繹の例
- 大前提:すべての人間はいつか死ぬ。(一般規則)
- 小前提:ソクラテスは人間である。(特定事実)
- 結 論:ゆえに、ソクラテスはいつか死ぬ。(必然的な結論)
帰納|Induction
複数の個別的な事例や観察事実から、それらに共通する一般的な規則・法則を導き出す推論です。結論は真である可能性が高い・・しかし、必ずしも必然とは言えません。
- 方向性: 個別 → 一般(ボトムアップ)
- 特 徴: 蓋然的な結論。新たな知見や仮説を生み出す力があります。
- 帰納の例:
- 事 例:帰納、太陽は東から昇った
- 事 例:今日も太陽は東から昇った
- 結 論:太陽はいつも東から昇る
アブダクション|Abduction
アブダクション(仮説形成)は、観察事実を最もよく説明する仮説を導き出す推論です。帰納法と並んで仮説形成に重要な役割を果たすもので、新しいアイデアや診断が生まれます。
- 方向性: 事実 → 仮説
- 特 徴: 推論の出発点となる仮説形成。科学的な発見や謎解きで重要
- アブダクションの例
- 規則:雨が降ると地面が濡れる
- 事実:地面が濡れている
- 仮説:雨が降ったのだろう