成長というものについて考える
いわゆる「成長曲線」のひとつとして知られるロジスティック曲線は、ロジスティック方程式から導かれます。
生物の個体数の変化の様子を表す数理モデルの一種です。ベルギーの数学者ピエール=フランソワ・フェルフルスト(Pierre-François Verhulst)が1838年に発案したもので、単一種の生物が一定の環境内で増殖する場合に、その生物の個体数(個体群サイズ)の変動を予測する微分方程式です。
この式は、個体数が増えて環境収容力に近づくほど、個体数増加率が減っていくことを意味します。
ある生物の定着が成功するには大きな r を持つことが重要で、絶滅の回避には大きな K を持つことが重要だと言われます。ちなみにそれぞれが原因で淘汰されることを r淘汰、K淘汰と言います。
ロジスティック方程式の解(個体数と時間の関係)は、以下の関数式となり、右図のようなS字型の曲線を描きます。グラフは、r=1, K=100, N0=1の場合です。
で、受験対策では、80点取れる科目をさらに伸ばすより、今30点台の苦手科目を伸ばすことを考える方が、短時間で総合点を上げることができる・・という発想になるわけです。
世の中なんでもかんでも「数値目標を掲げろ!」と言われますが、毎年これを続けていると、最終的には100%を目指すことになってしまいます。これは巨視的に見ると弊害が多いので注意が必要です。
あなたの成績は80点で十分です。あとは伸び悩んでいる人を応援して下さい。という組織の方が、全体のパフォーマンスが上がります。個別評価による競争が全体のパフォーマンスを下げるというのは既知の事実です。
めんどくさそうなら、はじめから手をつけない。
成果がでても、まあ7割ぐらいでええわな・・あとは自由時間にしましょう。
というのが人と社会にとって、賢い選択ではないでしょうか?
人生、楽しむ程度に賢ければいい・・と師匠が言ってました。