第3回 アイデア創出
ソーシャルデザイン応用演習/2020|2020.09.29|遠隔
情報共有シート|グループ一覧|学科サイト
AGENDA
- 以下名簿が表示されます。ご自身の「出席欄」にチェックをつけて下さい。
情報共有シート
情報共有シートは、遠隔授業時の質疑応答シートを兼ねています。 - デザイン思考>「アイデア創出」を行います。
- 学科サイトを更新するとともに、本日の報告を記載して下さい。
学科サイト(受講生一覧)
以下、LIVE動画を視聴後、グループごとにアイデア創出会議を行って下さい。
本日のメニュー
アイデア創出
アイデア創出(Ideate)は、定義された目的や方向性を実現するためのアイデアを量産する段階です。この段階では、ブレインストーミングや、アイデア創出技法を活用して、質よりも量を重視して考え得るさまざまなアイデアを書き出してみて下さい。
以下、アイデア創出に関わる一般的な知見、手法について紹介します。
アイデアが生まれる環境
以下、複数のメンバーでアイデア創出を行う場合の一般論です。
- People:一般にステークホルダー(利害関係者)と呼ばれる「関係者」に一緒に参加してもらい、様々な意見をもらいます。
- Place:アイデア創出は、複数の関係者が集まれるミーティングルームなどで行います。テーブルや椅子のセッティング、BGM、スナック・ソフトドリンクの提供など、参加者をリラックスさせる環境づくりが重要です。
- Time:アイデア創出には、人が集中できる時間(45分程度)を一区切りとして、適度な休憩や、アイスブレーキングが必要です。また、メンバー間の緊張をほぐす意味で、最初に簡単な自己紹介などをするのが一般的です。
- Observation:アイデアはユーザーの観察から生まれます。
IDEO(アイディオ)が行った地下鉄駅の自動販売機売り上げアップに関するプロジェクトでは、「地下鉄の駅においてユーザーを観察する」ことを重視しました。結果、時間を気にしている客が多いことがわかったため、自動販売機の上に時計を置くことで、その売上をアップさせました。
その他、ドリンク自販機では、下段の左端に注目が集まる(>そこに主力商品を配置する)、利用者が冷たいドリンクをカバンに入れる(カバンの中が濡れてしまう)のに苦労している(>常温の商品を配置する)。など、利用者の観察から様々なアイデアが生まれています。
HMW
HMW(How Might We)という表現は、IDEOが提唱したアイデア創出の手法で、How Might We Questions と言われています。アイデア創出にあたっては、「私たちはどのようにしたら◯◯◯ができるのか」という質問を投げかけます。
九産大プロジェクトの事例
- 問題と課題が混在して、発想できる範囲が狭まった問い
1号館から17号館をつなぐ「屋根がない」ので雨の日に濡れてしまう
- 何が問題なのかを明確にすることで発想を広げやすくした問い
我々はどうしたら1号館から17号館へ雨に濡れずに移動できるのか > 屋根、地下道、テレポーテーションなど、発想を広げやすい
ブレーンストーミング
ブレインストーミング(BS法: brainstorming)は、アレックス・F・オズボーンによって考案された会議方式のひとつで、みんなでアイデアを出し合う際に、相互の連鎖反応や発想を誘発する技法です。
みんなが自由な発言の機会を得られるよう、ブレストを行う人数は、5 - 7名程度が望ましく、人数が多い場合は小グループに分けて、それぞれの成果を持ち寄る・・といったケースもあります。
ブレストには、一般に以下のような原則があります。
- 他者の発言を批判しない
批判はメンバーの発言意欲を減退させます。どんなアイデアも、批判せずに聞くことで、自由に思ったことを言える空気感をつくります。 - 判断・結論を出さない
判断や結論は次の段階の話として、個々のアイデアに判断を下すことを慎む - 荒削りな考えを歓迎する
奇抜、斬新、ユニークなアイデアを重視。細かいことにツッコミは入れない - 質より量を重んじる
質を上げるのは次の段階として、とりあえず思いつくアイデアを量産する。 - アイディアを編集して発展させる
複数のアイデアを「編集」することで新たなアイデアを生み出す。
個人のオリジナリティーにこだわることなく、他人の意見をうまく利用することも推奨されます。
KJ法
文化人類学者の川喜田二郎氏がデータをまとめるために考案した手法で、そのアルファベット頭文字をとって KJ法。
ポストイットとマーカー、そしてホワイトボードを使って、以下のように情報を整理していく手法で、おそらくみなさんも総合学習の時間等で経験したことがあるかと思います。
- ポストイット1枚に対して絵や字で1つのアイデアを書く
- たくさんのポストイット=アイデアをホワイトボードに貼る
- 全体を眺めながら、それを貼り替えて、グルーピング
- アイデアのカテゴリーや方向性を絞り込んでいく・・
参考情報:
- Tool:Google Jamboard
参考文献
以下、いずれも50年ほど前のものですが、定番の書籍です。
アイデア創出|遠隔会議
- Zoom、LINE通話(ビデオ)等、ツールは自由です。
- リーダーがホストとなって、メンバーを会議室に招待して、アイデア創出を行って下さい。
- 遠隔ツールの例:Google JamBoard
- 2限目以降の授業で移動が必要な方に配慮して下さい。
学科サイトの更新|次回授業前まで
member の部分の相互リンク
- 4名全員の氏名を記載するとともに、それぞれのプロジェクトページへのリンクを張って、相互に行き来できるようにして下さい。
-[[John Smith>JohnSmith/SD応用演習]] -[[Jane Smith>JaneSmith/SD応用演習]] :
プロジェクトの現状(CurrentStatus)部分を執筆
- グループのメンバー全員が同じ内容になります。メンバー全員で考えて、同じ文章を共有・記載して下さい。
- 現状では、アイデアを「言葉で書く」というかたちでOKです。
プロジェクト管理の部分を更新
- スケジュールを更新して下さい。
- ToDo項目を整理・更新して下さい。
Worklog の 本日の作業記録を各自執筆
- この部分は「日記」なので、個々に異なる書き方で構いません。
第4回について
次週第4回は、グループごとの判断で、遠隔または対面で作業を進めます。
- 作業日時については、グループごとに決めて構いません。
- 前回同様に 9:30 から概要説明を行いますので、それを視聴して下さい。
- 火曜1限の授業時間帯は個別の相談・アドバイスの時間とします。遠隔通信・教室対応いずれでも構いません。ご相談下さい。
APPENDIX
アイデアは編集から生まれる
新しいアイデアの大半は既存の物事の再・編集によって生まれます。
私たちの思考回路には「常識」のバイアスがかかっているので、例えば、
「ひらがな を ◯◯◯ 」という文における ◯◯◯ の部分には、
ひらがな を 書く ひらがな を 覚える ひらがな を 漢字に変換する
のような、ふつうにつながる言葉しか思い浮かばないようになっています。
ということは、意識的にこれを排除して、ありえない接続を行えば、今までにない発想が生まれる・・ということになります。
ひらがな が 歩く ひらがな で 滑る ひらがな を 焼く
アイデアワークシート
単語をつなぐ
- まずはシートの上方、左側の単語を決めます。単語は直感的に浮かんだものを。そして一旦決めたら変えないで下さい。
- 次に、左側からは通常連想されないコトバを右側に埋めます。
- 接続詞をいろいろ変えながら、何かあるかも・・と感じたところで、その接続詞を書き込んで下さい。。
発想を広げる
- つながったコトバを何度も頭の中で連呼します。
- 左側の単語と代用可能な語を想起するなどして、イメージを拡大してみます。
記号学では代用可能な語の体系を範列(Paradigms)といいます - こんな商品ができるかも? こんな小説が書けるかも? こんなゲームができるかも? と思いついたら、それをシートの下の枠に記入して下さい。
参考:過去のWorkshopより
- いろはす で 奏でる
- ペットボトル製のパーカッションで演奏会
- 画家 を 飼う
- 部屋に飾れる画家のミニチュアフィギア
- ある日ひとりの画家が訪ねてきた。・・飼う事になった。
- 傘 が 予約する
- 雨が降る日に、持ち手が光って利用者に持参を促す
- 消しゴム が しゃべる
- 消しゴム型のミニチュアロボット
- ふでばこ で 寝る
- 筆箱的な収納スペースを持つベッド
- 筆箱、財布、スマホ・・日用品の絵柄がプリントされた寝袋
- 本 を 飲む
- ペットボトルのラベルに小説をプリント
- 警察官 を 食べる
- ペロペロチョコ「働く人」シリーズ
- 野菜 に 食べられる
- 野菜の形をモチーフとした掃除機、ゴミ箱、回収ボックス・・