Blender Interface
Blender Ver.3.0
Blender を起動すると、画面いっぱいに様々なメニューやツールが表示されます。これらの名称とそれぞれの用途をざっくり頭に入れることで、マニュアルを読む際の理解効率が上がる・・ということで、このページでは、Blender のインターフェイスについて概説しています。
画面構成
3DCGツールは操作項目が多いため、一般に画面構成は複雑になります。Blenderのウインドウ階層構造は以下のように、トップバー、エリア、ステータスバーの3領域からなり、エリア(ワークスペース)は複数のエディタによって構成されます。エディタの中にはさらに複数のリージョンが含まれます。
- Topbar(MainMenu / Workspace Selector / Scene & Layer)
- Area
- 3D Viewport Editor
- Header( Editor Type Selector / Menu / Tools)
- Main Region
- Toolbar
- Sidebar(Item / Tool / View)
- Viewport Gizmos & Navigation Control
- Operator Panel
- Outliner
- PropertyEditor
- TimelineEditor
- 3D Viewport Editor
- Statusbar
Topbar
MainMenu
基本的なアプリケーションメニューは、画面左上に配置されています。
- File:New, Open, Save, Append, Import, Export ・・
- Edit:Undo、RepeatLast ・・ Preferences ・・
- Render:Render Image, Render Animation ・・
WorkspaceSelector
ワークスペースとは、アプリケーションが持つ様々なエディタを用途に応じて最適なレイアウトに構成した作業スペースのことです。
Blenderのワークスペースは複数の独立したエディタの組み合わせになっています。メニューの右に並ぶワークスペースセレクタによって、シーンのレイアウト、モデリング、UV編集など、作業形態に適したプリセットのワークスペースを選択して利用することができます。
- Layout:シーンとオブジェクトのプレビュー(デフォルト)
- Modeling:モデリングツールによるジオメトリへの変更
- Sculpting:スカルプトツールによるメッシュへの変更
- UV Editing:テクスチュア画像を3Dモデルにマッピング
- Texture Paint:テクスチュアを3D ビュー上で色付け
- Shading:レンダリングにおけるマテリアル設定
- Animation:アニメーションのための時系列プロパティの設定
- Rendering:レンダリング結果の表示と分析
- Compositing:レンダリング画像の後処理*1
- Geometry Nodes:ノードを用いた手続き型のモデリング
- Scripting:Pythonスクリプトの記述
- [+]:新規のオリジナルワークスペースを追加できます。
- VFX > Motion Tracking:3D モーショントラッキング
- VideoEditing > Video Editing:映像編集
Scene & Layer
データブロックメニュー を使用して、アクティブにする シーン と ビューレイヤー を選択します。
Area
Blenderのウィンドウはエリアと呼ばれるいくつかの区画に分割されていて、それぞれが 3D Viewport や Outliner などの エディタとして機能します。以下、Layoutワークスペース(デフォルトワークスペース)に表示されている4つのウインドウについて概説します。
3D Viewport
3D Viewport は、3次元的に物体を表示するウインドウで、3D空間内に置かれたカメラ、照明、モデルなどの全体像を様々な視点から見ることができます。舞台のレイアウトやモデリングなど、あらゆる作業の中心となるウインドウです(詳細はリージョンの節で)。
Properties
オブジェクトの形状、マテリアル、テクスチュア、カメラや照明の設定、そしてワールドの設定と最終的なレンダリングに関する設定など、様々なプロパティーを設定するためのタブセットになっているウインドウです。
2Dのソフトウエアと異なり、3Dでは一つのオブジェクトに対して非常に多くの設定が必要になるため、このウインドウも非常に使用頻度の高いものとなります。
ただ、すべてのボタンの意味を覚える必要はありません。実際によく使用するものは限られていますし、基本的にはデフォルトのままで最適な状態になっていますので、初心者のうちは、あまりあちこち触らないというのが賢明です。
OutLiner
アウトライナーは、Blendファイルに保存されるすべてのデータをリスト表示するウインドウです。アウトライナーの各行には、データブロックが表示されます。名前の左側の[▶︎]のクリックで、データブロックが展開表示されます。アウトライナーを用いると以下のようなことができます。
- シーン内のデータの表示
- シーン内のオブジェクトを選択および選択解除
- シーン内のオブジェクトを非表示または表示
- 選択の有効化または無効化(3D Viewでオブジェクトをロックするため)
- オブジェクトのレンダリングの有効化または無効化
- シーンからオブジェクトを削除
- データのリンク解除
- シーン内のコレクション管理
Timeline
タイムラインエディタは、アニメーションの動作確認に使用されます。アニメーションシーケンスを再生、一時停止、およびスキップするための Transport コントローラ が含まれていて、現在のフレームやアクティブオブジェクトのキーフレーム、アニメーションシーケンスの開始フレームと終了フレーム、およびユーザーが設定したマーカーが表示されます。
各エリアのエディタタイプの切り替え
すべてのウインドウは、ウインドウ左上のEditor Type Selectorによって、自由にその役割を切り替えることができます。
各エリアのサイズ変更・分割等
ワークスペース上のすべてのエリアは境界部分のドラッグによるサイズ変更の他、エリアの分割・結合も可能です。エリアの端(境界)でマウスを右クリックすると、以下の分割メニューが表示されます。
- Vertical Split:垂直方向に境界を作るかたちで左右に分割します。
- Horizontal Split:水平方向に境界をつくるかたちで上下に分割します。
- Join Areas:左右(上下)のエリアを矢印方向に結合します。
- Swap Areas:左右(上下)が入れ替わります。
StatusBar
ステータスバーは Blenderウィンドウの下部にあって、キーボードショートカット、結果や警告のメッセージ、統計情報などのコンテキスト情報を表示します。
ステータスバーは、Windowsメニューの Show Status Bar を無効にするか、上端を下にドラッグすることで非表示にすることもできます。
キーマップ情報
ステータスバーの左側には、マウスボタンのショートカットとアクティブなツールのキーマップが表示されます。ツールバーのあるエディタでは、Alt を押すと、目的のツールに変更するためのホットキーが表示されます。
ステータスメッセージ
ステータスバーの中央には、レンダリング、ベイク、再生など、現在実行中のタスクの進行が表示されます。
プログレスバーにマウスポインタを重ねると、推定時間が表示されます。
キャンセルボタン( X アイコン )でタスクを中止できます。
3D Viewport Editor
3D Viewport Editorはさらに細かい Regions(リージョン)に分割されます。リージョンには、Header・Toolbar・Sidebar などがあって、メニュー・ボタン・コントロール・ヴィジェットなどのさらに小さなインターフェイス要素が含まれます。以下、3D Viewport Editorに含まれるリージョンについて概説します。
Header
エディタの上部または下部には、水平に帯状のメニューが並びます。すべてのエディタには、メニューと一般的なツールを格納するヘッダーがあって、それらはエディタの種類や選択したオブジェクトおよびモードによって変わります。
Toolbar
エディタ領域の左側には、一連の対話型ツールが含まれています。
Keyboard:[T] (Tool) で表示・非表示できます。
Sidebar
エディタ領域の右側には、エディタ内のオブジェクトおよびエディタ自身の設定を行うパネル があります。
Keyboard:[N] (Numeric) で表示・非表示できます。
Viewport Gizmos & Navigation Control
ビューポートギズモは、視点の移動・回転・拡縮等を直感的に行うためのツールで、マニピュレータと呼ばれる矢印や円をドラッグすることで対象を操作します。
ナビゲーションコントロールは、視野のズームや投影法の切替えを行うためのボタン群です。
これらの表示・非表示は、Header内にある、ギズモアイコンで切り替えることができるようになっています。
Operator Panel
オペレータパネルは、シーンに Sphere メッシュを配置する際の分割数など、オブジェクトの設定を行うためのもので、操作の文脈に応じて適宜表示されるものです。様々な属性を数値で指定します。
Node Editor
Blender にはレンダリングパイプラインを視覚的に編集できるノードエディタという機能があります。
マテリアルやコンポジットの編集で Use Nodes を選択すると、レンダリングの際にノードツリーを使用するよう、レンダリングエンジンに指示されます。
Node Editor を持つのは、以下のエディタタイプです。
- Shader Editor:マテリアルの編集(右図)
- Texture Node Editor:テクスチュアの編集
- Geometry Node Editor:幾何学的情報の編集*2
- Compositer:合成加工処理の編集
各ノードには、ソケットと呼ばれる連結部分があって、マウスドラッグで同じ色同士のソケットを接続します。ノードは大きく3種類あって、ソケットは以下のように配置されています。
- 入力系ノード:右側に出力ソケット
- 編集系ノード:左側に入力ソケット+右側に出力ソケット
- 出力系ノード:左側に入力ソケット
一般に、入力側ノードを左、出力側ノードを右に置いて、左から右へと処理が進むとイメージすればよいでしょう。