定義
デザイン思考のプロセスにおいて、現状の問題を見出し、何をどうするべきか、その課題を定義する・・という作業は非常に重要です。
極端に言えば、課題が決まれば(あとはアイデアを考えて実行するだけなので)プロジェクトの大半はできたも同然です。
問題の見極めが重要です
究極の「問題」は何なのか、これを正しく見極めることで、アイデアの可能性を広げることが可能になります。
- 問題と課題が混在するとアイデアが広がらなくなります
村と村をつなぐ橋が無い > 橋を架ける・・以外の方法に思い至らなくなります。
- 何が問題なのかを正しく見極めると
我々はどうすれば川の向こうとこちらをつなぐことができるのか > 橋を架ける 渡し舟を使う ドローンで運ぶ 無線通信設備をつくる
付記)「つなぐ手段がない」というのは問題ですが、「橋が無い」というのは「橋を架ける」という課題に直結してしまっています。
HMW
HMW(How Might We)という表現は、IDEOが提唱した「問い」の手法で、How Might We Questions と言われています。「私たちはどのようにしたら◯◯◯ができるのか」という「問い」をつくることによって、課題を明確にすることができます。
以下、スタンフォード大学の d.school の記事にある有名な事例です。アイデアが出やすい「問いの作り方」の参考にして下さい。
- HMW create a cone to eat ice cream without dripping?
どうしたら、アイスをたらさないですむコーンを作ることができるか?
> これは、アイスクリームをたらさない手法を考える・・という1点に思考が集中してしまいます(視野が狭すぎる)。
- HMW redesign dessert?
どのようにして、デザートを新しくデザインするか?
> これは、デザートの種類が定義されていないために、思考を集中させることが難しくなります(視野が広すぎる)。
- HMW redesign ice cream to be more portable?
どうしたら、持ち運びしやすいアイスを新たにデザインすることができるのか
> 問いの方向性が明確であると同時に、様々な可能性が模索できる(◯)。
- 参考:九産大プロジェクトの事例
- 問題と課題が混在して、発想できる範囲が狭まった問い
1号館から17号館をつなぐ「屋根がない」ので雨の日に濡れてしまう
- 何が問題なのかを明確にすることで発想を広げやすくした問い
我々はどうしたら1号館から17号館へ雨に濡れずに移動できるのか > 屋根、地下道、テレポーテーションなど、発想を広げやすい
- 問題と課題が混在して、発想できる範囲が狭まった問い