#author("2022-10-31T12:13:47+09:00;2021-06-11T13:30:57+09:00","default:inoue.ko","inoue.ko") #settableborder(none) * Design の位相 ~ **アート / デザイン / テクノロジー あくまで個人的な概念整理|常に迷い中 ~ ***Art|0 → 1 -世界(意識の内外、社会の内外)において「動機」が生まれる 作家自身にも動機が自覚できない場合がある(手が勝手に動く) // 勝手に芽生える「恋」/ 対面で落ちる「恋」 -日常を挑発する自由な表現(法や常識による拘束を受けない''外部性'') 歌、音曲、絵、舞・・芸術には「神への捧げ物」としての起源がある //資本主義社会の中で生まれた映画は「商品」として誕生した経緯があって、その点では、神に捧げるものとしての印象が薄い -文化的成熟の契機となる -アウトプットは世界にひとつだけの「作品」 特別にゾーニングされた時空間(美術館)に展示される ~ ***Design|1 → 10 -世界に潜む可能性や問題をボトムアップ的に発見する(上流・創発) -社会のニーズに基づきトップダウン的に課題を設定する(下流・最適化) // 関わりの中で育まれる「愛」/ 遠隔でも育める「愛」 -新たなアイデアによって暮らしを快適にする(''外部 ⇆ 内部'') -文化の成熟と文明の成長に寄与する -アウトプットは「設計図」 一部の受益者あるいは、広く社会に公開される ~ ***Technology|10 → 100 -社会・組織のニーズにもとづき「課題」が与えられる -社会への導入は法の下に行われる(''内部性'') -文明の成長に寄与する -アウトプットは設計図にもとづく「製品」 私的に所有される財として、あるいは社会的共通資本として実装される // この作業はやがて AI・ロボットに代替される(24時間365日稼働) ~ ~ |49|2|49|C |#image(CivilizationAndCulture/Fig.jpg)| |#image(images/内部と外部.jpg)| ~ ~ **デザインの上流と下流 デザインにおける「創発」と「最適化」の違い ~ ***創発デザイン -自由な体験・思考を契機としたデザイン行為 -ミッション・目標は定めない(あいまい)。「面白い!」かどうかが重要 -外部からのボトムアップ的(自律分散的)なプロセスを採用 -誰も見たことがないものを生み出す(ニーズは存在してない) -先行事例や既存のデータに依拠しない(先人の話は聞かない) -デザインの上流工程 -事例:Walkman, iPhone,・・・ ~ ***最適化デザイン -プロジェクト型のデザイン行為 -ミッション・目標が明確。ビジネスとして成立することが必要 -内部におけるトップダウン的(中央集権的)プロセスを採用 -社会のニーズにもとづいて最適化する -先行事例や既存のデータを参考にする(先人の話を聞く) -デザインの下流工程 ~ ちなみに「ソーシャルデザイン学科」は、「創発デザイン」によって誕生した学科です。大学進学希望者のニーズから生まれたのではなく、学部再編プロジェクトにおけるメンバーの対話の中で「面白いんじゃないの・・」を契機として開設されたものです。当時、日本のどこにも「ソーシャルデザイン学科 」は存在せず、進路選択に関して「ソーシャルデザイン」を検索する高校生も存在しませんでした。つまり、ニーズを調査して最適化したものではなく、創発によって誕生した学科です。 ~ ~ ~