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「構想」と「世界観/登場人物の設定」について ; 緒方卓也 / 九州大学大学院 芸術工学府 : Takuya Ogata / Kyusyu University : ''Keywords: ''Drama scenario, Hikikomori'' ; Abstract : Drama scenario is made by sensitybity of writers and in many case they don't write down how it was made. This time , I write down why I come up with so and how I embody it thorough making drama scenario. ==目的と背景== 戯曲の創作において、その多くの場合が作家の感性によって作られ、そしてその戯曲がどのように作られたのかを書き残す作家は少ない。「シナリオの作り方」「戯曲の解剖」といった書籍はあっても、それらは起承転結の結び方や魅力的な主人公の作り方など定型化されたもので、実際の作者の表現に踏み入ったものはない。 そこで今回の研究では実際に戯曲の創作を通して、私自身がどのような思考を抱き、それをどのように戯曲に形にしたのかを記述し、戯曲設計のプロセスを組み立てていく。 ==研究の方法== 戯曲の設計プロセスは大きく分けて「1.構想」「2.世界観/登場人物の設計」「3.幕の設計」「4.シーンの設計」の4つに分かれ、今回は「1.構想」「2.世界観/登場人物の設計」について記述する。 ==テーマ「ひきこもり」== 今回は「ひきこもり」というキーワードをもとに創作を始める。 本作品で取り扱う「ひきこもり」の意味するところは、これからの未来を創る、特に10~20代世代が抱えるとされる「心理的なひきこもり(たてまえのコミュニケーション)」「承認と実在意識」「現実の非現実感」といった、健全な社会生活を送る個人の内に閉じこもった無自覚のエネルギーのようなものを指す。そして抱えきれなくなったエネルギーが爆発したイメージを未来に例え、本作品ではスペキュラティブデザインの考え方をもとに、未来予測的な作品を創作する。 ====スペキュラティブデザイン==== アンソニーダンが提唱した「人々の目を未来に向けるためのデザイン」である。スペキュラティブデザインそのものは問題解決のための手法ではなく、あくまでこれからを生きる人々の価値観や信念に影響を与えるためのデザインである。 ==1.構想== 「エネルギーを閉じ込める➡爆発する」というイメージが私たちに刺さるシチュエーションとして「原子力発電」を取り扱う。 原子力を閉じ込め制御しきったつもりになっていた私たちは、いつしかその危険性を日常から忘れ、そして悲劇は突然起こり、私たちは学ぶ。 この世界観を物語の背景に置き、登場人物たちの「心理的な出口の無さ」「内に秘める葛藤の抑制と爆発」を乗せ、ひきこもりという内なる葛藤を彷彿とする作品にする。 ==2.世界観/登場人物の設計== ===夕凪=== 「20世紀の医師団」に新たに加わった青年。真面目で愛国心が強く、妹のとも子と二人で暮らしている。潔癖な性格で、純粋な心を持つとも子に対し兄弟を超えた愛情を抱いている。 :イサコの担当につくこととなり、イサコの破壊衝動に振り回されながら、自分の心に潜む「汚れたい欲望」に気づいていく。 :やがてイサコを愛してしまい、とも子を捨て、イサコと二人で病院の外へ出ることを決意する。 ===とも子=== 夕凪の妹。生まれつき目が見えない代わりに、想像力に長けており、夕凪に対し兄弟を超えた愛情を抱いている。 :とも子は妄想の中で50年先の未来へ出かけ、コールドスリープで目覚めたばかりの青年オズと出会う。 :イサコに魅了されていく夕凪の異変に気付き、オズと共に病院へ潜入するも冷蔵庫へと迷い込み、そこで生きる屍たちと出会う。 ===イサコ=== 原子爆弾の生き残り。20世紀の医師団に保護され、病院生活を送る。 :整ったものや綺麗なものが気に入らず、破壊的な言動を衝動のままに行い、夕凪を振り回していく。 :しかし、自分も冷蔵庫へ隔離される対象であることを知り、夕凪と病院を出ていくことを決意する。 ===20世紀の医師団=== 「20世紀を忘れる作業」と称して、20世紀の傷を21世紀に持ち込まないことを目的にマッカーサーからの命令で放射能に汚染されたものを回収する組織。 :集めたものは処理できないため、巨大な冷蔵庫に隔離している。 ===生きる屍たち=== 冷蔵庫の中で生きる放射能に汚染された者たち。 :自分たちを忘れようとする現世への恨みを持ち、とも子を利用して自分たちの恨みを冷蔵庫の外へ届ける機会を伺う。 ===オズ=== 50年後のコールドスリープから目覚めた青年。 自分以外の誰もいない孤独な世界で、妄想の友達と会話を交わすことで自分の存在を確かめている。 :とも子も自分の妄想だと思っており、とも子に恋心を抱く。 ==今後の展望== 「幕の設計」「シーンの設計」をまとめ、戯曲創作のプロセスを組み立てる。 ==脚注== <references /> ==参考文献・参考サイト== *◯◯◯◯◯(20XX) ◯◯◯◯ ◯◯学会誌 Vol.◯◯ *◯◯◯◯◯(19xx) ◯◯◯◯ ◯◯図書 *◯◯◯◯◯(1955) ◯◯◯◯ ◯◯書院 *◯◯◯◯◯ https://www.example.com (◯年◯月◯日 閲覧) <br> <br> [[Category:未設定]]
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