「ネット時代における中高生の居場所の在り方に関する一考察」の版間の差分

提供: JSSD5th2019
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; 河野澄香 / 九州大学大学院芸術工学府デザインストラテジー専攻
 
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:Kawano Sumika / Kyushu University ← 氏名 / 所属 の英語表記
 
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2019年10月30日 (水) 12:31時点における版

- サブタイトルがある場合はここに記載 -


河野澄香 / 九州大学大学院芸術工学府デザインストラテジー専攻
Kawano Sumika / Kyushu University ← 氏名 / 所属 の英語表記
Keywords:居場所、コミュニティ、アイデンティティ ← キーワード(斜体)


Abstract

背景

 ハーバード大学の成人発達研究によると、人の幸せは人間関係が良好かどうかに密接に関わっている[1]
 一方で近代以降人々の関わり合い方は大きく変化した。その要因は二つあり、一つは、近代化に伴う個人化の進行である。個人化により個人は社会的な集団の束縛から解放されると共に、存在的安心感を無条件に享受することができなくなった。もう一つは、電子メディアの発達により時間・空間によらないコミュニケーションができるようになった事である[2]。2017年の内閣府調査によると、若者の6割以上がインターネット空間(以下ネット空間)が自分の居場所だと回答している[3]。昨今の情報技術の発展を顧みても、今後ともにネット空間は関係性の構築の重要な役割を担うことは自明である。
   ところで、人間関係はどのように構築されるのか。
 ヒトは種の誕生当初からコミュニティに所属することでコミュニケーションをとり関係性を構築してきた。[4]人間関係の構築は、まず所属するコミュニティ内で自己を作り上げていくことから始める。そのコミュニティ内にいる他者からの評価を受け、青年期にアイデンティティを形成する。アイデンティティを形成することで自己の役割を理解し、その役割をまっとうすることで他者との関係性を築いていく[5]
 よって、良好な人間関係を構築していくには、青年期にアイデンティティを形成することと、コミュニティ内に自分の役割を見つけること、すなわちコミュニティを自分の「居場所」としていくことが重要である。

目的

 以上背景より、情報技術のさらなる発展が予想されるネット時代の環境を想定して青年期の子ども達が健全なアイデンティティを確立し、人々の良好な関係性を築けるようになるにはどのような居場所が必要となるのかを考察し予測する。

本研究の位置付け

言葉の定義

幸福(ウェルビーイング)

 本研究は居場所を通じて人が幸福になることを大きなテーマとしている。そこで、まず本研究における幸福(ウェルビーイング)とは何かについて述べる。
 ウェルビーイングは、それを探求するアプローチによって言葉の意味が変わってくる[6]

  • 医学的アプローチ:「ウェルビーイング=精神機能障害がない状態」
  • 快楽的アプローチ:喜びの感覚の集合
  • エウダイモニア(持続的幸福)的アプローチ:「人生に意義を見出し、自分の潜在能力を最大限に発揮している状態」

 本研究では快楽的アプローチとエウダイモニア的アプローチの2つの観点を取り入れる。この2つの観点を含んだ学問である「ポジティブ心理学」の尺度を利用して調査を進める。

居場所

 居場所の定義は各論文毎に異なるが、本研究における居場所の定義は杉本・庄司(2006)[7]が唱える「居場所」の心理的機能の6因子のいずれかに当てはまる「場」とする。

  • 被需要感
  • 精神的安定感
  • 行動自由
  • 思考・内省
  • 自己肯定感
  • 他者からの自由

また「場」はレヴィンが唱えた「場の理論」を基に、人と人との関係性の間で相互作用し変化していく生活空間であると定義する。[8] [9]

(居場所感はウェルビーイングの構成要素と類似点が多い→ウェルビーイングを感じるコミュニティ?)

コミュニティ

 本研究では何らかの「情報」あるいは世界観を共有する集団[10]および人と人がコミュニケーションする「場」[11]であるとする。

空間

(空間を定義付けた論文が少なく、定義付けが難航中)

現実空間とネット空間の違い

 ネット空間の特性として多くの文献で挙げられるものは「匿名性」である。この「匿名性」がなぜ生まれるのかは、ネット空間がパソコンやスマートフォン等の「道具」を介して他者と出会う場所であるからだと考えられる[12]。この「道具」を介するか否かがコミュニケーションのあり方を大きく変えた。  元来現実空間で行われていたコミュニケーションは「道具」を介さない対面のものであった。対面場面において他者が何を感じているかを理解するには言語のみからではなく非言語のコミュニケーションの読み取りも重要である。人類の歴史の大半は現実空間のコミュニティのみが存在していた。その長い歴史の中で培ったコミュニケーション方法は大部分を非言語コミュニケーション、つまり視覚からの情報に頼っており、その点で視覚情報の乏しいネットコミュニティ上は信頼関係を築く上で特別注意しなければならない。


研究の方法

(調査対象が見つからず難航中)

  • N高

→山崎さんに、先生や生徒にヒアリングできないか交渉依頼中(あまり期待できない) →学校説明会が11/2に福岡であるのでそれには参加予定

  • 中高生にwebアンケート調査(コミュニティ作りに関心がある中高生の団体をネットで発見)

 →依頼出すも返事来ず

  • 大学1,2年生にアンケート調査

 →大学1,2年生に中学・高校時代に所属していたコミュニティについてwebアンケートすればどうかと検討中      メリット:コミュニティに関する視野が広がった段階で過去のコミュニティを振り返ってもらう。

 



結果

 


考察

まとめ

脚注

  1. TED Talk (2015), 「人生を幸福にするのは何?最も長期に渡る幸福の研究から」, https://www.ted.com/talks/robert_waldinger_what_makes_a_good_life_lessons_from_the_longest_study_on_happiness?language=ja 2019年7月14日閲覧
  2. 長田攻一/田所承己 編(2014),「つながる/つながらないの社会学 個人化する時代のコミュニティのかたち」 pp.009
  3. 内閣府(2017),「若者にとっての人とのつながり」, https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h29honpen/s0_0.html ,2019年7月13日閲覧
  4. 近藤淳也 監修(2015),「ネットコミュニティの設計の力 つながる私たちの時代」,第4章サルから考える人間のコミュニティの未来
  5. 河井亨 京都大学(2013),「E.H.Eriksonのアイデンティティ理論と社会理論についての考察」,https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/173218/1/eda59_639.pdf ,2019年10月20日閲覧
  6. ラファエル・A・カルヴォ/ドリアン・ピーターズ (2017),「ウェルビーイングの設計論 人がよりよく生きるための情報技術」,pp.29
  7. 杉本希映/庄司一子(2006),「「居場所」の心理的機能の構造とその発達的変化」
  8. 猪股佐登留(1956),「クルト・レヴィン 社会科学における場の理論」
  9. 山内裕平研究室(2011)「【気になる研究者】クルト・レヴィン」, https://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/ylab/2011/09/post-328.html ,2019年7月14日閲覧
  10. 近藤淳也 監修(2015),「ネットコミュニティの設計の力 つながる私たちの時代」第5章情報技術とリアルコミュニティ
  11. 近藤淳也 監修(2015),「ネットコミュニティの設計の力 つながる私たちの時代」第3章人が集まるコミュニティの作り方
  12. 丸田一(2008),「「場所」論 ウェブのリアリズム、地域のロマンチシズム」第2章


参考文献・参考サイト

https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h29honpen/s0_0.html ,2019年7月13日閲覧

  • 近藤淳也 監修(2015),「ネットコミュニティの設計の力 つながる私たちの時代」
  • 河井亨 京都大学(2013),「E.H.Eriksonのアイデンティティ理論と社会理論についての考察」,https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/173218/1/eda59_639.pdf ,2019年10月20日閲覧
  • ラファエル・A・カルヴォ/ドリアン・ピーターズ (2017),「ウェルビーイングの設計論 人がよりよく生きるための情報技術」
  • 遠藤薫 編著(2008),「ネットメディアと<コミュニティ>形成」
  • 丸田一(2008),「「場所」論 ウェブのリアリズム、地域のロマンチシズム」
  • 藤代祐之 編著(2015),「ソーシャルメディア論 つながりを再設計する」
  • 杉本希映/庄司一子(2006),「「居場所」の心理的機能の構造とその発達的変化」
  • 猪股佐登留(1956),「クルト・レヴィン 社会科学における場の理論」
  • 山内裕平研究室(2011)「【気になる研究者】クルト・レヴィン」, https://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/ylab/2011/09/post-328.html ,2019年7月14日閲覧