「女性が男性キャラクターに感じるかわいさに関する研究」の版間の差分
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2019年11月5日 (火) 01:26時点における版
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- 眞田龍志 / 九州大学大学院芸術工学府
- SANADA Ryushi / Kyushu University ← 氏名 / 所属 の英語表記
- Keywords: Cuteness,Character Design ← キーワード(斜体)
- Abstract
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背景
女性向けの男性キャラクターを扱った漫画やアニメ、スマートフォンゲームなどの作品は、様々な発展を見せている。原作からメディアを横断して、アニメ化や舞台化が行われるといった動きも活発であり、注目を浴びている分野である。女性のこういった作品の楽しみ方は非常に多様である。山岡が示す「非BL作品の登場人物の友情関係やライバル関係を同性愛関係に読み替えて、BL作品として享受してしまう」[1]女性である腐女子など、独特な文化が発達しており、彼女らがキャラクターに感じるかわいさは一般的なかわいさと異なる場合がある。
目的
本研究は、女性が男性キャラクターのどこにかわいさを見出しているのか、その原因をインクルーシブデザインの視点から調査分析し、多岐にわたる「かわいい」の言語化を行い、女性がかわいいと感じる男性キャラクターのデザイン要件を導くことが目的である。
研究の方法
文献調査として、「かわいい」の定義、かわいさに関する既往研究、腐女子に関する既往研究、女性による作品の再解釈ついて調査を行う。また、フィールド調査として、「かわいい」と感じる男性キャラクターに関するアンケート調査、アンケート結果を用いてかわいいと感じた理由の分析と文献調査をもとに設定した仮説の検証を目的としたデプスインタビューを行う。文献調査、フィールド調査の結果をもとに「かわいい」の原因となるキャラクターやストーリー、関係性の要素を抽出し、多様な「かわいい」の言語化とその検証を行う。
文献調査
かわいいに関する研究は数多くなされているが、男性に対して抱くかわいさについて研究されているものは少ない。石川(2015)は男性の俳優や配偶者に対し『かわいい」が用いられることについて「男性の言動にも保護欲が及ぶものと考えられ、どちらに関してもいわゆる「母性本能」が起因しているとみられる』[2]と述べたが、詳しい原因について追求をしていない。
また、かわいさに関する多くの研究はベビースキーマに基づき行われている。しかし、前述した石川が指摘したように女性が「男性の言動」にかわいさを見出しているとすれば、主に見た目の特徴であるベビースキーマを基準にするだけでは、男性キャラクターのかわいさを説明することは難しい。
石川は『「かわいい」という形容詞が含む意味は使用者固有の美学や価値観に依存する部分もあり、その全貌を明らかにすることは困難である』[3]と述べたが、多くの研究が大衆を対象としたアンケート調査を行うなど、個人の価値観に着目した研究はほとんどみられない。男性キャラクターを好む女性の中には腐女子や夢女子が一定層存在し、キャラクターに対する価値観が大衆と異なる可能性を考えると、個人に着目した調査をすることは必須である。以上のことから、男性キャラクターの見た目だけでなくストーリーや関係性を含めたかわいさの原因を探り、大衆へのアンケート調査とともに個人に対するデプスインタビューによる調査分析を行う必要がある。
フィールド調査
アンケート調査
21〜26歳の女性(大学生、社会人)40名に対し4つの設問のアンケートを依頼し、31の回答を得た。アンケートはweb上で行った。設問は
・男性キャラクターに対し「かわいい」と感じたことがあるか(いいえと回答した場合、2つ目以降の設問は行わない)
・かわいいと感じたキャラクター名
・かわいいと感じた原因
・かわいいと感じた具体的要素
の4項目である。
デプスインタビュー
アンケート調査と文献調査より得られた仮説から作成したインタビューフローを用いて、24〜27歳の女性6名に対し1人当たり平均1時間のデプスインタビューを行った。インタビューを通じ、13人のかわいいと感じる男性キャラクターの設定、ストーリー、キャラクター同士の関係性の抽出を行った。
考察
アンケート調査、デプスインタビューの結果、女性が男性キャラクターに感じるかわいさを、「幼さに感じるかわいさ」「素を見せるかわいさ」「立ち居振る舞いのかわいさ」の3種に分類、それぞれのかわいさの原因となるキャラクターやストーリー、キャラクター同士の関係性の要素の抽出をすることができた。また、幼さに感じるかわいさには「成長へのかわいさ」、素を見せるかわいさには「人としての弱さへのかわいさ」「信頼から見せる人間らしさ」の下位要素があることを示すことができた。
脚注
参考文献・参考サイト
- ◯◯◯◯◯(20XX) ◯◯◯◯ ◯◯学会誌 Vol.◯◯
- ◯◯◯◯◯(19xx) ◯◯◯◯ ◯◯図書
- ◯◯◯◯◯(1955) ◯◯◯◯ ◯◯書院
- ◯◯◯◯◯ https://www.example.com (◯年◯月◯日 閲覧)