生活記録に関する研究

提供: JSSD5th2019
2019年10月27日 (日) 18:10時点における佐藤亮介 (トーク | 投稿記録)による版
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- 生活時間の観点から -


注)

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佐藤亮介 / 九州大学大学院芸術工学府デザインストラテジー専攻
Ryosuke SATO / Graduate School of Design, Kyushu University
田村良一 / 九州大学大学院芸術工学研究院デザインストラテジー部門
Ryoichi TAMURA / Faculty of Design, Kyushu University
Keywords: Product Design, Visual Design ← キーワード(斜体)


Abstract
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目的と背景

 人々の生活を把握する指標として生活時間が挙げられる。時間の使われ方を通して計量的に把握することができ、生活状態を把握するための手段だけでなく、経済ならびに社会的な政策決定の基礎的資料としても活用されてきた[1]
 また、近年では生活時間だけでなく、歩数や心拍数など生活上のあらゆる情報がライフログ[2]として記録されるようになっており、記録デバイスとしてスマートウォッチなどのウェアラブル端末が商品化されている。ウェアラブル端末が普及したことによって、ライフログの記録や提示が身近に行われるようになった。
 さらに、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針では国民の健康増進を形成する基本要素となる栄養・食生活、身体活動・運動などの生活習慣の改善が重要であるとされている[3]
 そこで本研究では、生活習慣を改善する一つの方策として生活のセルフマネジメント、特に生活時間に着目し、生活時間を記録するアプリケーション(以下、アプリとする)の機能の観点からみた特徴の把握を行うことを目的とする。



アプリの選定

 2018年5月~6月の期間、Web上のThe App StoreとGoogle Playの2つのアプリケーションダウンロードサイトにて「ライフログ」と「タイムログ」の単語をキーワードとして検索した。アプリ購入画面の紹介画像や説明文から本研究が対象とする条件に当てはまるアプリ20個を選定した。



機能の抽出

図表1.アプリと機能の関係

 選定した20個のアプリを実際に使用し、機能の抽出と分類を行った。
 その結果、以下の3種類に分類することができた。

  • 項目 … 睡眠、食事などの時間記録を行う際に選択する項目について

並び替え、色付け、グループ化の可否など

  • 入力 … 生活時間記録を行う際の機能

記録の修正、重複記録の可否、計測方法など

  • 出力 … 記録した生活時間を閲覧する際の機能

記録結果の提示形式、表示される期間
 アプリと機能の関係を図表1に示す。








アプリの特徴の把握

 アプリと機能との関係について分析を行った。数量化理論Ⅲ類の結果をもとに固有値の変化から3軸までを捉えることにした。アプリに付与された値をもとにクラスター分析を行った結果、3グループに分けることができた。また、機能についてもポジショニングマップを作成し、アプリのポジショニングマップと比較、考察を行った。


図表2.アプリ散布図
図表3.機能散布図

 アプリ散布図を図表2、機能散布図を図表3に示す。アプリ散布図において、赤枠で囲んだ「タイムログ」「Swipetimes Time Tracker」「Time Tracker」「Atracker」「Time Logger」「Clockwork Tomato」「Awesome Time Logger」「Time Meter Time Tracker」「Easy Time Tracker」「Timesheet 時間記録」「Hours - 時間追跡」「Time Tracker by DualHalf」「Freework」の13個、青枠で囲んだ「超じぶん管理」「時間ノート〜 time time」「IFS Time Tracker」「Smarter Time」「Lifelog」の5個、緑枠で囲んだ「みんチャレ」「Webatar」の2個の3グループに分けることができた。
 アプリ散布図と機能の散布図を比較する。まず、アプリ散布図において成分1から3の原点に位置しているのが赤枠で囲んだ13個のアプリで構成されるグループであり、このグループがライフログ計測アプリとして主流であるグループといえる。それに付随して機能散布図では多くの機能が原点に集中している。
 続いて、アプリ散布図の青枠で囲んだ5個のアプリで構成されるグループは、成分2、3においては0に近いが、成分1においては正方向に位置している。機能散布図を見ると、成分1において「開始時刻と終了時刻を入力」の計測方法であることや記録の修正が可能であること、自動入力の機能を有することが作用していることが成分1の正方向に位置しており、これらの機能を有することにより、主流である赤枠のグループに含まれなかったことが考えられる。
 最後に、アプリ散布図の緑枠で囲んだ「みんチャレ」と「Webatar」のグループは、特に成分1、2、3にて正方向に位置している。機能散布図において同位置には、画像などの時間以外の記録ができる機能や、重複して複数の行動を記録できる機能が位置しており、これらの有することで他の生活記録アプリケーションと大きく差があることが考えられる。



脚注

  1. 矢野真和,1976,生活時間研究―その適用と展望―,教育社会学研究第31集,p.142-152,日本教育社会学会
  2. 利用者のネット内外の活動記録(行動履歴)が、パソコンや携帯端末等を通じて取得・蓄積された情報(総務省ワーキンググループより)
  3. 厚生労働省,国民の健康の促進の総合的な推進を図るための基本的な方針,https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/kenkounippon21_01.pdf,2019年10月23日閲覧


参考文献・参考サイト

  • ◯◯◯◯◯(20XX) ◯◯◯◯ ◯◯学会誌 Vol.◯◯
  • ◯◯◯◯◯(19xx) ◯◯◯◯ ◯◯図書
  • ◯◯◯◯◯(1955) ◯◯◯◯ ◯◯書院