カンボジアのプノンペンにおける美術教育に関する研究

提供: JSSD5th2019
2019年11月7日 (木) 14:20時点における清水淳史 (トーク | 投稿記録)による版
Jump to navigation Jump to search

- ソムブール小学校で行った授業をケーススタディとして -


注)

  • この雛形は、研究発表(口頭・ポスター)に適用されます。
  • 英文概要は、80ワード程度を目安にご執筆下さい。
  • 本文部分は、2,000文字程度を目安にご執筆下さい。
  • 見出しの語句は参考例です。
  • 「あなた」が編集を行うとページの履歴に利用者名が残ります。


清水淳史 / 九州大学大学院統合新領域学府ユーザー感性学専攻
SHIMIZU ATSUSHI / Kyushu University
Keywords: Color, Education, Identity, Cambodia


Abstract
Lorem Ipsum is simply dummy text of the printing and typesetting industry. Lorem Ipsum has been the industry's standard dummy text ever since the 1500s, when an unknown printer took a galley of type and scrambled it to make a type specimen book. It has survived not only five centuries, but also the leap into electronic typesetting, remaining essentially unchanged.



目的と背景

 一昨年前から「失われたクメール美術復活プロジェクト」に関わり、今年コンポンスプー州にあるソムブール小学校で大規模な美術の授業を実施した。協力して頂いた山田アートスクールは、カンボジアで70年代後半に起こった内戦以来、公立小学校では美術の授業を実施していないという背景を受けて2011年に首都プノンペンに日本人の画家が開校した美術学校である。本研究では、カンボジアの初等教育における美術の現状を明らかにし、今後のカンボジアにおける美術のあり方を考察することを目的とする。


研究の方法

 研究の方法として、2019年8月13日にソムブール小学校において美術の授業をケーススタディとして行った。また、この授業に協力していただいた現地の美術学校「山田アートスクール」に対して、同年8月31日と9月1日にフィールド調査を行った。

ケーススタディ

この授業で描いたのは「私の思い描くアンコール・ワット」であり、朝礼でアンコール・ワットを見たことがある人という校長先生の質問に対して手を挙げた生徒は半数以下であった。使った画材は1,2年生にはクレヨンと赤色、青色、緑色、黃色、紫色、橙色、水色、ピンク色の水彩絵具で、混色不可とした。3年生以上は色鉛筆と同じ8色の水彩絵具で混色可とした。筆者は2年生を担当し、各学年日本人講師2名、山田アートスクールのカンボジア人講師1名がファシリテーションを行った。朝礼の後、各学年教室に分かれ、6名1グループほどで机を固め画材を用意した。説明のあとクレヨンや色鉛筆を用いて下書きをし、その後講師が絵の具を使って色を付けるよう促した。所要時間は全部で4時間で、途中で各学年適宜休憩をとった。

フィールド調査

8月31日と9月1日の二日間、山田アートスクールで設立の背景や授業の風景を調査し、山田隆量氏にインタビューを行った。同校は週に6日間の開校で午前と午後、そして社会人向けに夜間の部でデッサンや水彩画などの基礎的な美術指導を行っている。また、去年から「YAMADA ANGKOR ANIMATION」というアニメーションスタジオを併設し、日本からアニメの背景画などの仕事を受注している。 現在美術講師は6名で、開校当初は生徒はわずか3名であったが、現在では300名ほど在籍している。過去に生徒であった人が現在講師を勤めていたり、優秀な生徒はアニメーションスタジオのスタッフとして雇用するなど、美術を雇用と結ぶといった役割も担っている。

考察

ケーススタディにおける分析の結果、アンコールワットの塔の数は3つが最も多く、これは国旗に採用されているデザインが最も身近であり、直接見たことがない子どもが多いということからも、その国旗のデザインをそのまま描く子供が多かったということが言える。一方、色彩に関しては橙色と黄色を使用する傾向が高かったことが分かったが、全体として非常に豊富な色彩感覚を備えていた。黄色はヒンドゥー教と仏教の中では最も尊ばれる色であり、現在の国旗にはその色は採用されていないものの、クメール王朝時代の国旗は緑と黄色という色彩のものであった。その後、19世紀に入りフランスの植民地となった際に、現在の国旗の原型であるデザインが採用された。赤は元々、西洋ではキリストが流した血の色として救済を表し、中国でも新年に飾り付ける装飾一般に見られる色である。また、物理的には色を光としてスペクトル別に分けた際赤色が最も波長幅が広いことから、最も認識しやすい色として西洋東洋を問わずある程度の普遍性を備えている。

まとめ

 本研究はケーススタディを中心として、そこに表現された造形と色を研究の対象とした。その結果、形に関してはそれを想起させる実物や国旗等のデザインをそのまま描く傾向が見られたが、色に関しては多様な解釈があることが分かり、黄色はカンボジアにとって歴史的背景からも重要な位置を占めると考えられる。今回は画像全体の色分析しか行っていないが、今後は多文化との比較を行いながら、より詳細な分析が必要である。

脚注


参考文献・参考サイト

  • ◯◯◯◯◯(20XX) ◯◯◯◯ ◯◯学会誌 Vol.◯◯
  • ◯◯◯◯◯(19xx) ◯◯◯◯ ◯◯図書
  • ◯◯◯◯◯(1955) ◯◯◯◯ ◯◯書院