大学での使用を目的としたアクティブラーニング用什器の提案
- 話しやすい環境と要因は何か -
注)
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- 原田望来 / 札幌市立大学デザイン学部
- Harada Mikuru / Sapporo City University
- Keywords: Product Design, Active learning, Fixtures ← キーワード(斜体)
- Abstract
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背景
2018年度に北海道内什器メーカーからの依頼を受け, 札幌市立大学に在学の学生から「学生向けのアクティブラーニング什器」を提案することとなった。メーカーからの依頼内容は大学授業でのグループワークなどでの使用を想定したアクティブラーニング用什器であった.
ターゲット
同学年同士で授業において什器で使用するであろう大学生グループをターゲットとして想定した. 特に, 学部初期(入学~2年)の学生が使用することを想定している。
考察
アクティブラーニングでは1人1人の発言、積極的な意見交換が必要不可欠であるため発言をする上での障害を取り除く什器を考案することが重要であると考えた。 実際の現場を観察すると, 必要不可欠である参加者同士が会話するシーンにおいて, 発言に躊躇するようなシーンが見受けられた. これは何かしらの要因によって, 参加者が発言しづらくなっていると考えることができる. 発言しづくなる主な要因として「話し相手との距離」「他人の存在感」が影響していると考えた(←なぜそのように考えたのか?)。ここでいう「他人」とは話し合いに参加していない人とする。当たり前のことではあるが話し合いをするとき相手とは適切な距離を保つべきであり、相手に不快感を与えず、全員の発言が聞き取れる位置関係ではならない。また普段私たちは周りの他人を背景であると認識しているが急に周りの背景が「人」であると感じる時がある、例えば騒がしかった教室が急に静かになった時である。その時話してもいい状況であるにもかかわらず話そづらいと感じる。 話し相手との距離は遠すぎたり障害があると話し合いの進行がスムーズにいかず発言しづらくなり、他人の存在感はグループワーク中に見回りに来た先生が近くに来た瞬間、誰も喋れなくなるように他人が近くにいるのが分かると自分の意見は言いにくくなる。他人が実際に近くにいたとしても他人の存在は感じず、仲間とは近くに感じるということが課題解決で必要となる。(←文章が変。読み直して。) 「話し相手との距離」は人数に応じてちょうどいい机があることが解決になると考え、「他人の存在感」に対して什器ができる対策としては物理的に他人と距離をとる、仕切りやつい立などで他人の存在感をなくすの2つが挙げられた。1つ目の解決策では部屋の中での空間の制限があり難しいため2つ目の解決策で考えることとした。しかしながら、仕切りやつい立、机などを動かす場合、話し合いに最適な環境を作るまでに時間がかかり、これはその後のディスカッションにネガティブな影響を及ぼすと考えられる。そこで、話し合いに最適な環境を作れることとその間の時間的な隔たりを少なくすることが提案に必要であると考えた。
コンセプト
自分たちで空間をカスタマイズする 人との会話のしやすい空間は人によって違い、具体的には人数、相手との近さ、相手との位置などが挙げられるであろう。万人が居心地のいい空間を作るのは難しいが、自分自身で自分たちが居心地のいい空間を作ることは誰でも可能である。このことを踏まえて、定まった形を持たず、作り替えられる形にした。
必要最低限 従来の組み合わせできる椅子や机は形が複雑なものもあり、大きく重たいことも多い。利用者自身でで居心地のいい空間を作ろうとする時、「空間を作りにくい」「移動しづらい」は一番の障害である。そこでグループワークに最低限度必要な「机」「ホワイトボード」のみにし、さらに移動に邪魔な「足」を二つとも取り除いた。それにより空間を作る上で持ち運ぶものは「板」のみという「必要最低限」の形にした。
設計
バーとボードのみ つまり、元々の土台となる金属フレームに机やホワイトボードを取り付ける設計。 ホワイトボード、テーブルが付け話し合いの環境を作るが、元は金属フレームだけでテーブル、ホワイトボードは自分たちで取り付けできるようにしてある。立ったままの使用を想定した。
バーに溝があり机となるボードをはめ込む、ホワイトボードを設置場合専用の部品を使い、部品にはバーの溝と噛み合うように足をつけている、部品の上の部分には十字に溝がついておりホワイトボードを縦につけると横とのついたてになり、横につけると前とのついたてとなる
また元々のバーはこのまま部屋ただ設置している場合長いままだと邪魔となるので、フレーム部分は中を空洞にし収納して短くできるようにし、短くした場合でも少人数での使用が可能。 伸ばす時のために取っ手を設置。 伸ばした場合は3メートル一般的な長テーブルとほぼ同じで、最小は1メートルとなる。
評価
「机」「いす」のような定まった形ではなく新しい形の什器として提案したことに高い評価をいただくことができた。だが、プロジェクターやコンセントなどの大学生ならではの付属品の案や、設置や実用までを見据えた上でさらなるブラッシュアップが必要であるとのアドバイスをいただいた。
展望
今回の案は設置まで考えた時実現が難しい面や考案からの形を作るまでの過程が少々安直であるという欠点が見えてきたのでこれからのブラッシュアップや他作品にこの経験を生かしていきたい。