選挙におけるキャッチコピーの役割についての研究
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- 古川映 / 九州大学大学院 芸術工学府
- Furukawa Akira / KYUSHU University
- Keywords: Product Design, Visual Design ← キーワード(斜体)
- Abstract
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背景
広告におけるキャッチコピーの役割は大きい。櫻井(2009)によると、例えば企業のキャッチコピー1つで商品の売り上げに影響を与えることがあるという。別の企業の製品を使っていた消費者に同じ類の製品を売り出す場合、他の製品との違いを説明して自社の製品がいかに優れているかを説明しなければならない。しかし優れているところを長々と箇条書きにしても、おそらくスーパーで買い物客はそれを立ち止まってじっくりと読む可能性は低い。そこで企業はパッケージの色や形で消費者の目を引きつけ、誰にでもわかるような、簡潔でわかりやすい言葉を使ってキャッチコピーをつける。それらが消費者の心を刺激した際に、商品は購入される。 一方で選挙においても同様に、選挙ポスターや立候補者のホームページにキャッチコピーが使われている。しかし、広告においてキャッチコピーが担っていた役割や消費者との関係性は、選挙のキャッチコピーにおいても同じなのだろうか。
目的
本研究は、広告キャッチコピーの視点から既存の選挙におけるキャッチコピーの立ち位置や、有権者との関係性を明らかにし、選挙におけるキャッチコピーの役割や可能性について考察することを目的とする。
研究の方法
広告と選挙の2つのフィールドを調査対象とし、文献調査とフィールド調査を主軸に研究を行う。既存の広告キャッチコピーの作られ方や要素を把握し、同時に選挙キャッチコピーの現状や使われ方、有権者側の認識について知ることで、選挙キャッチコピーの現状を把握していく。 2つの調査を同時並行的に行い、お互いに気づきや知見を作用させながら選挙キャッチコピーの分類項目を作成し、評価考察を行う。
結果
キャッチコピーについて 4-1.キャッチコピーについて 広告のキャッチコピーがどういう目的、方法で作られているかを知るためにコピーライター向けに作成方法が書かれた2冊の本を資料として選定した。両方とも著者が、広告代理店での新人研修やコピーライターを養成する講座で講師をしているためキャッチコピーの実態を捉えていると判断した。 キャッチコピーを構成する2つの要素として、小霜(2014)は「タグライン」と「キャッチフレーズ」、磯島(2014)「考えを深める4つの扉」と「言葉に定着させる思考の深め方」であるとした。定義されている言葉は違えど、広告キャッチコピーで言うべき内容を決める「何をいうか」と、どう表現するのかを考える「どういうか」の2つの視点考えるということだった。本研究では2冊の言及している内容を比較考察し、キャッチコピーについての要素について考察する。 4-1-1「何をいうか」について 「何をいうか」では、小霜は、「競合優位性(USP)」と「ターゲット」の2つの要素が必要であると記している。商品の具体的な情報や競合商品との違いを知ること、そして一体誰が買ってくれる可能性があるかの2つから何をいうかを決めるというものだ。例えば電動アシスト自転車のキャッチコピーを考える際は、電動アシスト自転車というカテゴリーでその商品の強みを見るのではなく、他の電動アシスト自転車と比べてどのような違いがあるのか、その強さは誰に魅力的か(強いアシスト機能が他社商品より優れているなら、子育てで自転車に乗る主婦は買う可能性がある)を考える。 一方で磯島は「何をいうか」を考える際に、さまざまな角度から商品や企業を考察し、考える切り口を持つために主に「商品・企業」「ターゲット」「競合」「時代・社会」の4つの視点から「何をいうか」を考えている。 「何をいうか」についての考察 磯島の「ターゲット」以外の「商品・企業」「競合」「時代・社会」の3つの項目は「自社商品を、競合製品や今の社会と比較すること」で、表現すべき強みを探っていると考える。ここが小霜の、『「特徴」と「USP」を混同せず、USPはあくまで「競合」に対しての優位性を言い、競合ありきでないと存在しない概念』といっていたことに当てはまる。つまり「何をいうか」とは、両者とも「比較」を用いて「自社商品の持つの性能」を「他社や社会から見た強み」に変換し、そこで出した強みを、ターゲットの気持ちにいかに理解してもらえるかを考えることである。ターゲットの気持ちとUSPがパズルのように一致するものであると考える。 4-1-2.「どういうか」について 「何をいうか」が決まったら、それをいかにターゲットに効果的に届けるかの「どういうか」を考える必要がある。小霜は「どういうか」を書くための手法は色々あり、本ではその中の2つのやり方を記している。1つはターゲットから「共感」を得る表現である。生活者には色々な抱えている欲求や不満があり、商品に価値があるということは、その欲求や不満が商品によって満たされるとターゲットに思わせることである。そこで「その商品があることの喜びのMAX」と「その商品がないことの悲しさのMAX」を書くと良いと記してある。またそれらを伝える時に、「ターゲットの目線」から描写するのか「商品目線」から描写するのかという表現方法も紹介していた。 一方で磯島は「何をいうか」を言葉に定着させるときの思考の深め方として2つの方法を挙げている。1つは「エピソードと普遍の往復」である。伝えたいエピソードを思いついたら、その中にある普遍的なものを取り出したり、反対に大きな普遍的な言葉を思いついたら、それを身近なエピソードにしてみるということである。もう1つは「自分がこの言葉を通して何をしたいのかを考える」というものだ。具体的に言えば「宣言」「提案」「描写」「挑発」に分けられる。磯島は「宣言するにふさわしいスケールがあるか」「提案するほどの具体性があるか」「描写できるほど死活に入り込めているか」「挑発できるほど説得力があるか」を考えて、そのときのテーマにふさわしいものを選んでいる。 「どういうか」についての考察 両者とも、「どういうか」の表現方法に唯一の正解があるわけではなく、表現方法を広く持って、そのとき扱っているテーマにふさわしい伝え方を検証することを大事にしているように考える。
考察
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まとめ
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脚注
参考文献・参考サイト
- ◯◯◯◯◯(20XX) ◯◯◯◯ ◯◯学会誌 Vol.◯◯
- ◯◯◯◯◯(19xx) ◯◯◯◯ ◯◯図書
- ◯◯◯◯◯(1955) ◯◯◯◯ ◯◯書院
- ◯◯◯◯◯ https://www.example.com (◯年◯月◯日 閲覧)