生徒の視点からの小学校給食のデザイン研究

提供: JSSD5th2019
2019年11月8日 (金) 10:36時点における鄭鈺 (トーク | 投稿記録)による版
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鄭鈺 / 九州大学芸術工学府
Zheng Yu / Kyushu University 

平井康之教授 / 九州大学 芸術工学研究院 HIRAI Yasuyuki/ Faculty of Design, Kyushu University

''Keywords: School Lunch, Child, User Centered Design 


Abstract
School lunch in Japan have existed for a long time. The development of school lunches also accompanied by the improve-ment of laws and social activities. At the same time, it causes problems. Through the analysis of existing research such as reducing food waste, food and regional cultural education, food manners. The focus of this study is look from pupils’ points of views. Try to find out the new way of school lunch to meet the needs of students.


背景と目的

  日本の学校給食は、学級活動の特別活動に位置付けられている。学校給食プログラムは1954年に制定された「学校給食法」に基づいて実施されている。その目的とは、食事を提供する同時に児童の心と体の健康的な発達を促進することである。文部科学省(2007年3月)は学校給食の指導を通じて生徒が食に関する理解を深める「生きた教材」とする考え方がある。2008年に「学校給食法」が改正され、給食の主な目的は「食育の促進」に変更した。日本では、現在、給食に起因する社会的な問題がある。例えば、環境省「第34回学校給食再考」(2015)では、学校給食の食べ残し、食べる時間が少ないこと、生徒個人差による量の問題、食器デザインの問題などが指摘されている。これらの諸課題に対応するためには、給食そのものに注目するだけではなく、生徒がどう見ているのかが重要だと考えられる。学校給食の研究と給食を活用している事例は数多く存在するが、生徒の視点からの課題解決について論じた研究は少ないのが現状である。本研究は小学校の給食を対象として、インクルーシブデザインの視点から、学校側と生徒の両方の学校給食の現状を調査し課題を抽出する。課題を分析し、今後の学校給食についてのデザイン要件をまとめることを目的とする。

研究の方法

 文献調査より学校給食の背景を調査する。日本と海外の既往研究を調査する。学校給食を活用している事例を分析する。文献調査から、フィールドで必要な調査項目を抽出する。ターゲットユーザーのニーズを明らかにすることを試みる。  調査項目に基づいてフィールド調査を行う。福岡市内の小学校A校とB校を観察対象として以下三つの調査を行う。第一段階は観察調査である。全体的な給食のプロセスを観察し、学校給食の実態と生徒が現場で抱える課題を調査する。次に生徒向けの給食アンケート調査、ヒアリング調査を行い、生徒たちが実際抱える問題と考えを把握する。考察として、可視化プロセスマップにまとめ、最重要課題とデザイン要件を抽出する。最後にデザイン提案を作成し、検証と評価を行う。

調査項目の全体像.jpg

文献調査

 成長期の子供にとって望ましい食習慣を身に付 けることが重要である。学校給食は「生きた教材」として食に関する指導の効果と役割がある。福岡景奈(1「児童の学校給食における食べ残しーー理論に基づいた給食指導教材の開発」で社会的認知理論 、ソーシャルスキルトレーニングを活用した生徒向けの給食指導教材の開発結果によって対象の年齢層を設定して、発達段階にあわせた系統的な給食指導が可能である。 短時間で繰り返し学習·練習できる指導が、子供自らの興味を引き出す工夫が必要、給食の時間をより効率的に利用することが期待されている。文献調査により、小学校給食についての既存問題に以下の課題をまとめた:(1)食事の流れ、(2)食事のプロセスや時間の把握、(3)食材の好き嫌い、(4)食べ残し、(5)献立に合った新たな食器の導入、(6)食育指導。そこで、筆者は小学校給食をキーワードとしての関連項目を整理した。フィールド調査で必要な調査項目の全体像(図1)を作成した。

フィールド調査

 給食の実態と生徒が抱える課題を明らかにするため、A小学校1回とB小学校2回の給食見学を行った。生徒の抽象思考可能な解明するため、今回の調査対象は6年生に選定した。調査方法:給食の時間でクラス内の生徒の行動を観察し、各期間における生徒の行動を記録する。観察の結果を分析する。食事の時間全体約45分で以下の内容を記入する。調査内容:①小学校給食の行動観察。②食事環境について :当番の仕事、全体の流れ、食事中のコミュニケーション。③給食流れ全体調査:給食の内容物記録、給食のプロセス 。④食器具について:器の種類、素材、構造、使用方法。

配膳プロセスの流れ1.jpg

考察

 フィールド調査による食事全体プロセスの問題発見。  当番の仕事動線①配膳室―教室:当番生徒による身体の差があり、小柄な人は配膳かごを運ぶときに不便がある。配膳食器を運ぶとき床・服を汚れる場合がある。当番の人数はチームによって異なる。  当番の仕事動線②配膳コーナー―机:おかずを盛るとき1人分の量はコントロールしにくい。配膳お玉の数とサイズは調整出来ない。教室配置の制限があり、テーブルの間が狭い、当番が通りにくいの場合がある。  食事中:生徒ごとによって食量と好き嫌いが異なり、おかずを増やす、減らす、または他人にあげる場合がある。配付時間が長伸びると実際の食事時間が足りなくなる。フィールド調査の結果分析によって、小学校給食の時間における問題点は食事プロセスのスムーズさ把握することと考えている。  

結論と今後の展望

そこで明らかになったことは以下にまとめる。給食の配膳プロセスをよりスムーズにする,効率性を高めることが期待されている。新しいデリバリー方式を導入する、クラス全体を参加できるよう給食時間の効率性と楽しさを向上できるを仮設にする。これからのデザイン提案でこの仮設を検証する。今後の展望として、生徒視点の学校給食についてのデザイン要件を抽出する。デザインの提案を生徒と学校側または専門家に聞く、評価と検証を行う。

脚注

児童の学校給食における食べ残しーー理論に基づいた給食指導教材の開発 福岡 景奈、赤松 利恵

参考文献・参考サイト

  • ◯◯◯◯◯(20XX) ◯◯◯◯ ◯◯学会誌 Vol.◯◯
  • ◯◯◯◯◯(19xx) ◯◯◯◯ ◯◯図書
  • ◯◯◯◯◯(1955) ◯◯◯◯ ◯◯書院