「昆虫食を日常に取り込むデザイン的アプローチ」の版間の差分
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2020年10月10日 (土) 21:25時点における版
- 身体的支援機能・知的支援機能・精神的支援機能・技術的支援機能の観点から -
- 加治幸樹 / 九州大学 芸術工学部
- 山野和磨 / 九州大学 芸術工学部
Keywords: Speculative Design, Insect Food
背景と目的
サービスは、レシーバー(サービスの需要者)の「状態変化」を引き起こすことであり、コンテンツ(内容)およびチャネル(方法)はその実現手段といえる[1]。また、実現手段の方向性として、身体的支援・知的支援・精神的支援・技術的支援の4つの支援機能に分けて考えることができる[2]。
本研究では、既存のモノが提供する機能のありようについて、4つの支援機能の観点から整理し、「新たな付加価値を持つモノ」を提案することを目的とする。
4つの支援機能による既存の製品の分類
身の回りの製品やサービスを4つの支援機能の観点から分類した(図1)。ここから虫の捕獲器や昆虫食に関する製品には精神的支援、知的支援がほとんど施されていないのではないかと考えた。
そこでこれらの分類の中から我々は昆虫食に関わる製品やデザインに注目した。現存する昆虫食に関わる製品やサービスを調査した結果、精神的支援が施された事例が少ないことが分かった。これらの昆虫食に関わる事例に精神的支援を付加することで新たな価値が生まれるのではないかと考えた。
昆虫食の現状
1.昆虫食の背景
世界で有⽤なバイオマス、タンパク源として昆⾍⾷に関⼼が向いている。しかし戦後、政策によって作り上げられてきた「害⾍観」と、⾷の 多様化によって⾷として昆⾍を捉えることが難しくなっている。
2.昆虫食についての調査
その結果、鶏肉と牛肉がそれぞれタンパク質を100グラム中52%、56%含むのに対して、コオロギとトノサマバッタが100グラム中64%、67%タンパク質を含むということが分かった。また他の脂質やビタミン量などでも同様に他の肉製品と遜色が無く、これらの代替食品となる可能性があると考えた。また、飼育に必要となる餌や水分などの持続可能性の観点に関しては他の食用動物と比べてはるかに優っている。それにもかかわらず、現在日本の市場に常用食として出回ることは少なく、伝統⾷品、嗜好品、趣味として捉えられており、⽇常の⾷事範囲からは疎外されているのが現状である。
3.方法
未来における⽇常⾷としての昆⾍のあり⽅を提⽰する。その結果、社会に昆⾍⾷を⽇常に取り込むアプローチを各々で模索してもらうことで、次のスペキュレーション(説明がいる)が産まれる。この思索プロセスを踏んでもらうことで、⾷として昆⾍を捉えてもらうことを目的とする未来像を以下に示す。
アイデア展開
外部リンク
- プロジェクト紹介サイト https://www.example.com
脚注