「音の快・不快に着目した新しい広告の提案」の版間の差分
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+ | サービスは、レシーバー(サービスの需要者)の「状態変化」を引き起こすことであり、コンテンツ(内容)およびチャネル(方法)はその実現手段といえる<ref>下村芳樹,原辰徳,渡辺健太郎,坂尾知彦,新井民夫,富山哲男:サービス工学の提案(第 1 報,サービス工学のためのサービスのモデル化技法),日本機械学會論文集C編,Vol.71,No.702,pp.669-676, 2005</ref>。また、実現手段の方向性として、身体的支援・知的支援・精神的支援・技術的支援の4つの支援機能に分けて考えることができる<ref>亀岡秋男:サービス・製品・技術イノベーションを融合・創出・俯瞰する統合型戦略ロードマッピング,オペレーション・リサーチ経営の科学,Vol.51,No.9,pp.573-578,2006</ref>。そこで本研究では、既存のモノが提供する機能のありようについて、4つの支援機能の観点から整理し、「新たな付加価値を持つモノ」を提案することを目的とする。 | ||
+ | なお、本発表は、九州大学芸術工学工業設計学科4年前期に開設される「工業設計プロジェクト研究」のプロセスおよび成果の一端を報告するものである。 | ||
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+ | ここで、「音」に着目して分類した結果をみてみると、音を主体的に利用している製品と音を補助的に利用している製品とに分けられ、後者が少ないことがわかった。そこで、改めて「音」を主体的に利用している製品36点を収集し、それらの製品における音の役割について、4つの支援機能の観点から分類することにした(図2)。 | ||
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+ | これに対して、本研究では、静音性をアピールするのではなく、「他人や周囲の人々が不快と感じているから製品を買い換えよう」と思わせる、他者に対する不快な音の迷惑性を強くアピールする広告のあり方を提案することとした。 | ||
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2020年10月16日 (金) 20:41時点における最新版
- 身体的支援機能・知的支援機能・精神的支援機能・技術的支援機能の観点から -
- 水田 雅也 / 九州大学 芸術工学部
- 大貫 紫温 / 九州大学 芸術工学部
- 亀井 凜太郎 / 九州大学 芸術工学部
Keywords: Commercial, Sound, Pleasant and Unpleasant
目次
背景と目的
サービスは、レシーバー(サービスの需要者)の「状態変化」を引き起こすことであり、コンテンツ(内容)およびチャネル(方法)はその実現手段といえる[1]。また、実現手段の方向性として、身体的支援・知的支援・精神的支援・技術的支援の4つの支援機能に分けて考えることができる[2]。そこで本研究では、既存のモノが提供する機能のありようについて、4つの支援機能の観点から整理し、「新たな付加価値を持つモノ」を提案することを目的とする。
なお、本発表は、九州大学芸術工学工業設計学科4年前期に開設される「工業設計プロジェクト研究」のプロセスおよび成果の一端を報告するものである。
現状の把握とテーマの選定
身のまわりの製品の把握
身の回りの製品63点をサンプルとして収集し、4つの支援機能の観点から分類した。(図1) その結果、身体的支援機能にはロボット掃除機等の23点、知的支援機能には図鑑等の9点、精神的支援機能には香水等の25点、技術的支援機能には電動ドリル等の16点が該当した。
ここで、「音」に着目して分類した結果をみてみると、音を主体的に利用している製品と音を補助的に利用している製品とに分けられ、後者が少ないことがわかった。そこで、改めて「音」を主体的に利用している製品36点を収集し、それらの製品における音の役割について、4つの支援機能の観点から分類することにした(図2)。
その結果、着信音や通知音のように知的支援機能と身体的支援機能の2つの機能を併せ持つ「音」もあれば、未開封ペットボトルの開栓音のように精神的支援機能を持つ「音」もあることがわかった。
「音」に着目したテーマの選定
分類した音について“発生の仕方”に着目すると能動的と受動的とに、“とらえ方”に着目すると快と不快とに分けられる。すなわち,「音」の特性は「2つ」の観点の組み合わせで4つの象限に分類して配置される(図3)。
これらのうち、受動的に生じる不快な音には、工夫することで精神的支援機能を持たせることができる対象がある。高級車で,ドアの開閉音を工夫することにより高級感という精神的支援機能を持たせることに成功しているのは、その好例である。
以上の考察を踏まえ、本研究では受動的に生じる不快な音に着目し、新たな価値を持たせる製品やサービスの提案を試みることにした。
アイデアの検討と提案
「音」の性質に基づくアイデアの検討
「音」における“快・不快”は、人によって感じ方が異なる。そのため、自分にとっては気にならない音が、他人にとっては不快と感じるられることもある。このような事実を知ったとき、 自分が発生させた音が他人に迷惑をかけているならば、その音を発生させないようにする、という意識や行動の変化が生じる、と考えられる。
このことから、一部の人にとって不快と感じる音に注目することとし、この性質を利用した製品の広告を考えることにした。
新しい広告のあり方
静音性を特徴とする製品の広告では、これまで、「自分が所有する製品が発生する音は不快だから製品を買い換えよう」と思わせるという、購入者自身の快・不快に訴求する方法がとられていた。
これに対して、本研究では、静音性をアピールするのではなく、「他人や周囲の人々が不快と感じているから製品を買い換えよう」と思わせる、他者に対する不快な音の迷惑性を強くアピールする広告のあり方を提案することとした。
脚注
外部リンク
・プロジェクト紹介サイト:https://www.example.com
・Youtube:https://www.youtube.com/channel/UCepC8R75NgOSM6SqEwf41dg?view_as=subscriber
プレゼンテーション動画