「より良い生活リズムをつくる情報表示の提案」の版間の差分

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- 身体的支援機能・知的支援機能・精神的支援機能・技術的支援機能の観点から  -
 
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''Keywords: Time Display, Clock, Watch, Daily Rhythm,  Product Design, Design'' 
 
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==背景・目的==
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==背景と目的==
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 サービスは、レシーバー(サービスの需要者)の「状態変化」を引き起こすことであり、コンテンツ(内容)およびチャネル(方法)はその実現手段といえる<ref>下村芳樹,原辰徳,渡辺健太郎,坂尾知彦,新井民夫,富山哲男:サービス工学の提案(第 1 報,サービス工学のためのサービスのモデル化技法),日本機械学會論文集C編,Vol.71,No.702,pp.669-676, 2005</ref>。また、実現手段の方向性として、身体的支援・知的支援・精神的支援・技術的支援の4つの支援機能に分けて考えることができる<ref>亀岡秋男:サービス・製品・技術イノベーションを融合・創出・俯瞰する統合型戦略ロードマッピング,オペレーション・リサーチ経営の科学,Vol.51,No.9,pp.573-578,2006</ref>。そこで本研究では、4つの支援機能の観点から既存の製品が提供する機能のありようについて整理することで課題を発見し、「新たな価値を持つ製品やサービス」を提案することを目的とする。
 サービスは、レシーバー(サービスの需要者)の「状態変化」を引き起こすことであり、コンテンツ(内容)およびチャネル(方法)はその実現手段といえる。また、実現手段の方向性として、身体的支援・知的支援・精神的支援・技術的支援の4つの支援機能に分けて考えることができる。
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 なお、本発表は、九州大学芸術工学工業設計学科4年前期に開設される「工業設計プロジェクト研究」のプロセスおよび成果の一端を報告するものである。
 本研究では、これら4つの支援機能の考え方から、「新たな付加価値をもつ製品」を提案することを目的とする。
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==4つの支援機能の視点に基づく製品の分類==
* プロジェクト紹介サイト https://www.example.com
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 身の回りの製品やサービスとして35個のサンプルを収集し、4つの支援機能の観点から分類を行った。その結果、図1に示すように整理することができた。
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サンプルにおける4つの支援機能の分類から身の周りの製品やサービスにおいて、1つの支援機能に限らず、複数の支援機能をもつ製品やサービスが存在する場合がある分かった。サンプルにおいて、時計や車は一般的に3つの支援機能をもつことが見てとれた。
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===テーマの選定===
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 分類の中から、本研究では時計について着目した。時計においては、これまでの歴史においてより正確な時間・時刻を知ることを目的とした技術的支援機能、ファッションやインテリアとしての精神的支援機能における発展を遂げてきた。しかし、ほかの支援機能としての発展の歴史は浅いため、新しい付加価値をもつものが提案できるのではないかと思い、着目した。
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 次に、既存の時計について収集し、4つの支援機能について分類を行った(図2)。この分類から、既存の時計において現在、ファッションやインテリアとしての時計や精神的に「落ち着き」や「焦り」を提供する時計など精神的機能に着目した時計が広く展開されていた。また、身体的支援機能をもつ時計は眠りから身体を起こす目覚まし時計以外見られなかった。そこで、時間表示における身体的支援機能をもつものが新たな付加価値を与えると考えた。
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==問題の発見と解決策の検討==
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===アイデアの検討===
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 時間表示における身体的支援機能をもつもので、夜間に睡眠を促すものがあれば良いのではないかというアイデアが出た。睡眠は生活リズムに大きく関わり、身体的支援として良いと考えたからである。
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 解決策を検討するにあたって、ペルソナを作成した(図3、4)。ペルソナの作成から、ゲームなどをするモチベーションより、早く寝ようとするモチベーションが少ないことに問題があると考えた。そこから、きちんとした生活リズムで睡眠をとることでスマートフォンのアプリ上において動物が健康的に飼育されるという方向性に決定した。 
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 具体的なアイデアとしては、睡眠時にスマートフォンのアプリで睡眠を計測する。アプリ上の動物の健康状態は自身の生活リズムの投影であり、適切な生活リズムで睡眠をするとアプリ上の動物が健康な状態になり、逆に不規則な生活リズムで睡眠をするとアプリ上の動物が不健康な状態となる。利用者はアプリ上の動物の健康状態で自分の生活リズムを確認することができる。睡眠の計測の評価として、睡眠時間と規則的な就寝時間と起床時間を指標として用いる。また、アプリ上の動物としてはバクを想定している。バクは夢を食べると言われているため、利用者が適切な睡眠をとり、夢をみることで育つことをモチーフにしている(図5、6)。
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[[Category:コンテンツデザイン]]

2020年10月24日 (土) 17:53時点における最新版

- 身体的支援機能・知的支援機能・精神的支援機能・技術的支援機能の観点から -


野村 竜成 / 九州大学 芸術工学部 
墨田 知世 / 九州大学 芸術工学部 
椎葉 直也 / 九州大学 芸術工学部


Keywords: Time Display, Clock, Watch, Daily Rhythm, Product Design, Design 


背景と目的

 サービスは、レシーバー(サービスの需要者)の「状態変化」を引き起こすことであり、コンテンツ(内容)およびチャネル(方法)はその実現手段といえる[1]。また、実現手段の方向性として、身体的支援・知的支援・精神的支援・技術的支援の4つの支援機能に分けて考えることができる[2]。そこで本研究では、4つの支援機能の観点から既存の製品が提供する機能のありようについて整理することで課題を発見し、「新たな価値を持つ製品やサービス」を提案することを目的とする。

 なお、本発表は、九州大学芸術工学工業設計学科4年前期に開設される「工業設計プロジェクト研究」のプロセスおよび成果の一端を報告するものである。





4つの支援機能の視点に基づく製品の分類

現状の把握

図1. 身の回りの製品の分類

 身の回りの製品やサービスとして35個のサンプルを収集し、4つの支援機能の観点から分類を行った。その結果、図1に示すように整理することができた。 サンプルにおける4つの支援機能の分類から身の周りの製品やサービスにおいて、1つの支援機能に限らず、複数の支援機能をもつ製品やサービスが存在する場合がある分かった。サンプルにおいて、時計や車は一般的に3つの支援機能をもつことが見てとれた。



テーマの選定

図2. 時間に関する製品の分類

 分類の中から、本研究では時計について着目した。時計においては、これまでの歴史においてより正確な時間・時刻を知ることを目的とした技術的支援機能、ファッションやインテリアとしての精神的支援機能における発展を遂げてきた。しかし、ほかの支援機能としての発展の歴史は浅いため、新しい付加価値をもつものが提案できるのではないかと思い、着目した。

 次に、既存の時計について収集し、4つの支援機能について分類を行った(図2)。この分類から、既存の時計において現在、ファッションやインテリアとしての時計や精神的に「落ち着き」や「焦り」を提供する時計など精神的機能に着目した時計が広く展開されていた。また、身体的支援機能をもつ時計は眠りから身体を起こす目覚まし時計以外見られなかった。そこで、時間表示における身体的支援機能をもつものが新たな付加価値を与えると考えた。




問題の発見と解決策の検討

アイデアの検討

図3. ペルソナ1
図4. ペルソナ2

 時間表示における身体的支援機能をもつもので、夜間に睡眠を促すものがあれば良いのではないかというアイデアが出た。睡眠は生活リズムに大きく関わり、身体的支援として良いと考えたからである。

 解決策を検討するにあたって、ペルソナを作成した(図3、4)。ペルソナの作成から、ゲームなどをするモチベーションより、早く寝ようとするモチベーションが少ないことに問題があると考えた。そこから、きちんとした生活リズムで睡眠をとることでスマートフォンのアプリ上において動物が健康的に飼育されるという方向性に決定した。 



最終提案

図5. アプリ画面1
図6. アプリ画面2

 具体的なアイデアとしては、睡眠時にスマートフォンのアプリで睡眠を計測する。アプリ上の動物の健康状態は自身の生活リズムの投影であり、適切な生活リズムで睡眠をするとアプリ上の動物が健康な状態になり、逆に不規則な生活リズムで睡眠をするとアプリ上の動物が不健康な状態となる。利用者はアプリ上の動物の健康状態で自分の生活リズムを確認することができる。睡眠の計測の評価として、睡眠時間と規則的な就寝時間と起床時間を指標として用いる。また、アプリ上の動物としてはバクを想定している。バクは夢を食べると言われているため、利用者が適切な睡眠をとり、夢をみることで育つことをモチーフにしている(図5、6)。





脚注

  1. 下村芳樹,原辰徳,渡辺健太郎,坂尾知彦,新井民夫,富山哲男:サービス工学の提案(第 1 報,サービス工学のためのサービスのモデル化技法),日本機械学會論文集C編,Vol.71,No.702,pp.669-676, 2005
  2. 亀岡秋男:サービス・製品・技術イノベーションを融合・創出・俯瞰する統合型戦略ロードマッピング,オペレーション・リサーチ経営の科学,Vol.51,No.9,pp.573-578,2006



プレゼンテーション動画