「知的支援機能を有する掃除”記”の提案」の版間の差分
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身の回りの製品やサービスとして約60個のサンプルを収集し、4つの支援機能の観点から分類を行った。その結果、図1のように整理することができた。その中で技術的支援機能に分類された掃除機は、ほとんどの人にとって必要不可欠なものである一方で、他の家電と比べてユーザーごとに使用の必要性に差があり、充分な活用がされていない。また、掃除機ごとにカラーや形などの差はあるが、4つの支援機能の観点から見ると、既存の掃除機は主に、「吸引力」「ゴミの捨てやすさ」「本体の大きさ・重さ」など,量的に向上や改良の程度がわかりやすい機能・性能といった項目に重点がおかれてきたと考えられた。 | 身の回りの製品やサービスとして約60個のサンプルを収集し、4つの支援機能の観点から分類を行った。その結果、図1のように整理することができた。その中で技術的支援機能に分類された掃除機は、ほとんどの人にとって必要不可欠なものである一方で、他の家電と比べてユーザーごとに使用の必要性に差があり、充分な活用がされていない。また、掃除機ごとにカラーや形などの差はあるが、4つの支援機能の観点から見ると、既存の掃除機は主に、「吸引力」「ゴミの捨てやすさ」「本体の大きさ・重さ」など,量的に向上や改良の程度がわかりやすい機能・性能といった項目に重点がおかれてきたと考えられた。 | ||
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===知的支援機能をもつ掃除機へ着目=== | ===知的支援機能をもつ掃除機へ着目=== | ||
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以上の現状調査を踏まえ、新しい付加価値をもつ掃除機の提案に向けて検討することとした。各社の掃除機のラインナップや、シェア、掃除機の進化の歴史、掃除家電に関するアンケ―トなどについて調べた。その結果、現代の掃除機を4つの支援機能の観点で分けると、知的支援機能をもつ掃除機がないことがわかった(図2)。そのため、知的支援機能をもつ掃除機に着目した。知的支援機能をもつ掃除機は、吸引力や静粛性など、技術的支援機能を中心に進化してきた従来の掃除機に対して、新たな価値をもつものであると考えられる。 | 以上の現状調査を踏まえ、新しい付加価値をもつ掃除機の提案に向けて検討することとした。各社の掃除機のラインナップや、シェア、掃除機の進化の歴史、掃除家電に関するアンケ―トなどについて調べた。その結果、現代の掃除機を4つの支援機能の観点で分けると、知的支援機能をもつ掃除機がないことがわかった(図2)。そのため、知的支援機能をもつ掃除機に着目した。知的支援機能をもつ掃除機は、吸引力や静粛性など、技術的支援機能を中心に進化してきた従来の掃除機に対して、新たな価値をもつものであると考えられる。 | ||
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==アイデアの検討と提案== | ==アイデアの検討と提案== | ||
===ペルソナ手法を用いたアイデア展開=== | ===ペルソナ手法を用いたアイデア展開=== | ||
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アイデアを検討するにあたって、ペルソナ手法を用いた。図3が実際に作成したペルソナである。このペルソナから、掃除の頻度や程度を、他人と比較できる掃除機があれば良いのではないかというアイデアが出た。そのため、掃除に関するデータを記録し、知らせるという、知的支援機能をもつ掃除機を考えた。以上のことから、記録が残る掃除“記”という方向に決定した。 | アイデアを検討するにあたって、ペルソナ手法を用いた。図3が実際に作成したペルソナである。このペルソナから、掃除の頻度や程度を、他人と比較できる掃除機があれば良いのではないかというアイデアが出た。そのため、掃除に関するデータを記録し、知らせるという、知的支援機能をもつ掃除機を考えた。以上のことから、記録が残る掃除“記”という方向に決定した。 | ||
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2020年10月16日 (金) 20:51時点における最新版
- 身体的支援機能・知的支援機能・精神的支援機能・技術的支援機能の観点から -
- 石上 耕大 / 九州大学 芸術工学部
- 田中 敦士 / 九州大学 芸術工学部
- 中川 頌 / 九州大学 芸術工学部
Keywords: Vacuum Cleaner, Intelligence, Industrial Design, Design
目次
背景と目的
サービスは、レシーバー(サービスの需要者)の「状態変化」を引き起こすことであり、コンテンツ(内容)およびチャネル(方法)はその実現手段といえる[1]。また、実現手段の方向性として、身体的支援・知的支援・精神的支援・技術的支援の4つの支援機能に分けて考えることができる[2]。そこで本研究では、4つの支援機能の観点から既存の製品が提供する機能のありようについて整理することで課題を発見し、「新たな価値を持つ製品やサービス」を提案することを目的とする。
なお、本発表は、九州大学芸術工学工業設計学科4年前期に開設される「工業設計プロジェクト研究」のプロセスおよび成果の一端を報告するものである。
現状の把握とテーマの選定
身の回りの製品やサービスの分類
身の回りの製品やサービスとして約60個のサンプルを収集し、4つの支援機能の観点から分類を行った。その結果、図1のように整理することができた。その中で技術的支援機能に分類された掃除機は、ほとんどの人にとって必要不可欠なものである一方で、他の家電と比べてユーザーごとに使用の必要性に差があり、充分な活用がされていない。また、掃除機ごとにカラーや形などの差はあるが、4つの支援機能の観点から見ると、既存の掃除機は主に、「吸引力」「ゴミの捨てやすさ」「本体の大きさ・重さ」など,量的に向上や改良の程度がわかりやすい機能・性能といった項目に重点がおかれてきたと考えられた。
知的支援機能をもつ掃除機へ着目
以上の現状調査を踏まえ、新しい付加価値をもつ掃除機の提案に向けて検討することとした。各社の掃除機のラインナップや、シェア、掃除機の進化の歴史、掃除家電に関するアンケ―トなどについて調べた。その結果、現代の掃除機を4つの支援機能の観点で分けると、知的支援機能をもつ掃除機がないことがわかった(図2)。そのため、知的支援機能をもつ掃除機に着目した。知的支援機能をもつ掃除機は、吸引力や静粛性など、技術的支援機能を中心に進化してきた従来の掃除機に対して、新たな価値をもつものであると考えられる。
アイデアの検討と提案
ペルソナ手法を用いたアイデア展開
アイデアを検討するにあたって、ペルソナ手法を用いた。図3が実際に作成したペルソナである。このペルソナから、掃除の頻度や程度を、他人と比較できる掃除機があれば良いのではないかというアイデアが出た。そのため、掃除に関するデータを記録し、知らせるという、知的支援機能をもつ掃除機を考えた。以上のことから、記録が残る掃除“記”という方向に決定した。
掃除”記”の具体的なアイデア
具体的なアイデアとしては、ランキング機能・タイマー機能を搭載した掃除機である。自分自身の順位が分かることや、走行距離の合計がわかることで、掃除に対するモチベーションが高まる。また、タイマーによって掃除を促すことで、掃除を習慣化させる。
脚注
プレゼンテーション動画