遠隔・非同期ツールとしてのWikiの可能性

提供: JSSD5th2020
2020年9月25日 (金) 19:13時点における井上貢一 (トーク | 投稿記録)による版 (報告)
Jump to navigation Jump to search

- ここにサブタイトルを記載 -


注)

  • この雛形は、ライトニングトークに適用されます。
  • 本文部分は、800文字程度を目安に簡潔なご報告をお願いします。
  • 見出しの語句は参考例です。
  • 「あなた」が編集を行うとページの履歴に利用者名が残ります。


◯◯◯◯ / ◯◯大学 ◯◯学部 ← 氏名 / 所属(筆頭者)
◯◯◯◯ / ◯◯大学 ◯◯学部 ← 氏名 / 所属(共同研究者)

Keywords: Product Design, Visual Design ← キーワード(斜体)


報告

図1.◯◯◯◯

人類が発明した「文字」は「紙」という媒体とセットになることで、いわば「遠隔・非同期」のコミュニケーションを実現する。また「情報体」というものは、すべて「複製可能」という性質によって、共有資源としての価値を担っている。優れた情報デザインの条件を一言で語るとすれば「情報体を遠隔・非同期的に複製されやすい状態にすること」だと言えるのではないだろうか。


2020年度は COVID-19 の感染拡大の影響で、筆者の属する大学も4月22日から遠隔授業でスタートすることとなった。メールやSNSによる授業連絡、PDF資料の配布、非同期(オンデマンド)配信、同期(リアルタイム)双方向通信、さらにチャットを利用した質疑応答など、様々なツールの活用が試された。  実際に運用をはじめてわかったことは、同期型のWeb会議システムよりも、非同期型の動画配信の方が受講生の評判が良いということである。同期型のツールは、関係者の「時間」を拘束するだけでなく、事実上「場所」も拘束する (声を出せる場所は限られる)。一方、録画済動画と文字情報を主とした非同期型のツールは、参加者の行動を拘束しない。さらに言えば、音声や動画よりも、文字情報の方が「複製しやすい」という点で学習効率が上がるのである。


 ブラウザから記事の更新が簡単にできるWikiシステムは、結果としてそうした情報の提供に適したものであると言える。筆者は従来より授業情報の提供にWikiを活用していたが、結果的に、遠隔授業にシフトしても、従来と変わらない授業準備の方法で、対面授業と大差なく授業を展開することができた。  遠隔授業で問題となるのは、受講生相互の課題の成果が見えないということであるが、学生自身にWikiの編集スキルがあれば、相互の取り組みの成果をWiki上で共有することができる。  また、さらに重要なことは、Wikiの背景にある思想である。それは「参加者全員を信用して編集をオープンにする」というもので、これが参加者全体の編集スキルの向上に寄与している。Wikiは「遠隔・非同期・複製容認」という性質によって、ポストコロナ時代の有効な情報共有ツールとなることが期待される。



外部リンク