音の快・不快に着目した新しい広告の提案
- 身体的支援機能・知的支援機能・精神的支援機能・技術的支援機能の観点から -
- 水田雅也 / 九州大学 芸術工学部
- 大貫紫温 / 九州大学 芸術工学部
- 亀井凜太郎 / 九州大学 芸術工学部
Keywords: Commercial, Sound, Pleasant and Unpleasant
音に着目した背景
目的にしたがって、現状の製品を4つの支援機能に分類した。(図1)その結果、「音」がメインの機能に関わる製品が少なく、「音」が多くの製品で補助的な役割を担っていることが分かった。そこで今回は「音」に着目し、新しい提案をすることした。
音を使用したものの分析
分類していく中で「音」に焦点を当ててデザインされたものが少ないと感じた。そのため、本研究では「音」に着目して収集し、4つの支援機能に基づき分類を行った。(図2)
またこの分類から、「音」は知的支援機能と身体的支援機能を兼ねているものもあれば、精神的支援機能を用いて人に働きかけるものもあることが分かった。またそれとは別に生じてしまう音もあった。
ここで「音」の快・不快に着目してみると、「精神的支援機能としての音の快・不快」と、「生じてしまう音の快・不快」の2種類あることが分かった。
「精神的支援機能としての音の快・不快」とは、店の雰囲気づくりのための店内BGMや、緊急を知らせるアラーム音である。
「生じてしまう音の快・不快」とは、缶を開ける際に出る「プシュー」という音や咀嚼音である。
しかし「生じてしまう音」を工夫することで精神的支援機能を持たせることはできるとわかった。例として、高級車のドアの開閉音である。これはドアの開閉音を工夫したことで、高級感という精神的支援機能を持たせることに成功している。
その中で本研究では「生じてしまう音の快・不快」に着目し、新たな価値を持たせようと試みた。
音の快・不快の性質
音における快・不快は、人によって感じ方が異なる。
ある人にとっては快と感じる音が、別の人にとっては不快と感じることもある。
そこで、全員が不快と感じていなくても、一部の人間にとっては不快と感じる音に注目した。
「自分が不快と感じていない音が、他人にとっては不快と感じていた」という事実を知ったとき、
自分の発した音が他人に迷惑がかかっているならば、その音を発するのをやめよう、という行動の変化が生じる。
この性質を利用した製品の広告を考えた。
音の快・不快を用いた広告
不快な音を出さない、音の静かな製品の広告において、今までは「自分が不快だから製品を買い換えよう」と受け手に思わせる広告だが、
「他人や周囲の人々が不快と感じているから製品を買い換えよう」と受け手に思わせる広告の在り方を提案する。
最終提案
外部リンク
・プロジェクト紹介サイト https://www.example.com
・Youtube
脚注