知的支援機能を有する掃除”記”の提案
- 身体的支援機能・知的支援機能・精神的支援機能・技術的支援機能の観点から -
- 石上 耕大 / 九州大学 芸術工学部
- 田中 敦 / 九州大学 芸術工学部
- 中川 頌 / 九州大学 芸術工学部
Keywords: Vacuum Cleaner, Intelligence, Industrial Design, Design
背景と目的
サービスは、レシーバー(サービスの需要者)の「状態変化」を引き起こすことであり、コンテンツ(内容)およびチャネル(方法)はその実現手段といえる[1]。また、実現手段の方向性として、身体的支援・知的支援・精神的支援・技術的支援の4つの支援機能に分けて考えることができる[2]。
本研究では、既存の製品が提供する機能のありようについて、4つの支援機能の観点から整理し、「新たな付加価値を持つ製品」を提案することを目的とする。
現状の把握
身の回りの製品を、4つの支援機能の観点から分類した(図1)。
分類した製品の中から、掃除機に着目した。ほとんどの人にとって掃除機は必要不可欠なものであり、そのため、掃除機に対する需要も様々であると考えられる。しかし、カラーや形などの差はあれど、4つの支援機能の観点から見ると、既存の掃除機のバリエーションは少ないのではないかと考えた。そのため、新しい付加価値をもつ掃除機が提案できるのではないかと思い、着目した。
各社の掃除機のラインナップや、シェア、掃除機の進化の歴史、掃除家電に関するアンケ―トなどについて調べた。その結果、現代の掃除機を4つの支援機能の観点で分けると、知的支援機能をもつ掃除機がないことが分かった(図2)。そのため、知的支援機能をもつ掃除機に着目した。知的支援機能をもつ掃除機は、吸引力や静粛性など、技術的支援機能を中心に進化してきた従来の掃除機に対して、新たな価値をもつものであると考えられる。
アイデアの検討と提案
アイデアを検討するにあたって、ペルソナ手法を用いた。図3が実際に作成したペルソナである。このペルソナから、掃除の頻度や程度を、他人と比較できる掃除機があれば良いのではないかというアイデアが出た。そのため、掃除に関するデータを記録し、知らせるという、知的支援機能をもつ掃除機を考えた。以上のことから、記録が残る掃除“記”という方向に決定した。
具体的なアイデアとしては、ランキング機能・タイマー機能を搭載した掃除機である。自分自身の順位が分かることや、走行距離の合計がわかることで、掃除に対するモチベーションが高まる。また、タイマーによって掃除を促すことで、掃除を習慣化させる。
外部リンク
- イメージ動画 https://www.example.com
- 発表動画 https://www.example.com