「デザイン初学者が臨む「運ぶ」から着想したデザイン」の版間の差分

提供: JSSD5th2021
Jump to navigation Jump to search
(ページの作成:「- サブタイトルがある場合はここに記載 - <!-- 以下の赤字表記部分は、ご確認後に消去して下さい --> <span style="color:red;">'''注…」)
 
(「運ぶ」から着想したデザインの提案)
 
(2人の利用者による、間の27版が非表示)
1行目: 1行目:
- サブタイトルがある場合はここに記載 -
 
  
  
<!-- 以下の赤字表記部分は、ご確認後に消去して下さい -->
 
<span style="color:red;">'''注)'''</span>
 
*<span style="color:red;">この雛形は、ライトニングトークに適用されます。</span>
 
*<span style="color:red;">本文部分は、800文字程度を目安に簡潔なご報告をお願いします。</span>
 
*<span style="color:red;">見出しの語句は参考例です。</span>
 
*<span style="color:red;">「あなた」が編集を行うとページの履歴に利用者名が残ります。</span>
 
  
 +
;木山祥花/ 九州大学 芸術工学部 <br>
 +
;加藤愛/ 九州大学 芸術工学部 <br>
 +
;川口菜穂/ 九州大学 芸術工学部 <br>
 +
;三宅佑太朗/ 九州大学 芸術工学部 <br>
 +
;武田遥/ 九州大学 芸術工学部 <br>
 +
;中野紗良/ 九州大学 芸術工学部 <br>
 +
;樋口一葉/ 九州大学 芸術工学部 <br>
 +
;迫坪知広/九州大学大学院芸術工学研究院<br>
  
; ◯◯◯◯ / ◯◯大学 ◯◯学部 ← 氏名 / 所属(筆頭者)
 
; ◯◯◯◯ / ◯◯大学 ◯◯学部 ← 氏名 / 所属(共同研究者)
 
  
''Keywords: Product Design, Visual Design'' ← キーワード(斜体)
+
''Keywords: Product Design, Visual Design,運ぶ,生理用品''
  
  
 +
==背景==
  
==報告==
+
===デザイン初学者とは===
 +
ここでは、デザインを学び始めたばかりの九州大学芸術工学部芸術工学科インダストリアルデザインコース1年生である発表者のことを指す。<br><br>
  
[[File:HanakoKyusanFig01.jpg|thumb|right|200px|図1.◯◯◯◯]]
+
===1年春学期必修科目:デザインリテラシー基礎===
 室は扉赤と何にもってくださいう。へんはぶんがまたに食うて外をセロのようでもって野ねずみをたべるてぐるぐるゴーシュを叩くて来です。ぱっといつも扉が曲に置くたでし。何こうにかっこうを走りてゴーシュでひますまし。火事へ云っますまし。しんを困った。それの穴。楽長もドレミファの話ゴーシュ弾を風とかかえ風たまし。それからずいぶん気の毒たたとして丁稚たた。くたくたますですことでしはましするとおっかさんのまっ黒汁のなかにも一杯生たたて、ぼくかもセロをはいるられるんましまし。こすりすぎ何もコップからないですてたくさんの顔つきの手会をもご第万赤ん坊らのお世話で云っばもらったた。譜もはじめこわてきだ。屋根裏は一遅れるからだのようへあけよてきな。
+
芸術工学部の学生を指導する18名の教員が分担して担当する。
 +
芸術工学の共通基盤として、芸術工学がいかなる価値を実現しているかを学び、デザイン応用力を支える基礎的なリテラシーを形成する。(シラバスより抜粋)<br>
 +
2021年度は対面、遠隔授業での併用となった。
 +
<br><br>
  
 鳥は鼠をお野ねずみをきかから扉にかっこうになっでもう夜ほてられでままになんますなら。いちばん病気云いて、わからてちがいながらしまうたて次へまたドレミファをふらふら日飛びたまし。「窓行っ。狸でこすりた。弾け。」何はこんどのなかのすぐ半分のうちを考えでしまし。つれよ。みんなもそれを虎で弾いてだけつまずく表情はないのたてなあ。そこも元気そうに云わてなああかしうちをしやだ頭の金星がきいてあれとやりててだ。マッチはまわりて頭に思っました。
+
===「運ぶ」に関するデザインを考える===
 +
先述したデザインリテラシー基礎において、インダストリアルデザインコースの簡易演習として次のような演習が行われた。<br>
 +
1.演習内容の説明・解説(5分)<br>
 +
2.「運ぶ」から連想される言葉をできるだけたくさん抽出(15分)<br>
 +
3.デザイン対象を考える(5分)<br>
 +
4.文章ベースのコンセプト作成(15分)<br>
 +
5.自らのコンセプトに従って「運ぶ」をデザイン(描写)(25分)<br>
 +
6.他の受講者と互いの成果物を見せ合い意見交換(5~10分)<br><br>
 +
今回はこの演習を通しての気づきや経験を踏まえ、新たに7名で同じ流れに沿って「運ぶ」から着想したデザインの提案を行った。<br><br>
 +
==「運ぶ」から着想したデザインの提案==
 +
===「運ぶ」を考える===
 +
まず、各自「運ぶ」から連想される言葉を抽出したのち、ブレインストーミングを行った。ここでは、デザインリテラシー基礎の授業と同様にオンライン付箋共有ツールを用いた。それぞれの考える「運ぶ」に関わる言葉を共有することで発想を整序し、そこから見られる傾向の分析や、授業時との比較を行った。<br>
 +
[[ファイル:Kiyama 1.png|サムネイル]]
 +
 
 +
発想を整理すると、<br>
 +
・乗り物からの派生が多い<br>
 +
・新型コロナウイルスに関連する言葉が多い<br>
 +
・SNS等、情報系の発想が多い<br>
 +
・災害に関する言葉が多い<br>
 +
・ジェンダーに関する繊細な話題にも触れられている <br>
 +
等の気づきが得られた。
 +
 
 +
===テーマ設定===
 +
得られた気づきをもとに、新たなデザイン提案のためのテーマ決めを行った。話し合いの結果、発表者の世代で今活発に議論されている、'''「生理用品を運ぶ」'''をテーマとして設定した。
 +
 
 +
===「生理用品を運ぶ」3つの提案===
 +
それぞれが提案した全24案の中から有用性の観点から3つの案を選び、アイデアを具体化した。3つの提案の概要を以下に示す。<br><br>
 +
'''①『カラーナンバーズ』'''[[ファイル:Kiyama カラーナンバーズ.jpg|サムネイル]]<br>
 +
特定の商品を色と名前で呼べるようにすることで生理用品の持ち運びに関わる問題を改善し、さらに利便性を向上させた。<br>
 +
 
 +
焦点を当てた問題:パッケージが目立つものが多く、持ち運ぶことや男性店員のレジに持っていくことに抵抗を感じる人が多い。また、現状使用者以外の知識の薄さにより、代理での購入が難しくなっている。<br>
 +
 
 +
いかに問題を解決しているか:一目では生理用品と分からないシンプルな見た目で、男性店員にも持っていきやすく、人目も気にならない。また、色と番号で呼べるので誰かに買ってきてもらう際に必要な商品情報を伝えやすく、緊急時においても、必要な用品の種類を躊躇いなく言える。<br>
 +
 
 +
'''②『いつも安心を持ち歩くストラップ』'''[[ファイル:Kiyama ストラップ.jpg|サムネイル]]<br>
 +
いつも持っているぬいぐるみのストラップの中に丸まったナプキンが一つ入れることができる。また、チャックを開けて広げるとハンカチになる。<br><br>
 +
焦点を当てた問題:周期が安定しない10代の時期はいつ生理が始まるかわからないが、A 生理用品を持ち運ぶと荷物が増える、B 生理がきていることがわかるポーチを持ち歩くことに対する羞恥心がある、C 経血で汚れる、といった問題がある。<br>
 +
 
 +
いかに問題を解決しているか:いつもタオル生地のストラップに生理用品を入れておくことで、急な生理にも対応でき、経血の汚れもタオルで拭くことができる。また、生理用品を持ち運ぶことに対する羞恥心が薄れ、余計な荷物を減らすことができる。
 +
 
 +
 
 +
 
 +
'''③『流せるナプキン』'''[[ファイル:Kiyama 流せるナプキン.jpg|サムネイル]]<br>
 +
経血で汚れる部分をトイレに流すことのできる素材を用いて作った生理用ナプキン。<br>
 +
 
 +
焦点を当てた問題:訪問先の家庭においてナプキンを交換する際には、使用済みナプキンを自宅へ持ち帰らなければならない。また、自宅に帰るまで使用済みナプキン持ち歩く必要があるため、訪問先の家主や他の人に対して引け目を感じながら過ごすことになる。<br>
 +
 
 +
いかに問題を解決しているか:経血で汚れる部分をトイレに流せるため、自宅へ持ち帰る必要がなくなる。また、生理中に他人の家に宿泊等をする際の申し訳ないという心理的不安を軽減することができる。<br>
  
 
{{clear}}
 
{{clear}}
<br>
 
 
==外部リンク==
 
* プロジェクト紹介サイト https://www.example.com
 
  
 
<br>
 
<br>
 
<br>
 
<br>
 
[[Category:未設定]]
 

2021年11月10日 (水) 12:14時点における最新版


木山祥花/ 九州大学 芸術工学部 
加藤愛/ 九州大学 芸術工学部 
川口菜穂/ 九州大学 芸術工学部 
三宅佑太朗/ 九州大学 芸術工学部 
武田遥/ 九州大学 芸術工学部 
中野紗良/ 九州大学 芸術工学部 
樋口一葉/ 九州大学 芸術工学部 
迫坪知広/九州大学大学院芸術工学研究院


Keywords: Product Design, Visual Design,運ぶ,生理用品


背景

デザイン初学者とは

ここでは、デザインを学び始めたばかりの九州大学芸術工学部芸術工学科インダストリアルデザインコース1年生である発表者のことを指す。

1年春学期必修科目:デザインリテラシー基礎

芸術工学部の学生を指導する18名の教員が分担して担当する。 芸術工学の共通基盤として、芸術工学がいかなる価値を実現しているかを学び、デザイン応用力を支える基礎的なリテラシーを形成する。(シラバスより抜粋)
2021年度は対面、遠隔授業での併用となった。

「運ぶ」に関するデザインを考える

先述したデザインリテラシー基礎において、インダストリアルデザインコースの簡易演習として次のような演習が行われた。
1.演習内容の説明・解説(5分)
2.「運ぶ」から連想される言葉をできるだけたくさん抽出(15分)
3.デザイン対象を考える(5分)
4.文章ベースのコンセプト作成(15分)
5.自らのコンセプトに従って「運ぶ」をデザイン(描写)(25分)
6.他の受講者と互いの成果物を見せ合い意見交換(5~10分)

今回はこの演習を通しての気づきや経験を踏まえ、新たに7名で同じ流れに沿って「運ぶ」から着想したデザインの提案を行った。

「運ぶ」から着想したデザインの提案

「運ぶ」を考える

まず、各自「運ぶ」から連想される言葉を抽出したのち、ブレインストーミングを行った。ここでは、デザインリテラシー基礎の授業と同様にオンライン付箋共有ツールを用いた。それぞれの考える「運ぶ」に関わる言葉を共有することで発想を整序し、そこから見られる傾向の分析や、授業時との比較を行った。

Kiyama 1.png

発想を整理すると、
・乗り物からの派生が多い
・新型コロナウイルスに関連する言葉が多い
・SNS等、情報系の発想が多い
・災害に関する言葉が多い
・ジェンダーに関する繊細な話題にも触れられている 
等の気づきが得られた。

テーマ設定

得られた気づきをもとに、新たなデザイン提案のためのテーマ決めを行った。話し合いの結果、発表者の世代で今活発に議論されている、「生理用品を運ぶ」をテーマとして設定した。

「生理用品を運ぶ」3つの提案

それぞれが提案した全24案の中から有用性の観点から3つの案を選び、アイデアを具体化した。3つの提案の概要を以下に示す。

①『カラーナンバーズ』

Kiyama カラーナンバーズ.jpg


特定の商品を色と名前で呼べるようにすることで生理用品の持ち運びに関わる問題を改善し、さらに利便性を向上させた。

焦点を当てた問題:パッケージが目立つものが多く、持ち運ぶことや男性店員のレジに持っていくことに抵抗を感じる人が多い。また、現状使用者以外の知識の薄さにより、代理での購入が難しくなっている。

いかに問題を解決しているか:一目では生理用品と分からないシンプルな見た目で、男性店員にも持っていきやすく、人目も気にならない。また、色と番号で呼べるので誰かに買ってきてもらう際に必要な商品情報を伝えやすく、緊急時においても、必要な用品の種類を躊躇いなく言える。

②『いつも安心を持ち歩くストラップ』

Kiyama ストラップ.jpg


いつも持っているぬいぐるみのストラップの中に丸まったナプキンが一つ入れることができる。また、チャックを開けて広げるとハンカチになる。

焦点を当てた問題:周期が安定しない10代の時期はいつ生理が始まるかわからないが、A 生理用品を持ち運ぶと荷物が増える、B 生理がきていることがわかるポーチを持ち歩くことに対する羞恥心がある、C 経血で汚れる、といった問題がある。

いかに問題を解決しているか:いつもタオル生地のストラップに生理用品を入れておくことで、急な生理にも対応でき、経血の汚れもタオルで拭くことができる。また、生理用品を持ち運ぶことに対する羞恥心が薄れ、余計な荷物を減らすことができる。


③『流せるナプキン』

Kiyama 流せるナプキン.jpg


経血で汚れる部分をトイレに流すことのできる素材を用いて作った生理用ナプキン。

焦点を当てた問題:訪問先の家庭においてナプキンを交換する際には、使用済みナプキンを自宅へ持ち帰らなければならない。また、自宅に帰るまで使用済みナプキン持ち歩く必要があるため、訪問先の家主や他の人に対して引け目を感じながら過ごすことになる。

いかに問題を解決しているか:経血で汚れる部分をトイレに流せるため、自宅へ持ち帰る必要がなくなる。また、生理中に他人の家に宿泊等をする際の申し訳ないという心理的不安を軽減することができる。