「ひらがなの独創性と造形に関する研究」の版間の差分
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− | + | 児玉幸多(2020)『くずし字用例辞典』東京堂出版.<br> | |
+ | 山口仲美(2006)『日本語の歴史』岩波書店.<br> | ||
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+ | 今田欣一「和文書体の歴史を紡ぐ」アイデア編集部『文字とタイポグラフィの地平』pp.57-72 | ||
+ | 大野晋(1994)『日本語の起源』岩波書店.<br> | ||
+ | 中田勇次郎(1967)『別巻 書』(日本の美術全29巻) 平凡社.<br> | ||
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2021年11月10日 (水) 12:17時点における最新版
- Japanese Identity Move -
- 村田ショーン拓也 / 大分県立芸術文化短期大学 美術科造形専攻
Keywords: Visual Design,Typography,Japanese culture,Hiragana
背景と目的
「平仮名」は現代に活きる実用性と曲線が生み出す芸術性を兼ね備えた独創的な造形を持つ日本固有の文字である。本研究では平仮名のルーツや造形の共通点を基に文字の成り立ちを可視化することで、視覚伝達デザインの面から平仮名の造形の独創性について研究を行った。
研究手段 - 平仮名の成り立ちの可視化
平仮名の造形における独創性の根源には文字の成り立ちが大きく関係している。
そこで、現在一般に使用されている46音の平仮名の成り立ちを可視化し、造形の特徴を視覚的に明確に表現することで文字に宿る個性を浮き彫りにする。一例として実際に制作した「あ」の造形をもとに成り立ちの可視化について簡潔に解説を行う。
手順① - 成り立ちの骨格を制作
⑴「あ」のもととなった「安」を「ウ冠」と「女」に分解。( ⑴分解の工程は造形比較の段階で活きてくる)
⑵連綿体や書に関する文献を参考に「ウ冠」と「女」を崩す。
⑶崩した造形をつなぎ合わせて「芯」が完成となる。
⑷緩急と筆運、連綿を意識しながら線に強弱をつけて造形を構築する。(図1-3を参照)
手順② - 造形比較
「め」「ぬ」「あ」の文字の場合、3つの平仮名は『基となった漢字に「女」の字が入っている』という共通点があり、成り立ちを可視化する際、それらの特徴を造形に反映させ、部分的に崩し方を共通させている。(図4を参照)
<手順② 造形比較>を繰り返し行いながらブラッシュアップを重ね、造形を洗練させる。
研究結果と展開
造形の比較を行いつつ、成果として「成り立ちを可視化した平仮名(46音)」を制作した。
この「成り立ちを可視化した平仮名(46音)」をベースに発表・展示に際して、平仮名の造形の独創性を伝えられる手段・媒体として、日本語成立の歴史や再構築した造形の解説をまとめた「冊子」、柔和で動きの変化に富む平仮名のストロークを直感的に味わうための「映像作品」と「ポスター」の制作を今後進めていきたいと考えている。(図6を参照)
参考文献
児玉幸多(2020)『くずし字用例辞典』東京堂出版.
山口仲美(2006)『日本語の歴史』岩波書店.
古谷稔(1995)『かなの鑑賞基礎知識』至文堂.
今田欣一「和文書体の歴史を紡ぐ」アイデア編集部『文字とタイポグラフィの地平』pp.57-72
大野晋(1994)『日本語の起源』岩波書店.
中田勇次郎(1967)『別巻 書』(日本の美術全29巻) 平凡社.
竹田悦堂(1992)『かな連綿字典』(第六巻 針切系)雄山閣出版.