「福祉におけるソーシャルインクルージョンのデザイン」の版間の差分

提供: JSSD5th2021
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さらに分析を進める事で、新たな福祉へのアプローチの手段を抽出し伝播への貢献を行いたいと思う。
 
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2021年10月20日 (水) 23:45時点における版

-「個人に着目した包摂型福祉へのアプローチ」 -


久保穂果 / 福岡県立博多青松高等学校 
尾方義人 / 九州大学 芸術工学研究院 


Keywords: Social Inclusion , Welfare, Big Five  


報告

専門家などによる多様性やソーシャルインクルージョンへの意識が徐々に高まっているが、現在 社会において福祉の対象者とみなされる人への意識や認識には差別化や区別化を図ることが重んじられている傾向があり、考え方や概念の浸透・伝播の面での課題を感じる。

本研究では社会全体へソーシャルインクルージョンのアプローチをする手段を抽出する事を目的とし研究を進めている。 個人を通して、社会を見つめる事で多様な価値観を見出すことができる。また、個人をグループ化する事で「価値観の結束」=「社会のバイアス」を調査できるかと考えた。

そこで、個人の性格特性を調べるために心理学の分野で利用されているビッグファイブを簡素化した、ショートビッグファイブと福祉においての認識のアンケート調査を行った。

アンケート調査は、福祉に関するアンケートとショートビッグファイブで計20問の質問を行い、192件の有効回答を得ることができた。

アンケートの趣旨と結果を紹介する。

Q.「福祉と聞いて思い浮かぶ言葉で近いものを選んでください。複数選択可」では、 (趣旨)合理的配慮の語源である reasonable accommodation のそれぞれの単語の意味から熟語を8つ作成した。 添付している図のように、合理的配慮の趣旨を伝播する言葉として、「理解力」や「適応」及び類義語を用いるとよい事が分かった。

また、性格特性(外向性)とQ.「あなたが感じる苦手・不得意なものに抱くイメージとして、近いものを選択してください。」では、添付している図のように、「克服」を選択する人は、若干だが外向性が低く、「逃避」を選択する人は、外向性が高い事が分かる。 この結果から、障害に対して克服を強要するのではなく、性格特性に応した支援方法でアプローチをすることで個人を尊重できるのではないかと感じた。

属性(年齢)とQ.「社会生活を行っていく上で、支援される側と支援する側に分けて関わる必要性をどのくらいの割合で感じますか。数字スケールで8段階の選択形式」では、10歳代は、「分けるべきではない」に近い「3」の割合が多かったことから、年代によってインクルーシブ社会への意識が異なる事が分かった。

さらに分析を進める事で、新たな福祉へのアプローチの手段を抽出し伝播への貢献を行いたいと思う。

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