「既存の電気ケトル評価の因子分析に基づくデザイン開発」の版間の差分

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; ◯◯◯◯ / ◯◯大学 ◯◯学部 ← 氏名 / 所属(筆頭者)
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; 川崎大雅 / 九州大学 芸術工学部
; ◯◯◯◯ / ◯◯大学 ◯◯学部 ← 氏名 / 所属(共同研究者)
 
  
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''Keywords: Product Design, マーケティング, デザインビジネス, 評価グリッド法, 因子分析, クラスター分析 ''
  
  
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[[File:HanakoKyusanFig01.jpg|thumb|right|200px|図1.◯◯◯◯]]
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電気ケトルは、1人暮らしにあると便利であり大学生にも人気の高い家電製品である。
 
電気ケトルは、1人暮らしにあると便利であり大学生にも人気の高い家電製品である。
 
安全に速くお湯を沸かすという機能を果たす機構は長年変化がなく、現在の市場の電気ケトルは、筒や取手、注ぎ口などのデザインが与える印象によって差別化されている。
 
安全に速くお湯を沸かすという機能を果たす機構は長年変化がなく、現在の市場の電気ケトルは、筒や取手、注ぎ口などのデザインが与える印象によって差別化されている。
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==外部リンク==
 
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2021年10月15日 (金) 16:04時点における版

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川崎大雅 / 九州大学 芸術工学部

Keywords: Product Design, マーケティング, デザインビジネス, 評価グリッド法, 因子分析, クラスター分析


概要

電気ケトルは、1人暮らしにあると便利であり大学生にも人気の高い家電製品である。 安全に速くお湯を沸かすという機能を果たす機構は長年変化がなく、現在の市場の電気ケトルは、筒や取手、注ぎ口などのデザインが与える印象によって差別化されている。 私は、デザインビジネスやマーケティング戦略において使われる三つの手法①②③を用いることで、分析結果に基づいた新しい電気ケトルのデザインの創出を目指した。

初めに、①評価グリッド法を用いて大学生6名に好ましい電気ケトルの要素を抽出した。
※①評価グリット法とは、生活者が持つ評価構造を明らかにし、視覚的に階層構造として表現する手法である。
16個の既製品の画像をカードで掲示し、好ましいかそうでないかについて判別してもらい、同時になぜそう思うかの理由を聞き出し、評価用語としてまとめた。これらを階層として整理した。(例:好ましい電気ケトル>かわいい>丸い>つるっとしている ※下の階層に行くほど評価項目が多くなる)次に、6名分の結果を全体の結果としてまとめ、結果から好ましい電気ケトルの評価用語を13個に抽出した。(例:ナチュラルな、カジュアルな、無骨な、など)

次に、30個の既製品サンプルを用意し、それらに対する13個の評価用語項目ごとの評価について、Google formを利用して大学生11名にアンケート調査を行った。調査結果について②因子分析を行い因子数の整理、厳選を行った。
※②因子分析とは、多変量データに潜む共通因子を探り出すための手法として、消費者を理解するために使われる多変量解析手法である。
整列作業を行い、12個の評価用語項目を4グループに分け、ファッション性因子、キャラクター性因子、シンプル造形因子、手軽さ因子と命名した。現行市場の電気ケトルは、これら4つの組み合わせ(各因子得点の正負・大小の違い)でカテゴリ分けできる。

最後に、因子分析で用いた既製品サンプルについて③クラスター分析を行い、5つのグループに分け、4因子の組み合わせを確認した。
※③クラスター分析とは、異なる性質のものが混ざり合っている集合体の中から、互いに類似した性質のものを集めて集団(クラスター)を作り、対象を分類する分析手法である。
4因子が現行市場にないような構成となる属性となる電気ケトルを考案することで新しいデザインの創出を図った。 私は、手軽さ因子以外の3つの因子を重視しつつキャラクター性因子に特化したデザイン、つまり新しい個性要素を取り込むことで新しいデザインの創出を図った。

私が考案した個性要素は「浮遊感」である。ほぼすべての電気ケトルは安定的な形をしているが、使用せず机上に置いているときも浮いている印象を創出できれば、使われていないときも水を注ぐようなイメージを創出できると思ったからである。 浮遊感の創出においては、底面に空間ができるような形状とし、踏ん張り感や重量感ができない形を目指した。3Dプリントでモックアップを制作し、友人などからフィードバックを得た。フィードバックを基に方向性を広げたのち再検討し、一つに絞った。厚紙による簡易モックを作り、取手の握りやすさの検証やシルエットの細かい調整を行った。製品となる際の安定性の考慮を行いつつ、注ぎ口の再構成を行った。

今回、3つの手法を用いることで好ましい電気ケトルの要素についてシステマティックに分析することができた。デザインの発想となるヒントが定まることで、好ましさを求めて比較的真っ直ぐにデザインプロセスを進めることができた(今回は「個性」要素を特に重視することとなり結局デザイナー(私)の気づきや感性による部分で造形を決定したところもあったが)。 他のプロダクトを企画する際も、このようなプロセスを用いることで説得力を持つデザインを創出していきたい。




外部リンク