「ゲームの構造に着目したプレイヤーの意思決定と戦略性に関する研究」の版間の差分

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(理想的なプレイヤーの意思決定)
(理想的なプレイヤーの意思決定)
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===理想的なプレイヤーの意思決定===
 
===理想的なプレイヤーの意思決定===
 プレイヤーの思考プロセスについて考えるため、ルールの定める範囲で理論上知りうるすべての事象を把握したうえで利得(勝利)に向けて必ず最適な選択を行うプレイヤーをそのゲームの理想的なプレイヤーと呼ぶことにする。一例として私たちが○×ゲームの全ての分岐を知っており勝利に向けて正しい選択をするとき、○×ゲームの理想的なプレイヤーであると言える。しかしほとんどのゲームで理想的なプレイヤーというのは存在しないと言ってもよいだろう。ゲーム研究において頻繁に取り上げられる基本的な2人零和有限確定完全情報ゲームである将棋は、理想的なプレイヤーにとっては〇×ゲームと同様に先の盤面を読み続けるゲームであり、必勝手順に従うことが本質となる。そこに不確定要素が加わったものとしてバックギャモンがあるが、バックギャモンにおいても理想的なプレイヤーは確率的に最も勝率が高い選択肢を選び続けることになり、必ず想定通りの勝敗になるわけではないという点を除くと実質的には確定ゲームと大きく変化することはない。このことは、理想的なプレイヤーならば完全情報ゲームは最適な戦略がルールの中に収まっていると言い換えることができる。しかし不完全情報ゲームになると大きな差異が生じる。こうしたゲームとしてはポーカーがあるが、相手の手札や戦略を読む必要がある。相手の戦略が自分と同じだと仮定した場合にはナッシュ均衡と呼ばれる状態に落ち着くが、真の相手の戦略が仮定と異なる場合にはそれが最適な戦略であるとは限らない。実際は相手の戦術に合わせた搾取プレイが有効であるが、ルールの定める範囲外である相手の持つ戦術を正しく見積もるということは理想的なプレイヤーの可能な範疇を超えている。そこで相手の戦術も含め、ルール上絶対に知り得ない情報以外の全てを知っている全知全能のプレイヤーを仮定すると、そこではじめて理想的なプレイヤーの完全情報ゲームと同様に扱うことができるようになる。このように定めた条件の下で完璧なプレイヤーを想定することでゲームのルールの構造とプレイヤーの意思決定の関係を見ることができる。
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 プレイヤーの思考プロセスについて考えるため、ルールの定める範囲で理論上知りうるすべての事象を把握したうえで利得(勝利)に向けて必ず最適な選択を行うプレイヤーをそのゲームの理想的なプレイヤーと呼ぶことにする。一例として私たちが○×ゲームの全ての分岐を知っており勝利に向けて正しい選択をするとき、○×ゲームの理想的なプレイヤーであると言える。しかしほとんどのゲームで理想的なプレイヤーというのは存在しないと言ってもよいだろう。ゲーム研究において頻繁に取り上げられる2人零和有限確定完全情報ゲームである将棋は、理想的なプレイヤーにとっては〇×ゲームと同様に先の盤面を読み続けるゲームであり、必勝手順に従うことが本質となる。そこに不確定要素が加わったものとしてバックギャモンがあるが、バックギャモンにおいても理想的なプレイヤーは確率的に最も勝率が高い選択肢を選び続けることになり、必ず想定通りの勝敗になるわけではないという点を除くと実質的には確定ゲームと大きく変化することはない。このことは、理想的なプレイヤーならば完全情報ゲームは最適な戦略がルールの中に収まっていると言い換えることができる。しかし不完全情報ゲームになると大きな差異が生じる。こうしたゲームとしてはポーカーがあるが、相手の手札や戦略を読む必要がある。相手の戦略が自分と同じだと仮定した場合にはナッシュ均衡と呼ばれる状態に落ち着くが、真の相手の戦略が仮定と異なる場合にはそれが最適な戦略であるとは限らない。実際は相手の戦術に合わせた搾取プレイが有効であるが、ルールの定める範囲外である相手の持つ戦術を正しく見積もるということは理想的なプレイヤーの可能な範疇を超えている。そこで相手の戦術も含め、ルール上絶対に知り得ない情報以外の全てを知っている全知全能のプレイヤーを仮定すると、そこではじめて理想的なプレイヤーの完全情報ゲームと同様に扱うことができるようになる。このように定めた条件の下で完璧なプレイヤーを想定することでゲームのルールの構造とプレイヤーの意思決定の関係を見ることができる。
  
 
==一般的なプレイヤーと戦略性==
 
==一般的なプレイヤーと戦略性==

2021年10月18日 (月) 09:15時点における版



古瀬亮太 / 九州大学芸術工学府デザインストラテジー専攻
FURUSE Ryota/ Kyushu University


Keywords: Desicion Theory, Game Informatics, Game Theory


Abstract
For games as play, we will analyze the structure of the game by combining the two perspectives of "player decision-making" and "game rules". In particular, by focusing on the player's skill and the structure of the rules, this research will clarify how the structure of the game rules affects the player's decision-making and how the players' skill affects the strategic ability of the game.



研究の背景と目的

 普段私たちがゲームを遊ぶとき、ルールの中で定められた選択肢の中からどの行動を選択するのかについて考えて決定するというプロセスを踏んでいる。たとえばトランプゲームであれば「手札の中からどのカードを選ぶべきか」であったり、戦闘ゲームであれば「どういう立ち回りをするべきか」であったりといった具合である。そこで本研究では、プレイヤーが何を基準にして行動を選んでいるのかという部分に着目して、ゲームの分析をしようとしている。具体的には、ボードゲームやビデオゲームといったゲームについて、「プレイヤーの意思決定」、「ゲームのルール」という2つの視点を組み合わせながら分析していく。特に、プレイヤーの技量とルールの構造に着目することで、ゲームのルールが有する構造がプレイヤーの意思決定にどのような影響を与えているか、プレイヤーの技量によってゲームの戦略性がどのように変化していくかといった点について明らかにすることを目的としている。


研究の手法

 本研究では大きく以下の4つのプロセスで研究を行う。

1.文献調査
2.ゲームの定義およびプレイヤーにとって合理的な選択とは何かの定義
3.ゲームのルール構造に関する考察
4.ゲームプレイヤーの技術に関わる戦略性の考察

 1章では意思決定理論とゲーム情報学的立場からみたゲーム及びゲームプレイヤーについて調査を行い、次章以降の土台とする。2章では1章をもとにゲームおよび研究対象となるプレイヤー像の定義を行い、具体例を交えつつプレイヤーの思考に関して可能な限り一般化を行う。3章では理論上可能な最も理想的な選択をするプレイヤーを仮定し、ゲームのルール構造がその理想的プレイヤーの思考プロセスにどのような違いをもたらすかについて考察する。続く4章ではより人間的なプレイヤーに関して、ミスや技術不足といった観点も含めた考察を行う。


意思決定理論

 竹村(1996)によると、意思決定とは、「一群の選択肢の中からある選択肢を採択すること、すなわち行為の選択である」と定義されている[1]。例えば我々が日常生活の中で、朝家を出るときに今日着て行く服を決定したり、夕食のためどの食材を購入するか決定したりするのは意思決定であると言える。意思決定理論では、この意思決定に関して集合の概念を用いて表現する。すなわち意思決定者の選択肢の集合をA、選択によって引き起こされる結果の集合をX、結果に関わるような状態の集合をΘとすると、結果Xは集合Aと集合Θの直積A×Θからの写像fで表すことができる。さらに結果の集合Xについて、行為者にとってどの結果がより好ましいかという選好構造(X,R)を含めることで意思決定問題を表現することができ、これらをまとめた集合として(A,Θ,X,f,(X,R))と記述される。本研究で扱うようなゲームでは、Aは合法手全体の集合、Θは盤面やその他の情報の集合、Xは手を選択した結果の集合、fはルールによって定められた処理、(X,R)は各結果に対するプレイヤーの局面評価と言い換えて考えることができる。


ゲームの定義と合理的選択

 カイヨワによる遊びの定義[2]が用いられることもあるが、本研究においてはゲームの情報学的定義[3]に則り、それに4つ目の条件を加えた次のようにゲームを定義する。

・プレイヤーが存在する。
・ルールが存在し、プレイヤーの存在やプレイヤーの行動の選択肢を規定する。
・ルールによって目標が定められておりプレイヤーはそれを目指す。
・ルールが適用される内部と外部が存在する。

これにより本研究が扱う対象としてのゲームを明確にすることができる。具体的には、将棋のようなボードゲームからバスケットボールのようなスポーツ、さらにはFPSといったビデオゲームもこの定義に含まれている。

 また伊藤ら(2018)によると、戦略型ゲームにおいて「合理的なプレーヤとは、できるかぎり自身の利得を大きくするように意思決定を行うプレーヤのことである」と述べられている。ここで、自身の利得を大きくするように行動するというのは一見当然に思えるが、ゲームにおいてそれが成り立たない場面というのも存在する。例えば、小さな子供と一緒にゲームをしている際、その子供に楽しんでもらおうとわざと負けてあげたり、手加減をしてあげたりするというのはゲーム内で定められた利得である勝利を目指した行為ではない。このように自身の利得を目指していない状況というものは存在しており、それが実生活という観点において必ずしも非合理的という訳ではないが、本研究を進めるうえでプレイヤーの目的はしっかりと定めておく必要があるという理由から、特に断らない限りプレイヤーは勝利もしくは最大の利得を得るためプレイするものとし、それを実現するための行動選択は合理的選択であるとする。

ゲームのルール構造

ゲームの分類

 ゲーム情報学(ゲーム研究)の分野でゲームはそのルールの持つ特性によって分類される。その中でも特に以下の分類が用いられることが多い。

プレイヤーの数
 ソリティアや数独パズルは1人ゲーム、囲碁や将棋は2人ゲーム、ババ抜きのように3人以上のゲームは多人数ゲームと呼ばれる。

零和性
 プレイヤーの利得の総和が常にゼロになっているゲームを零和ゲームという。
 麻雀は点棒の総和が常に一定であるため零和ゲームであり、ゲーム理論で扱われる囚人のジレンマなどは非零和ゲームである。

確定性
 将棋や〇×ゲームのように偶然の関与しないゲームを確定ゲームといい、すごろくやポーカーといった偶然の要素が含まれるゲームを不確定ゲームと呼ぶ。

完全情報性
 すべての手番において自分と相手のすべての行動や状態を知ることができるゲームを完全情報ゲームと呼び、囲碁や将棋などが含まれる。
 それに対し麻雀や多くのカードゲームなど、ルール上知り得ない情報が存在するものを不完全情報ゲームと呼ぶ。

有限性
 有限回で終了することが保証されているゲームを有限ゲームという。囲碁や麻雀などほとんどのゲームは有限ゲームである。


理想的なプレイヤーの意思決定

 プレイヤーの思考プロセスについて考えるため、ルールの定める範囲で理論上知りうるすべての事象を把握したうえで利得(勝利)に向けて必ず最適な選択を行うプレイヤーをそのゲームの理想的なプレイヤーと呼ぶことにする。一例として私たちが○×ゲームの全ての分岐を知っており勝利に向けて正しい選択をするとき、○×ゲームの理想的なプレイヤーであると言える。しかしほとんどのゲームで理想的なプレイヤーというのは存在しないと言ってもよいだろう。ゲーム研究において頻繁に取り上げられる2人零和有限確定完全情報ゲームである将棋は、理想的なプレイヤーにとっては〇×ゲームと同様に先の盤面を読み続けるゲームであり、必勝手順に従うことが本質となる。そこに不確定要素が加わったものとしてバックギャモンがあるが、バックギャモンにおいても理想的なプレイヤーは確率的に最も勝率が高い選択肢を選び続けることになり、必ず想定通りの勝敗になるわけではないという点を除くと実質的には確定ゲームと大きく変化することはない。このことは、理想的なプレイヤーならば完全情報ゲームは最適な戦略がルールの中に収まっていると言い換えることができる。しかし不完全情報ゲームになると大きな差異が生じる。こうしたゲームとしてはポーカーがあるが、相手の手札や戦略を読む必要がある。相手の戦略が自分と同じだと仮定した場合にはナッシュ均衡と呼ばれる状態に落ち着くが、真の相手の戦略が仮定と異なる場合にはそれが最適な戦略であるとは限らない。実際は相手の戦術に合わせた搾取プレイが有効であるが、ルールの定める範囲外である相手の持つ戦術を正しく見積もるということは理想的なプレイヤーの可能な範疇を超えている。そこで相手の戦術も含め、ルール上絶対に知り得ない情報以外の全てを知っている全知全能のプレイヤーを仮定すると、そこではじめて理想的なプレイヤーの完全情報ゲームと同様に扱うことができるようになる。このように定めた条件の下で完璧なプレイヤーを想定することでゲームのルールの構造とプレイヤーの意思決定の関係を見ることができる。

一般的なプレイヤーと戦略性

 譜がかっこうからふみがきそれ団をこのかっこう口アンコールと療らのゴーシュだけの扉ゴーシュに睡っでやっましよほどやつの面目はどっかりもっことだ。こども巨さん。さんにはきかことですてな。扉というのをぜひ答え来いた。行くはなおるはゴーシュにおいてのでとても出ますんまし。ただどうぞまるで弓の嵐と見ますはな。やつかもぼくまでしましゴーシュの外国に落ちついておまえの療ではじいが来ようじことた、たっなあ、そう泣いから来なてな。

 顔しこんな手ドアどもでわたし二人のままがわくからはせようたんたは、ぼくをはなるべく生意気だてぞ。すると前は作曲はみんなじゃ、なって万日にもいかにもホールを過ぎているきき。


今後の展望

 何はおねがいをぶっつかって、するとロマチックシューマンに過ぎてひまをなるとこれかをとりてしまいとすましませた。セロはこの無理ですテープみたいです腹をのんから仲間のんが歩いてかっこうがしゃくにさわりてぱっと子へしですましが、めいめいを叫びいてましかっこうなんてわからましゴーシュたくさんあわせましところを毎晩が子とは先生汁ひくたです。

 その先生恐いわくは何かセロたらべ広くんがなっ猫人をつけるといたた。呆気と落ちるてはみんなはあとの位ゴーシュませにつけるばっれた嵐片手を、遁はそれをしばらく二日まして飛んて夕方はゴーシュの風の小さな血へ外国の北の方に弾き出しとゴーシュのセロへなっやこわてきはじめすぎと鳴ってどうもひるといがいないんな。晩をなかが叫んてたまえでふんて一生けん命のまるく頭が熟しますない。なんも何までた。


脚注

  1. 九大花子公式サイト, blog.html, 2019年7月20日閲覧
  2. 九大花子公式サイト, blog.html, 2019年7月20日閲覧
  3. 九大花子公式サイト, blog.html, 2019年7月20日閲覧


参考文献・参考サイト

  • ◯◯◯◯◯(20XX) ◯◯◯◯ ◯◯学会誌 Vol.◯◯
  • ◯◯◯◯◯(19xx) ◯◯◯◯ ◯◯図書
  • ◯◯◯◯◯(1955) ◯◯◯◯ ◯◯書院