「子供へ科学を伝えるためのサイエンスコミュニケーションとデザインアプローチに関する研究」の版間の差分
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+ | (1)良食味水稲品種における少数パネル・多試料による米飯の食味評価. 日本作物学会紀事 Vol. 72 No.1 38~42 (2003). 松江勇次, 佐藤大和, 尾形武文. | ||
+ | (2)記述型の官能評価/製品開発におけるQDA法の活用. 化学と生物 Vol.50 No.11 818~824. 今村美穂. | ||
+ | (3)飯の官能評価の時系列変化. 日本家政学会誌 Vol. 68 No. 9 478~485(2017). 島村綾, 小泉昌子, 峯木眞知子, 市原茂. | ||
+ | || (1)固定した同一少数パネル、多数試料による食味官能試験精度について、 総合評価についての評価は各パネル構成員による差はあるものの、パネル構成員全体による品種間差の評価に一定の傾向がある。このような試験方法を用いて食味官能試験を行っても大きな支障はないと判断された。 | ||
+ | また、識別能力の高いパネル構成員は、 全体の嗜好性との一致性も高い傾向にある。 | ||
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+ | (2)官能評価 とは人の五感に頼って物の特性や人の感覚そのものを測定する方法であり、特に物の好き嫌いやどんな人に好ま れるかなど、人の主観的な価値に基づく評価を「嗜好型」、これを除くサンプルの客観的な評価を目的とするものを「分析型」と呼ぶ。 | ||
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+ | ! 鹿野先生の研究内容!! | ||
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+ | |1、垂直断崖における動物類の生物多様性、適応進化、生態学的機能に関する研究 | ||
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+ | ⑴西表島の希少淡水魚『キバラヨシノボリ』の滝による平行進化について解明 | ||
+ | ⑵Waterfalls drive parallel evolution in a freshwater goby. Article in Ecology and Evolution · August 2012. 鹿野 雄一 | ||
+ | || 西表島に生息するハゼ科の淡水魚「キバラヨシノボリ」は、クロヨシノボリから各滝上でそれぞれ独立に進化した。 | ||
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+ | 滝は河川生態系において重要な生態学的・進化学的役割を担っており、種分化につながる可能性もあると考えられる。 | ||
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+ | ③水槽と無色透明な板による挟み込み撮影法 | ||
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2021年10月18日 (月) 10:34時点における版
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注)
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- ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ / ◯◯◯◯◯◯ University ← 氏名 / 所属 の英語表記(共同研究者)
Keywords: Product Design, Visual Design ← キーワード(斜体)
- Abstract
- Lorem Ipsum is simply dummy text of the printing and typesetting industry. Lorem Ipsum has been the industry's standard dummy text ever since the 1500s, when an unknown printer took a galley of type and scrambled it to make a type specimen book. It has survived not only five centuries, but also the leap into electronic typesetting, remaining essentially unchanged.
背景と目的
2017年に開館した福岡市科学館では、サイエンスコミュニケーションとデザインの融合である「サイエンス&クリエイティブ」を館のテーマとし運営を行なっている。 昨年度スタートした福岡市科学館と一般社団法人九州オープンユニバーシティと合同の教育プログラム「ダーウィンコース」では、科学の知識と楽しさを子供たちに教え、科学への道案内をするプログラムとして実施されている。 しかし、サイエンスコミュニケーションへのデザインの関わりは、先行研究が数少ないのが現状である。 本研究では、教育プログラム「ダーウィンコース」を中心に、コミュニケーションデザインの視点から、子供たちに科学を伝える科学館の教育プログラムの現状の課題を調査し、デザインが担うことができる役割について考察する。考察をもとに、サイエンスコミュニケーションにおける重要な要件を抽出し、今後の教育プログラムに活かせるガイドラインを作成することを目的とする。
研究対象
本研究は、全国で初めてデザインを意識した「サイエンス&クリエイティブ」を館のテーマとする福岡市科学館を対象として研究を進める。 教育プログラム「ダーウィンコース」では、九州オープンユニバーティに所属する科学者の先生たちから生徒(小学生高学年)に科学を教えるコースで、全部で5回の講座と探Qゼミを行う。 昨年の10月から「疑問を持つ力を育つ」を趣旨としたダーウィンコース初級編がスタートした。今年の5月23日から、ダーウィンコース中級編(実践編)の講座が開講した。中級編では、実際に研究者が行なっている研究を体験させることで、子供たちに統計・解析などの初歩的技術を学ばせることを目的としている。
研究の方法
本研究は科学者側が実現したい教育、生徒側の受け入れ程度、デザイン研究者側が用いたデザイン手法の三つの方面から調査を行う。 まず、文献調査を通して、サイエンスコミュニケーションの定義を明らかにする。 また、文献調査とフィールド調査を通して、以下の点を明らかにする。 ①. 科学者たちは科学コンテンツから何を教える内容として抽出するか? ②. 教える内容をどのように子供たちに伝えるか? ③. 伝えるためにどんなデザインのアプローチを用いたか? ④. どういう効果を得たか?
文献調査の結果
1、 サイエンスコミュニケーションの定義
サイエンスコミュニケーションとは、科学的な知識や考え方を、社会において伝え、受け取るコミュニケーションである。もっとも一般的な形では、科学館や研究機関の専門家(科学コミュニケーターや研究者自身)が、一般市民と双方向性の高い対話をすることである。
2、 「ダーウィンコース2」に参加する科学者たちの研究内容
比良松先生の研究内容 | |
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1、味の嗜好性
「鰹だし」風味の食餌の初期経験が後の嗜好性に及ぼす影響 .2002年6月24日 .川崎寛也、山田章津子、伏木亨 |
経験と嗜好性の関係——幼少期(特に離乳期前 )に鰹だし食の初期経験はその後の嗜好性を影響する。(マウスを対象とする) |
2、味の共感覚的表現
(1)化粧水の香りの共感覚的表現——触覚語の役割. 日本官能評価学会誌 Vol.4 No.1 pp.45-51 (2000).桜井広幸 (2)オノマトペをもちいた共感覚的表現の意味理解構造. 認知心理学研究 Vol.8 No.2 pp.119-129(2011).矢口幸康 |
(1)香りを表現する際、特に触覚と嗅覚は強く結びついており、また、他の感覚間との関連性においても触覚語が重要な役割を果たしている。
(2)オノマトペの共感覚的表現: ①近感覚(触覚・味覚)から遠感覚(嗅覚・視覚)への方向性に従うものである。 ②遠感覚から近感覚を修飾した表現の理解可能性は低い傾向である。 ③聴覚は視覚に属するオノマトペでの修飾可能である。 |
3、味の官能評価
(1)良食味水稲品種における少数パネル・多試料による米飯の食味評価. 日本作物学会紀事 Vol. 72 No.1 38~42 (2003). 松江勇次, 佐藤大和, 尾形武文. (2)記述型の官能評価/製品開発におけるQDA法の活用. 化学と生物 Vol.50 No.11 818~824. 今村美穂. (3)飯の官能評価の時系列変化. 日本家政学会誌 Vol. 68 No. 9 478~485(2017). 島村綾, 小泉昌子, 峯木眞知子, 市原茂. |
(1)固定した同一少数パネル、多数試料による食味官能試験精度について、 総合評価についての評価は各パネル構成員による差はあるものの、パネル構成員全体による品種間差の評価に一定の傾向がある。このような試験方法を用いて食味官能試験を行っても大きな支障はないと判断された。
また、識別能力の高いパネル構成員は、 全体の嗜好性との一致性も高い傾向にある。 (2)官能評価 とは人の五感に頼って物の特性や人の感覚そのものを測定する方法であり、特に物の好き嫌いやどんな人に好ま れるかなど、人の主観的な価値に基づく評価を「嗜好型」、これを除くサンプルの客観的な評価を目的とするものを「分析型」と呼ぶ。 「分析型」の中でパネリスト(官能評価を行う人)自身にサンプルから感じられる 香りや味などの特徴をすべて記述させ、それらについて強度評価を行う方法を「記述型」という。 QDA法はパネルの高い専門性を追及する記述分析法であり、今海外を中心に汎用されている。 (3)感覚の時間的変化を測定する手法のひとつである TDS 法と試料を食した後の全体的な評価 をする手法の一つである CATA 法 を用いた飯の官能特性への評価と飯の物理的特性および組織観察を行った研究。 |
鹿野先生の研究内容 | |
1、垂直断崖における動物類の生物多様性、適応進化、生態学的機能に関する研究
⑴西表島の希少淡水魚『キバラヨシノボリ』の滝による平行進化について解明 ⑵Waterfalls drive parallel evolution in a freshwater goby. Article in Ecology and Evolution · August 2012. 鹿野 雄一 |
西表島に生息するハゼ科の淡水魚「キバラヨシノボリ」は、クロヨシノボリから各滝上でそれぞれ独立に進化した。
滝は河川生態系において重要な生態学的・進化学的役割を担っており、種分化につながる可能性もあると考えられる。 |
2、小 – 中型淡水魚における非殺傷的かつ簡易な魚体撮影法. 魚類学雑誌 61(2): 123–125 2014 年 11 月 5 日発行 | ①掌上での撮影法
②水を張った容器上での撮影法 ③水槽と無色透明な板による挟み込み撮影法 |
フィールド調査の結果
1、 科学者たちへのアンケート結果
「ダーウィンコース2」の講座を担当する科学者たち(5人)には、「伝えたい内容」「伝え方」「目標の達成度」「残された課題」についてアンケートに行う。現段階では2人の先生(食の回の比良松先生と川の回の鹿野先生)にアンケートをした。
① 子供たちに伝えたい内容
食の回(比良松先生): たくさんの人と感じた味を共有するのにふさわしい味の言葉、そしてその言葉の多様性を子供達に伝えたい。子供たちに食べ物の味を評価・分類することを体験させたい。また、商品開発の現場で実際に利用されている官能評価法を子供たち紹介したい。
川の回(鹿野先生): 「平行進化」、「種の分類と生物多様性」、「環境の影響」などの知識、「生き物の捕らえ方」「捕獲した生き物の標本の製作と撮影」「生き物の同定」などのスキルを子供に伝えたい。また、野生生物のリアリティおよびそれに触れる楽しさを伝えたい。
② 伝え方とその達成度
食の回(比良松先生):概ね達成できたと思われる。 「食べものの味を評価・分類することには意義や面白さがある」と「主成分分析・クラスター分析の紹介」の項目には、「興味関心を持たせる工夫が必要」「科学館スタッフとより綿密な事前情報共有が必要」「時間が限られる」などの原因で、思うようにいかなかったと感じられる。 それ以外の項目はうまく達成したと思われる。
川の回(鹿野先生):70%達成できた。 知識の伝え状況について、「環境の影響」「同定の重要性」などはちゃんと伝えたが、「平行進化」「種の分類」は「時間が足りない」「話が少し難しい」の原因でうまく伝えなかった。 フールドワークには、「野生生物を触る楽しさ」はうまく子供たちに伝えたが、「魚体の写真撮影」や「同定の方法」などの実際の操作は「子供たちにとって意外に難しい」、「研究者でも同定するには難しいような個体がある」などの原因で、うまくいかなかったと思われる。 ③ 残された課題 食の回と川の回を振り返す、一番の課題は「時間が短いから、子供たちの理解を深めるためにより万全な準備が必要」と思われる。 また、食の回に関して、比良松先生は「官能評価に関する最新の科学的成果や新発見を伝える努力が必要」「チームワーク的な努力が必要」という意見を出した。
2、 生徒たちへのアンケート結果
「ダーウィンコース2」に参加する生徒たち(11人)に、「知識とスキルの習得」「日常生活の応用」「科学への興味関心」「宿題のフィードバック」についてアンケートを行った。全部で5回の講座と探Qゼミについてアンケートを取る予定だが、現段階は3回分のアンケートを取った(タンポポの回、食の回と川の回)
① 「知識とスキルの習得」:まず、講座と探Qゼミを通しての全体的な学習の成果に関して、生徒からは積極的な回答が多かった。そして具体的な細かい項目の把握状況について、生徒の学習の達成度は科学者たちが感じた「伝えたい内容の達成度」と一致している部分が多かった。
② 「日常生活の応用」:講座と探Qゼミで学んだ知識を生活中に活用する意欲と実際の行動について生徒たちに質問したが、その結果は回によって異なる。 食の回では、「身についた能力やスキルをダーウィンコース以外で実践した」という回答が半分以上となった。その一方、タンポポの回と川の回で、「実践した」という回答は半分以下だった。
③ 「科学への興味関心」:「興味が広がりましたか」の72.8%以上の生徒が「興味が広かった」と回答した。その中、タンポポの回を通して、子供たちは「タンポポの種類と特徴」「タンポポの生息場所と生態」「タンポポを観察すること」などについて興味が広がった。食の回を通して、子供たちは「だしの種類と味」、「味の感じ方」、「味の科学的分析仕方」などについて興味が広がった。川の回を通して、子供たちは「進化」、「生態環境の影響」、「同定」などについて興味が広がった。そこで、それぞれの回で生徒たちが広かった興味は科学者たちが伝えたい内容と一致度が高いといことが分かった。
④ 「宿題のフィードバック」:デザイン研究者たちが毎回の講座と探Qゼミ後に設けた宿題について、「難易度がちょうどいい」「少し難しい」「内容は面白い」という回答が多かった。宿題を通して学んだことについての質問では、「研究手法・分析手法」「伝えるため大事なこと」「タンポポについて」(タンポポの回)、「味の伝え方」「だしの種類と味」(食の回)、「生物の生存環境」「同定について」「標本製作方法」(川の回)という回答が多かった。
今後の課題
今後は科学者・生徒へのアンケート調査を引き継いて行って、そして科学館スタッフでのコミュニケーターとデザイン研究者へのアンケート調査をし、その結果を比較分析する予定である。
参考文献・参考サイト
心理学とサイエンスコミュニケーション. サイエンスコミュニケーション : 日本サイエンスコミュ ニケーション協会誌 (2013), 2(1): 66-71. 楠見孝
「鰹だし」風味の食餌の初期経験が後の嗜好性に及ぼす影響 .2002年6月24日 .川崎寛也,山田章津子,伏木亨
化粧水の香りの共感覚的表現——触覚語の役割. 日本官能評価学会誌 Vol.4 No.1 pp.45-51 (2000).桜井広幸
オノマトペをもちいた共感覚的表現の意味理解構造. 認知心理学研究 Vol.8 No.2 pp.119-129(2011).矢口幸康
良食味水稲品種における少数パネル・多試料による米飯の食味評価. 日本作物学会紀事 Vol. 72 No.1 38~42 (2003). 松江勇次, 佐藤大和, 尾形武文.
記述型の官能評価/製品開発におけるQDA法の活用. 化学と生物 Vol.50 No.11 818~824. 今村美穂.
飯の官能評価の時系列変化. 日本家政学会誌 Vol. 68 No. 9 478~485(2017). 島村綾, 小泉昌子, 峯木眞知子, 市原茂.
Waterfalls drive parallel evolution in a freshwater goby. Article in Ecology and Evolution · August 2012. 鹿野 雄一
小 – 中型淡水魚における非殺傷的かつ簡易な魚体撮影法.魚類学雑誌 61(2): 123–125 2014 年 11 月 5 日発行
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