継続的なダイエットのためのフードプロダクトデザインに関する研究
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Keywords: Product Design, Visual Design ← キーワード(斜体)
- Abstract
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目次
背景と目的
『ダイエットに関する調査』1)によると成人の40%以上もの人が過去にダイエット経験があると回答している。このように、ダイエットは今や若者を中心に大きく広がっている。しかしながら、ダイエット行動に取り組んでも過半数の人は、体重がもとに戻るか増加するという結果を招いている。その原因として、多くの人が十分な健康上のリスクを認識しておらず、短期間で過度に体重を減らそうとしてしまうことが挙げられる(田中、2010)2)。坂口(2015)3)によるとダイエットを成功させるために最も重要なのは継続性である。よって、ダイエット行動を行う上では可能な限り心理的な負担を軽減し、長期的に続けられるように促す必要がある。 本研究では、短期間での健康リスクの高い過度なダイエット行動を行ってしまう人々を対象に、ダイエット行動により伴う心理的負担を軽減しながらも、一度に摂取するカロリー量を抑えられる食品についての要件を抽出し、検証を行うことを目的とする。
研究の方法
本研究では文献調査、ユーザー調査により得た知見から継続的なダイエットのための食品の用件を抽出し、試作、仮説と試作品の検証を行う。 文献調査では、まずフードデザインの定義を確認し、事例を調査した上で本研究の立ち位置を確認する。次に、ダイエットに関する調査を行い、ダイエット食品を試作する上で必要な知見を得る。その後、ダイエット食品を継続して食べる上で必要な満足感に関する知見を得る。その後、満足感に必要な、美味しさ、満腹感を感じる要因と研究事例の調査を行う。最後に食品加工のプロセス・製造技術に関する知見を得る。 フィールド調査では、文献調査により得た知見から継続的なダイエットのための食品の試作に必要な要件を抽出する。その後、アイデア展開を行い、分析した上で、アイデアをより具体的にするためのコンセプトを立案する。その後、ダイエット食品の試作を行い、フードプロダクトとして定めるべき詳細のデザインを行う。 その後、設定した要件と、デザイン詳細の検討項目の妥当性に関して、専門家へのインタビュー調査を行う。また、最終提案の試作品のダイエットに関する評価、満足感に関する評価を専門家へのインタビューとユーザー調査により検証する。 最後に、本研究の結論と今後の展開をまとめる。
文献調査
フードデザインに関する調査
フードデザインという研究分野は歴史が浅く、1990年代にヨーロッパを中心に研究が始まった4)。Francesca Zampollo(2016)4)によるとフードデザインとは、「食品及び食事に関わるシステム、サービス、製品においてイノベーションを起こすためのデザインプロセス」と定義されている。また、フードデザインの中でも何をデザインするかによって、9種類に細分化することができ、それぞれの関係は図1のように表される。本研究では加工品として大量生産され、スーパーなどでパッケージに包まれて売られるようなダイエット食品の試作を想定しており、Food Product Design (以下、フードプロダクトデザイン)に分類される。しかしながらフードプロダクトデザインのプロセスや役割に関しては明確に定義がなされていないことが明らかとなった。
ダイエットに関する調査
食の満足感に関する調査
満足感の要因=
ダイエット行動に伴う心理的負担を軽減する上で一度の食事における満足感を高めることは重要である。そこで 食の満足感がどのような仕組みで成り立つかを調査した。田辺ら(2001)5)によると食の満足感を感じる直接的な要因として精神的快性(嗜好性、健康性、経済性、食卓環境、ファッション・グルメ性、人間環境)と生理的快性(満腹感)があり、どの要因が大きな影響を及ぼすかは個人によって異なるものの、嗜好性、満腹感、健康性が男女問わず大きな要因を占めると報告された。よって、ダイエット食品を考案する上では、個人が美味しいと感じられることと、満腹感を感じることが重要である。(ダイエット食品は健康性を必然的に満たすものとする。)
おいしさの要因
飯塚(2006)6)によると、おいしさを感じる要因は大きく3つに分類でき、図3のように示される。食事そのものにより美味しさを感じるためには、基本味や香りが良いだけではなく、見た目や咀嚼音など、より多く五感を使うことが重要である。
満腹感の要因
満腹感に関する文献調査により、図4に示すようなプロセスで満腹感を感じることが明らかになった。この中でも血糖値の上昇と内臓感覚の変化が満腹感を感じる上で最も大きな要因である(伏木、1987)7)(花田、2011)8)。
おいしさ・満腹感を高める研究事例
美味しさと満腹感を向上させるための技術や製品に関する先行事例をまとめ図5に示した。
フィールド調査
ダイエットフードの試作
文献調査より食事の満足感を得るためには、美味しさと満腹感が重要だということが明らかになった。さらに、継続的に食べることが出来るダイエット食品を考案する上では、どれほどの頻度で食べられるかも重要である。よってアイデアを考案する上での要件として、①美味しさを感じられること、②満腹感を感じられること、③汎用性の3点を設定した。 既往研究の調査により得た知見とアイデアの要件を元に、アイデア展開を行った。考案されたアイデアを用途により分類すると、①メインの食事に追加することで摂取カロリーを抑える食品、②小腹が空いた時に食べる間食のための食品、③メインの食事の前に食べることで摂取カロリーを抑える食品、④朝食や夜食のための食品の4つに分けられた。この中でも①の用途は既存のダイエット食品にはあまり見られず、汎用性も高い。そこで、日本人の主食である白ごはんと一緒に食べることで、糖質の摂取量、カロリー摂取量を抑えられるような食品をアイデアのコンセプトとした。 白ごはんに混ぜて食べる食品として①おからパウダー②豆乳③コンソメ、④こんにゃく粉を原料とする固形食品を試作中である。大豆を種原料とすることで糖質を制限し血糖値の上昇を緩やかにするだけではなく、胃の中で膨張するこんにゃく粉を混合することで、内臓感覚の変化をもたらし、より満腹感を感じられるようになることが期待される。
ダイエットフードの検証
専門家へのインタビュー調査
試作品のユーザー評価
まとめ
フードプロダクトデザインの視点から、食の満足感を高めて心理的負担を軽減しながらダイエット行動を行うことを目的として、ダイエットフードの試作・検証を行なった。試作品として大豆製品とこんにゃく粉を主原料とする「まんぷくふりかけ」を試作し、ユーザー評価、専門家からの評価を得た。その結果、本試作品を用いることによるダイエット効果は確認できなかったものの食の満足感という視点では、高められることが確認できた。今後は栄養士の助言をもとに試作品の味・風味を重点的に改善する。さらに、ダイエット効果に関してより条件を詳細に設定した上で食後数時間後の満腹度も含めて計測する。
脚注
参考文献・参考サイト
- ◯◯◯◯◯(20XX) ◯◯◯◯ ◯◯学会誌 Vol.◯◯
- ◯◯◯◯◯(19xx) ◯◯◯◯ ◯◯図書
- ◯◯◯◯◯(1955) ◯◯◯◯ ◯◯書院
- ◯◯◯◯◯ https://www.example.com (◯年◯月◯日 閲覧)