“植物育成”体験を介した小さなコミュニティデザインに関する研究

提供: JSSD5th2021
2021年10月25日 (月) 04:42時点における山口祥歩 (トーク | 投稿記録)による版
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注)

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山口祥歩 / 九州大学 統合新領域学府 ユーザー感性学専攻 感性価値クリエーションコース ← 氏名 / 所属(筆頭者)
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ / ◯◯◯◯◯◯ University ← 氏名 / 所属 の英語表記(筆頭者)
◯◯◯◯ / ◯◯大学 ◯◯学部 ← 氏名 / 所属(共同研究者)
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ / ◯◯◯◯◯◯ University ← 氏名 / 所属 の英語表記(共同研究者)

Keywords: Product Design, Visual Design ← キーワード(斜体)


Abstract
80words



はじめに

地域社会や職場、学校など様々なコミュニティにおいて「場づくり」という言葉を耳にする。

山納(2018) は、場づくりの動きが盛んに行われる一方で「場」や「つながり」という言葉が一人歩きしており、場を成立させるには何が必要なのかという吟味は十分になされていないと指摘する。例えば、場づくりの活動の多くは「つながりたい人、集まれ!」というようなつながることを前提にした場合が多いが、これは返って窮屈な人間関係を生み出してしまい行きたい場ではなくなってしまう。

本研究では、場づくりやコミュニティデザインの観点から、コミュニティをエンパワメントする場づくりにはどのような要素が求められているのか、人々のつながり方はどのようであるのかを明らかにすることを目的とする。さらに、抽出した要素から実際にプログラムを提案する。



文献調査

現代社会における人のつながり方

平田(2013)は、現代社会における新たな共同体の形として、家族に代表される地縁・血縁型の共同体と、生計を成り立たせるための企業社会の2つに属しているだけでは息苦しい状況を踏まえ、「誰もが誰もを知っている強固な共同体」ではなく「誰かが誰かを知っている緩やかな共同体」が求められていると示唆した。

社会的ネットワーク論を展開したアメリカの社会学者グラノヴェッターは、弱い紐帯(The Strength of Weak Ties)という概念を提唱した。

ーーー

社会学者の大澤(2008)は、現代社会において人は他者を忌避しながらも他者から見られていないことに不安を抱いていると述べる。



コンセプトの検討

園芸療法から見る緑と人のかかわり

園芸療法から見る緑と人のかかわり 園芸療法とは、園芸療法は植物を育て、使う活動を通して心身機能を良い状態に導いていく手法である。

山根(2009)は、植物を用いる園芸療法が他の両方と違う点として、以下をあげる。

  • 他の活動と違い、ひとにとって好みの差が少ない
  • ひとや動物と違って、植物との出会いはひとに緊張を与えることが少ない
  • 植物のある環境、植物が育つ環境がひとの心を和ませ穏やかにする

また松尾(2009)は、人間と植物とのかかわりによる効用を生産的効用、経済的効用、心理的効用、環境的効用、社会的効用、社会的効用、教育的効用、身体的効用の7つに分類し、これらの効用ははっきりと分かれているわけではなく互いに関連を持っていることが多いと述べる。全ての効用が相乗的に作用して、心身の心労をあらいながし、ストレスを発散させ、喜びや愉しみを持たせてくれることによって人間は生きる力を得、個人的にも社会的にも成長する。

さらに近年、療法的な活用とは別に、心身の健康維持や増進、家族関係や地域社会という社会的な健康を健全に維持・増進する上で植物とのかかわりが注目されており、山根・松尾の述べる植物や植物を育てることの特徴・効用は広く活用できると考えられる。



コミュニケーションの場として「カフェ型活動」の可能性

(カフェの心地よさについては、サードプレイスの視点からも注目することができる。)

サードプレイスとは、都市社会学者のオルデンバーグが提唱した概念であり、「家庭(ファーストプレイス)や学校・職場(セカンドプレイス)の領域を越えた、個々人の定期的で自発的でインフォーマルな場」と定義される。ドイツのビアガーデン、イギリスにおけるパブ、フランスにおけるカフェがいずれもサードプレイスとしての役割を果たしている。

オルデンバーグの唱えたサードプレイスとしてのカフェは他者と交流する場としての意味合いが強い。 しかし、現代社会における人の志向を踏まえて松本(2015)は、現代におけるカフェの心地よさは「オルデンバーグ型(他者と交流する場としてのサードプレイスの機能)」と「マイプレイス型(一人の時間を過ごせる場としてのサードプレイスの機能)」を兼ね備えた心地よさへと発展していると考察した。


さらに、「カフェ」という名前を持つ事業や活動に着目したい。

哲学カフェ、サイエンスカフェ、ワールドカフェ、ジョブカフェなど「カフェ」という名前を持つ事業や活動は多岐に渡る。

志賀(2016)はこれら「カフェ」を冠した活動を「カフェ型活動」と定義し、その特徴として「日常的に利用され双方向的なコミュニケーション(対話・交流)がなされる小規模な場所」であることが求められると述べた。さらに、目的を果たすには能動的に動く人がいて、受動的に構えている人の参加行動を促す工夫が必要であるが、これを強制的な形でなく自発的にその場を求めてくるような魅力や垣根の低さを実現できるのがカフェ型活動の意義であると述べる。


これらの文献より、現代社会において「カフェ」という言葉の持つ意味を以下のように分析した。 ・





デザインのコンセプト

調査を踏まえ、コミュニティの中に緩やかなつながりを生み出すことを目的とし




実験1

概要

「KYUKON CAFE」というユーザー投稿型のWebサイトを運営し、参加者の緩やかで自由なつながりを生み出すことを目的とした。 参加者には様々な種類の球根3〜5球、土、鉢植えをセットにして同時に配布した。これを自宅で育ててもらい、球根に関することを中心に自由に投稿をしてもらった。 また、カフェというコンセプトに則りマスターという役割を配置した。今回は主催者である山口がマスターの役割を担い、球根や植物栽培に関するヒント、話の種になる出来事などを定期的に更新した。 さらに、九州大学の所属研究室付近にプランターを設置し、150球程の球根を植えこれを球根の「拠点」とした。

【写真・図いれる】


対象

研究実施者の高校の友人・大学の友人、所属研究室関係者とその家族や友人、研究実施者の家族とその友人等、21名が参加した。 【関係図を入れる】 九州大学に所属する人は12人、その他には関西や東京等離れたところから参加する人もいた。参加者の中には、親しい友人同士、先生と生徒、同居家族、離れた場所に住む家族、全くの他人等、様々な関係を持つ人々が混在していた。


期間

2020年12月〜2021年5月 新型コロナウイルスの影響で、研究室のゼミや学校の授業等は基本的にはオンラインで行われていた。一方、参加者の中でも親しい学生同士などは学校やサークル活動等で直接会ったり連絡を取ったりする機会があった。


実験結果

参加者間のコミュニケーションやつながり方に関して変化を検証するため、実験終了後にアンケート調査、参加者個人へのインタビュー調査を実施した。得られた結果から、操作性・コメントなどで相互にやりとりが出来なかったなど機能の向上に関する課題、対象者の関係が様々であったことによる本プログラムの効果が得られにくかったことなどが明らかになった。(ここは考察かも?)

  • サイトを見ていたが、投稿はしなかった
  • 普段からSNSへ投稿することに抵抗があり、投稿をしなかった
  • 球根の成長を投稿すればよく、自分で出来事を探す必要がなかったので気楽であった
  • 芽が出ない時期が長く、どのような投稿をすれば良いのか分からなかった
  • 投稿しても「いいね」やコメント機能が無かった。相互にやりとりをしたかった。
  • サイト自体が重く、ストレスであった
  • 全く知らない人の投稿より、知っている人への投稿の方に興味が湧いた
  • 友人と直接会った際、拠点で球根が育っている様子について話をした
  • サイトへ投稿はしていないが、メールやLINEなどで球根が成長している様子について友人と連絡を取った
  • 参加者の中に全く知り合いが居らず、投稿しなかった。植物を育てること自体は非常に楽しかった。
  • 誰が参加しているのか分かりづらかった
  • 皆が対等な雰囲気を感じることができた
  • その場


考察

機能の改善

サイトを挟まなかったが直接の会話が増えるとか


あまりにも目的がなかったーーーーー

花を咲かせるという個人の目的はあったが、様々な関係の人が混在している、かつ皆で何かプロジェクトをやっている訳でもなかった。目的を見出しにくかった

「場」には集まる目的が必要ーーー山納(2018)

実験2

1度目の実験を踏まえ、



変更した点

  • 投稿サイトの機能を簡略化
  • 「サイトへの投稿」に重きを置かないプログラムへ
  • マスターの選定
  • 番号なし箇条書きの項目
  • 目的

まとめ

脚注


参考文献・参考サイト

  • ◯◯◯◯◯(20XX) ◯◯◯◯ ◯◯学会誌 Vol.◯◯
  • ◯◯◯◯◯(19xx) ◯◯◯◯ ◯◯図書
  • ◯◯◯◯◯(1955) ◯◯◯◯ ◯◯書院