「利用者・トーク:内村佳奈」の版間の差分

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内村佳奈/九州大学大学院<br>
+
 
Kana Uchimura/Kyushu University<br>
 
''Keywards:Museum,Relaxation,Mental Health,Appreciation,Visual Arts,Sensibility,Art Appreciation''
 
<br><br>
 
Abstract
 
=背景と目的=
 
 視覚芸術が精神的健康にもたらす正の効果は大きい(1)(2)(3).神経症をはじめとした心理的治療における諸芸術療法の事例研究(4)から,芸術鑑賞によるリラクセーション効果(5)(6)(7)に至るまで,様々な研究において視覚芸術の鑑賞・創作の心理的な効果は明らかにされつつある.<br> 一方で,芸術鑑賞や創作を行う人は少数派と考えられる(8).少数派である能動的に鑑賞を行う(以下能動的鑑賞)人,能動的に創作活動に取り組む(以下能動的創作) 人は,視覚芸術に対してどのような態度やイメージを持ち,実際に前述のようなリラクセーション効果等の心理的作用を求めて能動的鑑賞・創作を行っているのかを明らかにすることと,非能動的鑑賞・創作態度を取る人の視覚芸術に対する態度やイメージを調査し,行動変容のための方法を提案することの2つを目的とする.<br>
 
=研究の方法=
 
==質問紙調査==
 
 Googleスプレッドシートを用いた質問紙を作成し,芸術鑑賞と創作活動の能動性についての項目を6項目,5件法で設定した。また,生育環境の文化資本についての項目を5件法で設定した。自由記述欄には,視覚芸術に関する言葉,創作を行う人,創作物そのもの,視覚芸術の重要度について記述する質問項目を設けた.詳細については図1に示す.<br>
 
 自由記述欄の分析にはテキストマイニングソフトのKHcoder(9)を用いた.<br>
 
==鑑賞体験とインタビュー調査==
 
 上記の質問紙の中から実験協力に同意した回答者に連絡を取り,同意を得た協力者と美術館に行く。鑑賞体験とそれに関するインタビューを行い,言語化できる意識的側面鑑賞体験と行動変容について考察する.<br>
 
=現在までの結果=
 
==質問紙調査==
 
 6項目・5件法の質問紙ではそれぞれ3項目からなる2因子が確認され,それぞれ能動的鑑賞因子,能動的創作因子とした。また,標本全体に対して因子得点を用いward法によるクラスタ分析を行ったところ,5群に分かれた(図2).<br>
 
 5群間の2因子の因子得点について,2要因混合分散分析を行った結果,要因の主効果は認められず,交互作用が有意であった().<br>
 
 単純主効果の検定においては,能動的鑑賞因子においてすべての群に有意差が認められ,能動的創作因子において第1群と第3群間以外に有意差が認められた.この結果より,第1群を「能動的創作群」,第2群を「非能動的鑑賞創作群」,第3群を「積極的鑑賞創作群」,第4群を「能動的鑑賞群」,第5群を「能動的鑑賞創作群」と名付けた.<br>
 
 また,文化資本の項目に関して5群間1要因分散分析を行ったところ,能動的創作群が非能動的鑑賞創作群よりも優位に高く,能動的創作群が能動的鑑賞群よりも優位に高かった.<br>
 
 自由記述欄の分析について,標本全体の傾向として図3のような傾向が見られたまた,各群の特徴的な傾向を,図4に示す特徴語を踏まえて,図5に示す.<br>
 
==鑑賞体験とインタビュー調査==
 
=考察=
 
==標本について==
 
 今回のデータは,各種SNSにてGoogleフォームのURLを記載し,収集した.結果として能動的創作と能動的鑑賞を取る回答者の割合が,文化庁の発表した統計の割合よりも多くなった.<br>
 
 これは,以下のような点が関係すると考えられる.<br>
 
・筆者のSNSのフォロワーに芸術に対する興味を持つ人が相対的に多かった<br>
 
・質問紙の題目から,サンプルセレクションバイアス(注1)が生じた<br>
 
==質問紙の分析結果について==
 
==鑑賞体験とインタビューについて==
 
=まとめ=
 
=脚注=
 
注1:サンプルセレクションバイアスとは,
 
=参考文献・参考サイト=
 
(1) World Health Organization regional office for Europe (2019). What is the evidence on the role of the arts in improving health and well-being? A scoping review,67, HEALTH EVIDENCE NETWORK SYNTHESIS REPORT <br>
 
(2)緒方泉(2021).「博物館浴」研究の進展に向けた海外文献調査-Mikaela Lawらのスコーピングレビューをもとに-,地域共創学会誌,7,35-52<br>
 
(3)伊藤良子(2007).感情と心理臨床-今日の社会状況をめぐって 藤田和生(編)感情科学(2007).307-330<br>
 
(4)石田陽介(2013).芸術養生としてのアートシェアリング-被害妄想を持つ統合失調症患者における絵画療法を通した居場所づくり-,西日本芸術療法学会誌(2013).41,58-67<br>
 
(5) A.Clow(2006).Normalisation of salivary cortisol levels and self-report stress by a brief lunchtime visit to an art gallery by London City workers, Journal of holistic healthcare,3,29-32<br>
 
(6) 日本メナード化粧品(株)総合研究所(2001).メナード美術館は“癒しの空間”-内分泌系、心理分析で証明-, https://museum.menard.co.jp/outline/healing.html (最終確認日:2022年10月20日)<br>
 
(7) 緒方泉(2022).「博物館浴」の生理・心理的影響に関する基礎的研究(Ⅰ)-中学生・高校生を事例として-,地域共創学会誌,8,17-49<br>
 
(8) 文化庁(2021).文化に関する世論調査報告書<br>
 
(9) 樋口耕一(2020).社会調査のための計量テキスト分析:内容分析の継承と発展を目指して:KH Coder official book ナカニシヤ出版<br>
 

2022年10月27日 (木) 18:09時点における最新版