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; 章 晋蘭 / 九州大学 大学院芸術工学府 | ; 章 晋蘭 / 九州大学 大学院芸術工学府 | ||
: Zhang Jinlan / Kyushu University | : Zhang Jinlan / Kyushu University | ||
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− | : | + | : Under the social background of economic globalization, the Chinese government has proposed the concept of "Create in China", aiming to build the country through innovation. In the home appliance industry, it is an urgent problem for Chinese brands to enhance their value and compete with other foreign brands. The purpose of this study is to investigate the appearance changes of Chinese beauty home appliances and the reasons for the changes, to speculate the design elements required for future appliance design, and to provide a guiding direction for local Chinese appliance brands that occupy the lower end of the market and enhance the value of their brands through design. |
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==背景と目的== | ==背景と目的== | ||
− | + | 中国の経済発展に伴い、人々はパーソナルケアを重視し、関連商品を購入する消費意欲が引き続き高まっている。美容家電市場のニーズは、2017年~2020年の平均成長率は約11.1%である。しかし、ローカルブランドの市場シェアは35%程度で、ほとんどローエンド市場を占めており、より利益率の高いハイエンド市場には見当たらないことが現状である。 | |
また、中国政府が公布した文書「中国製造2025」及び「中国十四五規画」によると、現代産業システムの発展を加速させ、製造業の最適化とアップグレードを推進すると言及した。企業のイノベーション能力とブランドの核心競争力を高めるためには、「中国製造」から「中国創造」への転換する必要がある。そこで、中国の美容家電メーカーはデザイン面で改善の余地があると考えられる。 | また、中国政府が公布した文書「中国製造2025」及び「中国十四五規画」によると、現代産業システムの発展を加速させ、製造業の最適化とアップグレードを推進すると言及した。企業のイノベーション能力とブランドの核心競争力を高めるためには、「中国製造」から「中国創造」への転換する必要がある。そこで、中国の美容家電メーカーはデザイン面で改善の余地があると考えられる。 | ||
− | + | 本研究では、日本の美容家電の市場を参考にし、ドライヤーを事例として、中国の美容家電の造形発展の過程を分析し、変化の傾向と原因をまとめる。ハイエンド美容家電に必要なデザイン要件を抽出することを目的とする。中国企業の美容家電開発方針に活かせるガイドラインを作ることを目指す。 | |
==研究の方法== | ==研究の方法== | ||
− | [[File: | + | [[File:zhangjinlankennkyuuhh.jpg|thumb|right|200px|図1.研究方法]] |
− | + | 本研究では、中国企業の美容家電の変遷を調べ、形・色・素材の変化を整理する。変化となる技術的な要因、住宅の変化やライフスタイルの変化などの社会的な要因、企業戦略の変化に関する文献調査を行い、考察として今後変化する傾向を整理する。また、以上の調査結果から美容家電のデザイン要素をまとめ、具体的な事例として提案する。ユーザーと専門家に提案の妥当性を検証し、意見をもとにデザイン要素を修正する。 | |
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− | == | + | ==先行研究== |
中国家電全体に関する先行研究では、周敏寧(2016)の研究では1949年~1979年の中国の家電に対して調査を行い、時代の要因、技術、社会体制、デザイン思想、美意識、メーカーの戦略などの方面から造形の変化の原因を分析し、既往問題と現代の家電設計にもたらす啓発をまとめた。兪晨泓(2013)の研究では中国蘇州地域の4つのブランドを例として、70年代から90年代にかけてのブランドの発展と衰退を整理し、ブランド意識とデザイン力の不足を述べた。 | 中国家電全体に関する先行研究では、周敏寧(2016)の研究では1949年~1979年の中国の家電に対して調査を行い、時代の要因、技術、社会体制、デザイン思想、美意識、メーカーの戦略などの方面から造形の変化の原因を分析し、既往問題と現代の家電設計にもたらす啓発をまとめた。兪晨泓(2013)の研究では中国蘇州地域の4つのブランドを例として、70年代から90年代にかけてのブランドの発展と衰退を整理し、ブランド意識とデザイン力の不足を述べた。 | ||
− | 美容家電に関す研究では、傅一元(2017)は美容家電市場の現状と展望を記述した。井上氏ら(2010) | + | 美容家電に関す研究では、傅一元(2017)は美容家電市場の現状と展望を記述した。井上氏ら(2010)の研究では、若者にとってどのような形のドライヤーが視覚的使いやすい感があるかを研究した。 |
− | + | しかし、これらの研究は主に家電全体像からを研究し、美容家電の造形に関する研究が少ない。またハイエンド製品のデザイン要件を明らかにしたことがない。 | |
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− | + | ==中国市場における美容家電の変遷の歴史== | |
+ | 美容家電のカテゴリの中でヘアドライヤーを対象に、1949年から2021年まで中国市場におけるヘアドライヤーの製品を整理した。2000年以前、中国市場は特定のブランドがなく、同じ外観の製品を別々のメーカーが製造していたことが多かった。特に1970年代以前、経済や加工技術の制限から、ドライヤーのユーザーは少なく、販売台数も少なかった。市場に販売されていた製品は特定の種類である。2000年以降、中国のパーソナルケアブランドでトップシェアのFLYCO社を対象にFHシリーズのヘアドライヤーを整理した。 | ||
+ | [[File:zhangjinlannenhyo.jpg|thumb|right|200px|図2.年表]] | ||
+ | {{clear}} | ||
+ | 形:2000年以前の製品とFHシリーズの製品をデザイン時期と型番により、1949~2000年発売、06~08年発売、09~13年発売と14~21年発売の4段階に分けている。ドライヤーの特徴ある側面を比べると、最初の製品形態は幾何学的に連結されていることが多く、2000年ごろまでは形の曲線が多く、近年の形は直線が多いことが分かった。吹き出し口から吸い込み口までの曲線を比較し、2000年ごろ、吹き出し口の傾斜角度は6°程度で、近年は水平になっている傾向がある。06~08年の製品のプロポーションは一定の水准を維持し、09~13年と14~21年の製品の吹き出し口とハンドルの割合は短くなる傾向がある。ハンドルの傾斜角度は、06~08年で70~80°、09~13年で75~85°、14~21年で80~90°に集中し、全体的に鋭角から直角になる傾向がある。 | ||
+ | [[File:zhangjinlangaikann.jpg|thumb|right|200px|図3.外観]] | ||
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− | + | 色:色の色相范囲が広がる。素材そのものの色からプラスチックを中心とした幅広い色に変化している。個々製品における色の種類が減少し、製品全体が同じ色で統一させる傾向が見られる。複数の色を使う製品では、全く異なる色相の色から、同系色を使う傾向がある。異なる色相を使う製品では、全体を一色とし、異色の比率を減少してアクセントとする。 | |
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− | + | 素材:木、鉄、銅の金属から、加工しやすいアルミニウム、プラスチックへ変化した。表面処理は金属表面など素材そのものの質感から光沢感のあるプラスチック、マッドプラスチックとメッキに変わる傾向が見られる。 | |
+ | ==変化の原因== | ||
+ | 技術要因:素材そのものが鉄や銅などからプラスチックに変わったことで、表面の材質も変わった。また素材自体の加工性のよさから、より復雑な造形が可能になる。1980年以降、海外からメッキやABS樹脂制造装置の導入などの技術が導入され、表面の処理が複雑化し、色や材質の表現も豊かになった。内部構造について、ヒーターの軽量化や、モータの位置変更でドライヤーの吹き出し口の長が短くなり、全体のプロポーションが変わった。 | ||
+ | [[File:zhangjinlanjishu.jpg|thumb|right|200px|図4.ヒーター位置]] | ||
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− | + | 社会要因: | |
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− | + | 住宅に関する:1949年~1966年の間、中国の都市部の住宅空間は小さく、寝室と客室を分離していない。1967年~1978年、寝室と客室の分離が始まり、住宅面積が拡大した。1979年から1990年にかけて寝室が2室、3室と大きくなり、1991年からは快適性が注目され、エリアごとに機能が細分化された。一人当たりの住宅面積やトイレ面積の拡大により収納スペースが増え、壁面収納へのニーズが減少していることも、近年ヘアドライヤーが小型・軽量からストレート・重厚へと変化している一因と推測される。 | |
+ | ライフスタイルに関する:1950年代の時、髪を乾かすニーズだけ、ドライヤーの構造と机能は比較的シンプルだった。80年代以降、出張のニーズーが増え、ドライヤーの小型化や折りたたみ機能の追加など、収納や持ち運びに便利なものが登場した。2000年以降、髪質への要求が高まり、ヘアドライヤーには髪保護、マイナスイオンなどの機能がついていた。髪型から見ると、中国の女性の髪型は最初のストレート、短い髪からカールなど色んな髪型に変化し、異なる髪型に対応して、ドライヤーの机能、吹き出し口の幅も変化している。 | ||
− | + | 企業要因:1950年~1970年、企業の生産方針は薄利多売だった。各工場の間の製品の外観はほとんど区別がなく、形は簡単で、主に実用的で、安いためである。1990年以降、外国企業の中国市場の進出に伴い、中国の一部の企業は自らの資源を統合し、研究開発センターを設立し、革新的な製品を開発し始めていた。デザインセンターは製品の表面装飾から開発の各段階に踏み込んでいく。2000年以后、技術のアップグレードを通じて製品の付加価値を高めるという方針が始めた。 | |
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+ | ==考察== | ||
+ | 1.製品の形の変化から見ると、全体は直線、簡潔になる傾向がある。色の変化から見ると、統一される傾向がある。素材からを見ると、全体的に単一素材、または一つの素材が主体となり、他の素材がアクセントとなる傾向が見られる。 | ||
− | + | 2.美容家電の変遷の歴史から、技術は素材の質感、ディスプレイの内容と位置、照明、全体のプロポーションなどに影響する。そのほか、人々のライフスタイルの変化に伴い、家電に対する態度とニーズも高まっている。海外ブランドのデザインも、同じ業界の家電製品デザインに影響を与えていることをわかった。 | |
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− | + | ==まとめと今後の展望== | |
+ | 前の調査を踏まえて、美容家電の変遷についてまだ解明されていない問題点を明らかにする。要因の変化をまとめ、今後製品に与える影響を推測し、製品のデザイン要件をまとめる。なお、事例となるデザイン提案を考える予定である。 | ||
+ | ==参考文献・参考サイト== | ||
+ | *パーソナルケア小型家電市場分析とトレンド展望 https://www.sohu.com/a/438946292_693445 | ||
+ | *十四五規画と2035年遠景目標計画 https://www.12371.cn/special/ssw2035/ | ||
+ | *中国製造2025 http://www.scio.gov.cn/xwfbh/xwbfbh/wqfbh/37601/39571/xgzc39577/Document/1644483/1644483.htm | ||
+ | *王炳東(2020),2020年中国美容小型家電市場分析と予測,中国化粧品 | ||
+ | *周敏寧(2016),中国家電製品造形研究(1949~1979年) | ||
+ | *兪晨泓(2013),中国20世紀70年代から90年代の家電制品とブランドの発展過程の研究 | ||
+ | *井上勝雄(2010),ヘアードライヤーの視覚的使いやすさ感の評価に関する調査分析 | ||
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2022年10月27日 (木) 17:40時点における最新版
-ドライヤーを事例に-
- 章 晋蘭 / 九州大学 大学院芸術工学府
- Zhang Jinlan / Kyushu University
Keywords: Product Design, Beauty Home Appliance Design,Appearance Design
- Abstract
- Under the social background of economic globalization, the Chinese government has proposed the concept of "Create in China", aiming to build the country through innovation. In the home appliance industry, it is an urgent problem for Chinese brands to enhance their value and compete with other foreign brands. The purpose of this study is to investigate the appearance changes of Chinese beauty home appliances and the reasons for the changes, to speculate the design elements required for future appliance design, and to provide a guiding direction for local Chinese appliance brands that occupy the lower end of the market and enhance the value of their brands through design.
背景と目的
中国の経済発展に伴い、人々はパーソナルケアを重視し、関連商品を購入する消費意欲が引き続き高まっている。美容家電市場のニーズは、2017年~2020年の平均成長率は約11.1%である。しかし、ローカルブランドの市場シェアは35%程度で、ほとんどローエンド市場を占めており、より利益率の高いハイエンド市場には見当たらないことが現状である。
また、中国政府が公布した文書「中国製造2025」及び「中国十四五規画」によると、現代産業システムの発展を加速させ、製造業の最適化とアップグレードを推進すると言及した。企業のイノベーション能力とブランドの核心競争力を高めるためには、「中国製造」から「中国創造」への転換する必要がある。そこで、中国の美容家電メーカーはデザイン面で改善の余地があると考えられる。
本研究では、日本の美容家電の市場を参考にし、ドライヤーを事例として、中国の美容家電の造形発展の過程を分析し、変化の傾向と原因をまとめる。ハイエンド美容家電に必要なデザイン要件を抽出することを目的とする。中国企業の美容家電開発方針に活かせるガイドラインを作ることを目指す。
研究の方法
本研究では、中国企業の美容家電の変遷を調べ、形・色・素材の変化を整理する。変化となる技術的な要因、住宅の変化やライフスタイルの変化などの社会的な要因、企業戦略の変化に関する文献調査を行い、考察として今後変化する傾向を整理する。また、以上の調査結果から美容家電のデザイン要素をまとめ、具体的な事例として提案する。ユーザーと専門家に提案の妥当性を検証し、意見をもとにデザイン要素を修正する。
先行研究
中国家電全体に関する先行研究では、周敏寧(2016)の研究では1949年~1979年の中国の家電に対して調査を行い、時代の要因、技術、社会体制、デザイン思想、美意識、メーカーの戦略などの方面から造形の変化の原因を分析し、既往問題と現代の家電設計にもたらす啓発をまとめた。兪晨泓(2013)の研究では中国蘇州地域の4つのブランドを例として、70年代から90年代にかけてのブランドの発展と衰退を整理し、ブランド意識とデザイン力の不足を述べた。
美容家電に関す研究では、傅一元(2017)は美容家電市場の現状と展望を記述した。井上氏ら(2010)の研究では、若者にとってどのような形のドライヤーが視覚的使いやすい感があるかを研究した。
しかし、これらの研究は主に家電全体像からを研究し、美容家電の造形に関する研究が少ない。またハイエンド製品のデザイン要件を明らかにしたことがない。
中国市場における美容家電の変遷の歴史
美容家電のカテゴリの中でヘアドライヤーを対象に、1949年から2021年まで中国市場におけるヘアドライヤーの製品を整理した。2000年以前、中国市場は特定のブランドがなく、同じ外観の製品を別々のメーカーが製造していたことが多かった。特に1970年代以前、経済や加工技術の制限から、ドライヤーのユーザーは少なく、販売台数も少なかった。市場に販売されていた製品は特定の種類である。2000年以降、中国のパーソナルケアブランドでトップシェアのFLYCO社を対象にFHシリーズのヘアドライヤーを整理した。
形:2000年以前の製品とFHシリーズの製品をデザイン時期と型番により、1949~2000年発売、06~08年発売、09~13年発売と14~21年発売の4段階に分けている。ドライヤーの特徴ある側面を比べると、最初の製品形態は幾何学的に連結されていることが多く、2000年ごろまでは形の曲線が多く、近年の形は直線が多いことが分かった。吹き出し口から吸い込み口までの曲線を比較し、2000年ごろ、吹き出し口の傾斜角度は6°程度で、近年は水平になっている傾向がある。06~08年の製品のプロポーションは一定の水准を維持し、09~13年と14~21年の製品の吹き出し口とハンドルの割合は短くなる傾向がある。ハンドルの傾斜角度は、06~08年で70~80°、09~13年で75~85°、14~21年で80~90°に集中し、全体的に鋭角から直角になる傾向がある。
色:色の色相范囲が広がる。素材そのものの色からプラスチックを中心とした幅広い色に変化している。個々製品における色の種類が減少し、製品全体が同じ色で統一させる傾向が見られる。複数の色を使う製品では、全く異なる色相の色から、同系色を使う傾向がある。異なる色相を使う製品では、全体を一色とし、異色の比率を減少してアクセントとする。
素材:木、鉄、銅の金属から、加工しやすいアルミニウム、プラスチックへ変化した。表面処理は金属表面など素材そのものの質感から光沢感のあるプラスチック、マッドプラスチックとメッキに変わる傾向が見られる。
変化の原因
技術要因:素材そのものが鉄や銅などからプラスチックに変わったことで、表面の材質も変わった。また素材自体の加工性のよさから、より復雑な造形が可能になる。1980年以降、海外からメッキやABS樹脂制造装置の導入などの技術が導入され、表面の処理が複雑化し、色や材質の表現も豊かになった。内部構造について、ヒーターの軽量化や、モータの位置変更でドライヤーの吹き出し口の長が短くなり、全体のプロポーションが変わった。
社会要因:
住宅に関する:1949年~1966年の間、中国の都市部の住宅空間は小さく、寝室と客室を分離していない。1967年~1978年、寝室と客室の分離が始まり、住宅面積が拡大した。1979年から1990年にかけて寝室が2室、3室と大きくなり、1991年からは快適性が注目され、エリアごとに機能が細分化された。一人当たりの住宅面積やトイレ面積の拡大により収納スペースが増え、壁面収納へのニーズが減少していることも、近年ヘアドライヤーが小型・軽量からストレート・重厚へと変化している一因と推測される。
ライフスタイルに関する:1950年代の時、髪を乾かすニーズだけ、ドライヤーの構造と机能は比較的シンプルだった。80年代以降、出張のニーズーが増え、ドライヤーの小型化や折りたたみ機能の追加など、収納や持ち運びに便利なものが登場した。2000年以降、髪質への要求が高まり、ヘアドライヤーには髪保護、マイナスイオンなどの機能がついていた。髪型から見ると、中国の女性の髪型は最初のストレート、短い髪からカールなど色んな髪型に変化し、異なる髪型に対応して、ドライヤーの机能、吹き出し口の幅も変化している。
企業要因:1950年~1970年、企業の生産方針は薄利多売だった。各工場の間の製品の外観はほとんど区別がなく、形は簡単で、主に実用的で、安いためである。1990年以降、外国企業の中国市場の進出に伴い、中国の一部の企業は自らの資源を統合し、研究開発センターを設立し、革新的な製品を開発し始めていた。デザインセンターは製品の表面装飾から開発の各段階に踏み込んでいく。2000年以后、技術のアップグレードを通じて製品の付加価値を高めるという方針が始めた。
考察
1.製品の形の変化から見ると、全体は直線、簡潔になる傾向がある。色の変化から見ると、統一される傾向がある。素材からを見ると、全体的に単一素材、または一つの素材が主体となり、他の素材がアクセントとなる傾向が見られる。
2.美容家電の変遷の歴史から、技術は素材の質感、ディスプレイの内容と位置、照明、全体のプロポーションなどに影響する。そのほか、人々のライフスタイルの変化に伴い、家電に対する態度とニーズも高まっている。海外ブランドのデザインも、同じ業界の家電製品デザインに影響を与えていることをわかった。
まとめと今後の展望
前の調査を踏まえて、美容家電の変遷についてまだ解明されていない問題点を明らかにする。要因の変化をまとめ、今後製品に与える影響を推測し、製品のデザイン要件をまとめる。なお、事例となるデザイン提案を考える予定である。
参考文献・参考サイト
- パーソナルケア小型家電市場分析とトレンド展望 https://www.sohu.com/a/438946292_693445
- 十四五規画と2035年遠景目標計画 https://www.12371.cn/special/ssw2035/
- 中国製造2025 http://www.scio.gov.cn/xwfbh/xwbfbh/wqfbh/37601/39571/xgzc39577/Document/1644483/1644483.htm
- 王炳東(2020),2020年中国美容小型家電市場分析と予測,中国化粧品
- 周敏寧(2016),中国家電製品造形研究(1949~1979年)
- 兪晨泓(2013),中国20世紀70年代から90年代の家電制品とブランドの発展過程の研究
- 井上勝雄(2010),ヘアードライヤーの視覚的使いやすさ感の評価に関する調査分析