「視覚障がいのある有権者に対する投票所の環境改善に関する研究」の版間の差分
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2022年10月19日 (水) 11:07時点における版
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- 村岡詩織 / 九州大学大学院 新統合領域学府 ← 氏名 / 所属(筆頭者)
- Shiori MURAOKA / Kyushu University Graduate School of Integrated Frontier Sciences← 氏名 / 所属 の英語表記(筆頭者)
Keywords: Product Design, Visual Design ← キーワード(斜体)
- Abstract
- Japan's voting system, designed based on a self-written ballot system at polling places, creates barriers for the visually impaired. This study tries to clarify voting issues faced by the visually impaired from the perspective of inclusive design and to examine and propose solutions......................
研究の背景
近年、選挙の投票率の低下が社会問題となっており、地方選挙においても同様の傾向がある。公職選挙法44条は「投票所自書投票主義」を規定おり、全国に最低でも30万人と推計されている視覚障がいのある有権者にとっては、選挙権が行使しづらい状況にある。一方で、2011年に改正された障害者基本法28条では、「選挙における配慮」が規定され、全国的にも選挙・投票における合理的配慮の事例が報告されている。
研究の目的
本研究は、インクルーシブデザインの視点から視覚障がい者が抱える投票の課題を抽出し、解決策を提示・検証することを目的とする。具体的には視覚障がいに配慮した投票準備ガイドを作成し、その有用性を当事者および選挙管理委員会の視点から検証する。なお、研究対象を選挙期間が短い地方選挙にすることで、国政選挙にも応用可能な、より基礎的な課題抽出を行うこととする。
研究の方法
文献調査として、⑴既往研究調査、⑵投票制度調査、⑶先行事例調査、⑷当事者団体要望書分析を行い、視覚障がい有権者が抱える投票における課題を抽出する。 次に、フィールド調査として、⑸投票所同行調査、⑹模擬投票観察調査、⑺当事者聞き取り調査、⑻選挙管理委員会聞き取り調査、⑼福祉用具専門員聞き取り調査を通じて、文献調査結果の検証を行う。 以上を踏まえ、(10)視覚障がいに配慮した投票準備ガイドを作成し、(11)当事者による評価、(12)選挙管理委員会による評価を得る。
既往研究と本研究の位置付け
清原[1]は、東京都選挙管理委員会への聞き取り調査から、視覚障がい者の投票アクセシビリティの課題を投票所・投票方法・情報の3点から整理している。大倉[2]は国政選挙の情報保障として、選挙公報の点訳化や音訳化の法的根拠がないこと、拡大文字版など弱視の種類に応じた情報提供がなされていないことを指摘している。いずれも、一連の投票プロセスのいずれかのステップにのみ着目した課題の特定であり、有権者視点によるプロセス全体の分析はない。一方で、Center for Civic Design(CCD)[3]は、有権者の投票体験をVoter Journeyとして分析することで、総合的な対策の基礎資料としている。本研究は有権者視点の分析方法としてCCDの手法を取り入れ、かつ、現行法下では第三者の同行が限定される投票所内での課題も含む、投票体験全体の課題を取り扱う。
文献調査結果
- 投票のジャーニーは20段階から構成される
文献調査により、視覚障がい当事者の投票プロセスは20の段階から構成されていることが導出された。図●は、総務省が前提としている有権者の投票プロセスと視覚障がい有権者の投票行動の比較である。
- ニーズは7種類、70項目
さらに、現状の投票に関する改善ニーズは7カテゴリ・70項目抽出され(表●)、中でも「情報」と「ツール」に関するニーズが高い(図●)。背景として、投票に関する視覚情報以外による情報提供や投票所の運用が不足していること、選挙管理者の視覚補助用具に関する基礎的な理解が不足していることが挙げられていた。 加えて、家族や同行者の付き添いが一部限定的になる投票所内の、特に「候補者名簿を最終確認する」と「投票用紙に記入<ref>墨字・点字両方を指す<\ref>する」段階に多くの改善ニーズが寄せられていた。
フィールド調査結果
フィールド調査により、視覚障がい有権者の投票プロセスは最終的に●段階に構成されることが確認できた。さらに、投票所内においては●の細かな投票遂行上の障害が生じていることがわかった(図●)。 また、文献調査結果と同様に「候補者名簿の最終確認」および「投票用紙への記入」段階に、「書き損じによる無効票化への懸念」が生じていることが確認された。 他方、選挙管理委員会の聞き取り調査より、70の投票改善ニーズのうち、48(全体の68%)は、選挙管理委員会の判断により改善できるものであることを確認した(図●)。
考察
まとめ
脚注
- ↑ 清原慶子, 1994, 高齢社会における高齢者•障害者の投票をめぐるアクセシビリティ, 選挙研究14号, pp.75-88,178
- ↑ 大倉沙江, 2018, 障害がある有権者に対する選挙情報の保障をめぐる政策の現状と課題:政見放送への手話通訳・字幕の付与、選挙公報の点訳・音訳を中心に, 情報通信学会誌36巻1号, pp.23-30
- ↑ https://civicdesign.org/the-epic-journey-of-american-voters/
地方議会や地方公共団体の長の選挙が該当する。一般選挙の選挙期間は通常7日であり、図●に示すスケジュールで行われている。
選挙制度:投票所内の課題を取り扱うため、図●の期日前投票所における投票Aと投票期日の投票Bを対象とする。AとBにおける投票方式は、自書式投票(墨字)、点字投票、代理投票である。
参考文献・参考サイト
- ◯◯◯◯◯(20XX) ◯◯◯◯ ◯◯学会誌 Vol.◯◯
- ◯◯◯◯◯(19xx) ◯◯◯◯ ◯◯図書
- ◯◯◯◯◯(1955) ◯◯◯◯ ◯◯書院
- ◯◯◯◯◯ https://www.example.com (◯年◯月◯日 閲覧)