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2022年10月27日 (木) 18:17時点における最新版
福岡市天神明治通りにおけるバス停の待合空間を対象に
- チョウ サワキン / 九州大学大学院 芸術工学府
- Zhang Zexin / Graduate School of Design, Kyushu University
Keywords: Bus stop, Public Design
- Abstract
- This research examines the utilization of the bus stop waiting space to create a lively space from the viewpoint of a public space base where people gather.I will conduct three investigations about the "physical characteristics" of the urban spatial environment and the "behavioral characteristics" and "psychological characteristics" of space users.
目次
背景
令和2年に「道路のビジョン2040」により地域を豊かにする歩行者中心の賑わいのある道路空間の構築が推進されている [1]。人が楽しく滞在できるという道路空間のニーズが近年多様化されており、道路の役割は移動のための空間を提供することから、まちづくりや多様な賑わい公共空間を創出するための道づくりまで進んできた。一方、路線バスが主要な交通手段である福岡市ではバス停が密集して設置されており、人が集まる公共空間拠点の視点からバス停待合空間の利活用が期待できると考える。
しかしながら現在バス停待合空間の滞在実態からみると、バス停待合空間と歩道空間の明確な区分や誘導がなく、人の待ち位置がバラバラで通行の阻害になったり、違う行き先で同じの長い行列に並んだり、休憩ベンチに座りにくい空気あったりする状況が多く見られる。これらの現状から、バス停の待合空間に対する空間認識が人それぞれであることが考えられる。バス停待合空間には歩道空間の走行性とバス停利用行為の円滑性の両立を確保する上に多様な空間ニーズに応えるため、都市要素との関係から見たバス停の待合空間に対する空間認識を明らかにする必要があると考える。
目的と方法
本研究では2006年から福岡市天神地区に導入された上屋型広告パネル付きバス停に着目し、歩道利用者とバス停利用者がどのようにバス停待合空間を認識するのか、都市空間環境の「物理量」、空間利用者の「行動量」と「心理量」を調査して分析する。その結果をもとに、今後の公共空間拠点としてバス停待合空間がどのように進化するのか、バス停待合空間の利活用を検討することを目的とした。
調査対象
研究対象の選定基準は人が集まって賑わい空間の創出が期待できる地区にする。
福岡市景観計画により都市景観の質と歩道空間の整備率が高い天神地区都市景観形成地区指定地域 [2]、また、福岡市文化財の観光散歩線により商業施設と地域魅力がある地域 [3]を参照して研究対象地区を絞り、天神明治通りにおける6箇所のバス停を研究の空間対象にする。（図2、図3）
| 対象ID | バス停名 | バス停番号 |
|---|---|---|
| 1 | 天神大和証券前 | 14 |
| 2 | 天神大和証券前 | 12 |
| 3 | 天神新天町入口 | 11 |
| 4 | 天神福銀本店前 | 13A |
| 5 | 天神証券ビル前 | 13B |
| 6 | 天神協和ビル前 | 10 |
調査１：バス停待合空間および周辺歩道空間の物理量
空間構成要素の計測調査概要
- 調査日：2022.5.26
- 調査目的：対象バス停周辺の街路形態とバス停及び関連施設の設置形態を把握する。
- 調査方法：歩道幅員と地上設置物の設置位置、サイズ計測調査を行い、計測データを整理して空間構成要素を示す図面を作成して分析する。
- 調査項目：歩道幅員、誘導用ブロック設置位置、歩道設置物とバス停の距離、沿道店先空間、バス停及び関連施設
※計測範囲：バス停周辺長さ20m間、歩道空間と沿道店先空間を含めの街路空間
空間構成特性の考察
- バス停空間の側面形態による分類
対象バス停は側面形態により、「店先空間なし」、「店先空間あり屋根なし」、「店先空間あり屋根あり」三つの側面形態に分類した。
歩道利用者の通行実態により、地面の段差がない場合、通行帯の範囲は沿道店先空間の壁面からバス停広告パネルまで伸びっていることがわかった。通行空間に対する柔軟性があると考えられる。
- バス停空間の上部形態による滞在空間範囲
対象空間の上部形態平面図により、滞在者の目線で立ち可能の位置の範囲を青い線の表記しており、主に設置物と店の通路を除く歩道空間をカバーしていることがわかった。バス利用者だけではなく、滞在者の空間利用の範囲はもっと曖昧なところがあると考える。
滞在空間の中で、形が不规则なスペースがあリ、地上設置物があったり、地下鉄の入り口とかが隣接したりすることで、狭いスペースが作れる場合があると考える。
要件１：街路空間のゾーン分け
それらの特性により、街路空間を５つのゾーンに分けた。ゾーンAはバス停屋根下の空間を表し、ゾーンEは店前空間を表し、またバス停屋根沿いの延長線と誘導用ブロックの線を区切り線にして歩道空間をゾーンBCDに分ける。五つのゾーンの空間特性による人間の行為量と心理量の違いを探求するため、要件として抽出した。
時間特性に関する集計調査概要
バスの到着は乗降行為につながっており、バス到着頻度によってバス停の利用状況も変わるため、空間の時間特性についての調査を行った。
- 調査日：2022.4.28
- 調査目的：時間帯別のバス停空間の乗降行為の発生頻度を把握する。
時間特性の考察
- 対象バス停バス運行状況
集計したデータにより、平日の通勤ラッシュ時間帯で運行量がピークになることがわかった。最大１時間58本のバスが通行する。休日の昼前から夕方まで運行量は比較的に平穏。
- 対象バス停周辺歩道利用者通行状況
それに、バスの到着は乗降行為につながっていて、バス到着頻度によってバス停の利用状況も変わるため、空間の時間特性についての調査を行いました。方法として、バス運行の時刻表を参照にして、対象バス停のバス通行量を集計して、１時間ごとのバス停空間の乗降行為の発生頻度を調査するということです。データから見ると、平日の通勤ラッシュ時間帯で、運行量がピークになる。最大１時間58本のバスが通行する。休日の昼前から夕方まで運行量は比較的に平穏。バス停空間の時間帯別の活用にもつながっているため、時間帯別の空間利用状況を要件として抽出しました。
要件２：時間による空間の柔軟性
バス停待合空間の乗降行為は時間帯別の活用に繋がっており、要件として抽出した。
調査2：バス停待合空間および周辺歩道空間の行動量
人の行為の非参与調査概要
- 調査日：2022.6月上旬〜7月上旬
- 調査目的：街路空間の五つのゾーン分けにより、時間帯別の人の行動量を計測する。
- 調査方法：観察シートを作成して、目視でバス利用者の待ち位置と歩道利用者の通行路線を観察しながら記入する。
人の行為の考察
- バス利用者の待ち位置
- 歩道利用者の通行状況
まとめ
今後の方針
- バス停待合空間のパーソナルスペース
- バス停待合空間および周辺歩道空間の心理量
脚注
- ↑ 国土交通省公式サイト, 道路政策の中長期的ビジョン「2040年、道路の景色が変わる」.https://www.mlit.go.jp/road/vision/pdf/01.pdf, 2022年10月20日閲覧
- ↑ 福岡市公式サイト, 福岡市都市景観条例.https://www.city.fukuoka.lg.jp/d1w_reiki/reiki_honbun/q003RG00000716.html, 2022年10月20日閲覧
- ↑ 福岡市経済観光文化局公式サイト, 福岡市文化財.https://bunkazai.city.fukuoka.lg.jp/sp/courses/detail/21, 2022年10月20日閲覧
- ↑ 西鉄バス公式サイト, バス停時刻表.https://jik.nishitetsu.jp/, 2022年4月28日閲覧
- ↑ 福岡市公式サイト, 都心部歩行者交通量等調査結果（平成28）.https://www.city.fukuoka.lg.jp/jutaku-toshi/kaihatsu/toshi/hokousya_kotsuryo.html, 2022年4月28日閲覧
参考文献・参考サイト
- Zhang, Kevin Jingyi：Bus Stop Urban Design, UBC Graduate Research, 2012, (online), http://hdl.handle.net/2429/43870, (参照 2022-04-05)
- Nobuaki Ohmori, Takashi Omatsu, Kenji Okamura：Passengers’ Waiting Behavior at Bus Stops, ICTTS, 2008, (online), https://www.researchgate.net/publication/269158610, (参照 2022-04-05)
- 作田莉子, 有吉亮, 中村文彦, 田中伸治, 三浦詩乃：バス待ち行動分析に基づくバス停でのバス待ち抵抗緩和の要因に関する研究, 交通工学論文集, 2019, 5(2), pp. A_285-A_292
- 松原光也：バス停に着目したバス利用環境の改善, 交通権, 2009, 2009(26), p. 61-72
- 松本直司, 清田真也, 伊藤美穂：街路空間特性と歩行速度の関係, 日本建築学会計画系論文集, 2009, 74(640), p. 1371-1377
