「中学校生活を充実させる生活ノートデザインの研究」の版間の差分
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2022年10月27日 (木) 06:14時点における版
- 大山楠奈 / 大分県立芸術文化短期大学 専攻科造形専攻 ビジュアルデザインコース
Keywords: Visual Design,Junior high school,School life notes
テーマ着想に至った背景
近年、話題になっている「中一ギャップ」。
中一ギャップとは、小学校を卒業して中学校へ進学した際、これまでの小学校生活とは異なる新しい環境や生活スタイルなどに馴染めなくなる現象を指す。今、この中一ギャップに悩まされる生徒が増加傾向にあることを知り、成長過程である中学生の学校生活を少しでもより良いものにしたいという考えに至った。中一ギャップが改善されない理由には、生徒・教員・保護者のコミュニケーション不足が挙げられる。そこで、その三者それぞれがコミュニケーションを取りやすくするために、多くの中学校で使用されている「生活ノート」を使用することにした。
「生活ノート」について
概要
「生活ノート」とは、翌日の予定や持ち物等を記入できる箇所と生徒が一日の生活記録を自由に記述できる箇所があるノートである。中学校現場では、多くが図2のような市販のものを使用している。市販のものにはいくつか種類がある。
デザイン
既存の生活ノートのデザインは、シンプルなものが多く、ほとんどが図3のような毎日の予定や日記が記載できる欄のみで構成されている。記録、又は生徒と教員が毎日軽いやりとりをするだけの用途で使用されている。
制作の構想
テーマ
「生活ノートで学生・教員・保護者の情報共有ができるコミュニケーションツールにする」「中学生の負担を減らし、生活環境を充実させるものにする」「飽きのこない、記入しやすいデザインにする」というテーマをもとに生活ノートを制作する。
内容
既存の生活ノートに含まれている内容を踏まえ、「生活ノートに対する感想や家庭内での様子を伝える保護者コメント欄」、「毎日の記録と教員への連絡欄」、「ブラック校則などの問題改善を目的とした校則の項目」、「マナー・健康といった生活環境を充実させる為の項目」など、新しい項目を追加。(図4、5参照)
手法・手段
Adobe Illustratorで制作した後、既存の生活ノートと同じ印刷手法(オフセット印刷)を用い冊子を制作する。
予想される成果
制作物の使用者である中学生にとって、この「生活ノート」が大人との円滑なコミュニケーションツールになることを想定している。
生徒の日常生活や悩みが教員・保護者へ伝わる仕組みを構築することで、直接伝えづらいことでも話しやすい環境づくりができるのではないかと考える。「中一ギャップ」という悩ましい時期を少しでも改善に導き、生徒にとっての豊かな教育現場を作る手助けとなる事を期待したい。
外部リンク
- 中学校における生活記録ノートの機能と教師の役割/野木紹吾
https://www.edu.yamanashi.ac.jp/wp-content/uploads/2019/12/0b109d0e13979abe5066050752fdf418.pdf
- 中1ギャップって何? 対策法は?/新興出版社
https://www.shinko-keirin.co.jp/shinko/pittarinavi/2020010909/
- 「中1ギャップ」の真実/国立教育政策研究所
https://www.nier.go.jp/shido/leaf/leaf15.pdf
- 「中1ギャップ」、実は小学生からもう始まっている!?/ベネッセ教育情報サイト
https://benesse.jp/kyouiku/202111/20211111-2.html