「中国の中年者のAIスピーカーの受容に関する研究」の版間の差分

提供: JSSD5th2022
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=== 知覚された有用性 ===
その結果は表4に示すように、男性側の重相関係数R=0.665、決定係数 R2 = 0.443となった。かなり相関関係があることがわかった[注]。女性側の重相関係数R=0.528、決定係数 R2 =0.279となった。重相関係数および決定係数ともに値は少し小さくて、やや相関関係があることがわかった。
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その結果は表2に示すように、男性側の重相関係数R=0.665、決定係数 R2 = 0.443となった。かなり相関関係があることがわかった[注]。女性側の重相関係数R=0.528、決定係数 R2 =0.279となった。重相関係数および決定係数ともに値は少し小さくて、やや相関関係があることがわかった。
  
 
標準化係数を見ると、利用への態度に大きい影響を与えているものは、設問①-1「AIスピーカーは私の生活に重要な役割をする。」(係数β=男性0.237・女性0.272)と設問①-5「AIスピーカーを利用すると自分で出来ることの幅が広がる。」(係数β=男性0.287・女性0.244)の2変数。
 
標準化係数を見ると、利用への態度に大きい影響を与えているものは、設問①-1「AIスピーカーは私の生活に重要な役割をする。」(係数β=男性0.237・女性0.272)と設問①-5「AIスピーカーを利用すると自分で出来ることの幅が広がる。」(係数β=男性0.287・女性0.244)の2変数。
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=== 知覚された使いやすさ ===
 
=== 知覚された使いやすさ ===
その結果は表5に示すように、男性側の重相関係数R=0.545、決定係数 R2 = 0.297となった。やや相関関係があることがわかった。女性側の重相関係数R=0.452、決定係数 R2 =0.204となった。重相関係数および決定係数ともに値は小さくて、重回帰式の当てはまりはあまり高くないことがわかった。
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その結果は表3に示すように、男性側の重相関係数R=0.545、決定係数 R2 = 0.297となった。やや相関関係があることがわかった。女性側の重相関係数R=0.452、決定係数 R2 =0.204となった。重相関係数および決定係数ともに値は小さくて、重回帰式の当てはまりはあまり高くないことがわかった。
  
 
標準化係数を見ると、男性の利用への態度に大きい影響を与えているものは、設問②-1「簡単に、自分の思い通りに使うことができる。」(係数β=男性0.212)・設問②-5「使い方が明快でわかりやすい。」(係数β=男性0.297)・設問②-6「他のスマート家電との接続は円滑である。」(係数β=男性0.185)の3変数。有意確率が0.05より大きい説明変数設問②-2,3,4,7は、利用への態度にあまり影響を与えていないことがわかった。
 
標準化係数を見ると、男性の利用への態度に大きい影響を与えているものは、設問②-1「簡単に、自分の思い通りに使うことができる。」(係数β=男性0.212)・設問②-5「使い方が明快でわかりやすい。」(係数β=男性0.297)・設問②-6「他のスマート家電との接続は円滑である。」(係数β=男性0.185)の3変数。有意確率が0.05より大きい説明変数設問②-2,3,4,7は、利用への態度にあまり影響を与えていないことがわかった。
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=== まとめ ===
 
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さらに、これらの結果を男女間で比較すると、Q12-1やQ12-5、Q13-5この3つの変数は、男女にかかわらず、利用への態度に大きい影響を与えている。
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さらに、これらの結果を男女間で比較すると、設問①-1や設問①-5、設問②-5この3つの変数は、男女にかかわらず、利用への態度に大きい影響を与えている。
  
一方、Q12-2(男性0.174・女性-0.012)、Q13-2(男性0.140・女性0.003)といった変数は、男女間に大きな差があることがわかった。
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一方、設問①-2(男性0.174・女性-0.012)や設問①-4(男性0.054・女性0.131)、設問②-2(男性0.140・女性0.003)といった変数は、男女間に大きな差があることがわかった。
 
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==考察==
 
==考察==
全体でみると、AIスピーカーに対するユーザーのポジティブな態度や、もっと受け入れ利用したい感じを高める要因には、利用可能な機能を追加するとともに、現在のインタラクションの難易度を下げ、より分かりやすくすることである。中年層の期待に応えて機能をバージョンアップし、加齢により簡単に理解できるインターフェイスをデザインすることは、利用への望みを高める手段として有効であると考えられる。
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全体でみると、AIスピーカーに対するユーザーのポジティブな態度や、もっと受け入れ利用したい感じを高める要因には、利用可能な機能を追加するとともに、現在のインタラクションの難易度を下げ、より分かりやすくすることである。具体的に以下の三点から:①機能面では、中年層の期待に応えて機能をバージョンアップすることや、②インタラクションのデザイン面では、加齢により簡単に理解できるインターフェイスをデザインすること、③宣伝の仕方では、もっと利用シーンを見せることでAIスピーカーの有用性と使いやすさを伝えることは、利用への望みを高める手段として有効であると考えられる。
  
性別でみると、男性と女性の差はあまり見られなかったが、女性より男性の方は、AIスピーカーが生活の質を向上させるという点で、より納得していることが見られた。なお、男性はスマート製品の使い方に自信を持つようになったことが見られた。逆に女性は、AIスピーカーの情報収集について関心が高くて、受容度により大きく影響すると考えられる。
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性別でみると、男性と女性の差はあまり見られなかったが、AIスピーカーが生活の質を向上させるという点で、女性より男性の方は納得していることが見られた。なお、男性はスマート製品の使い方に自信を持つようになったことが見られた。逆に女性は、AIスピーカーの情報収集について関心が高くて、受容度により大きく影響される。
  
この点について、男性ユーザーに対してAIスピーカーによる生活の質の向上を実現できることを伝わって、男性に受け入れやすい。例えば、より多くのスマートホーム製品と連携して生活全体の幸福度を向上させることを目指すとする。
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上記の点について、AIスピーカーは生活の質の向上を実現できることを伝えて、男性は受け入れやすい。例えば、IoT技術によりAIスピーカーと多くのスマートホーム製品を連携して、生活全体の幸福度を向上させることを目指す。
  
一方で、AIスピーカーで検索・提供できる情報を向上させることが、女性ユーザーの受容度を高めるカギとなると考えられる。例えば、美容やメイク、ファッションなどの情報を常に送ってくれることである。
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一方で、AIスピーカーで検索・提供できる情報を向上させることは、女性ユーザーの受容度を高めるカギとなると考えられる。例えば、美容やメイク、ファッションなどの情報を常に送ってくれることである。
 
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==まとめと今後の課題==
 
==まとめと今後の課題==
今回は男女間に大きな差は見られなかったが、これはAIスピーカーが新しいものであるために、個人差は生まれていなくて、マニュアルに基づいて基本的な機能だけで使っている可能性が高いと思われる。
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今回は男女間に大きな差は見られなかったが、これはAIスピーカーが新しいものであるため、個人差は生まれていなくて、マニュアルに基づいて基本的な機能だけで使っている可能性が高いと思われる。
  
 
今後は、今回のデータを用いて、別のグループの分析も可能になる。また、AMOSで構造方程式分析を用いて、それぞれの要因間の因果関係をさらに研究していく予定である。
 
今後は、今回のデータを用いて、別のグループの分析も可能になる。また、AMOSで構造方程式分析を用いて、それぞれの要因間の因果関係をさらに研究していく予定である。

2022年10月19日 (水) 13:53時点における版

- スマートホームの普及に向けて -


景 雲/ 九州大学 大学院芸術工学府
JING Yun / Graduate School of Design,Kyushu University
田村 良一 / 九州大学 大学院芸術工学研究院
Tamura Ryoichi / Faculty of Design, Kyushu University

Keywords: Middle-aged people, Smart-home, Technology acceptance degree 

Abstract
This study mainly focuses on China, which is entering an aging society. Through the form of online questionnaire, the acceptance degree of Chinese middle-aged people to smart speakers was investigated. Regression analysis was used to quantitatively analyze the data. In consideration of the different concerns of men and women, a classification discussion is carried out. Finally, this study discussed how to make China's middle-aged more accept smart speakers, and make smart-home better accepted.



研究の背景と目的

研究背景

中国はすでに高齢化社会に入り、2050年に世界で最も高齢化が深刻な国になるとされている[注]。IoT、ビッグデータ処理技術などが組み込まれたスマートホームは在宅養老における問題を解決でき、高齢者自身も快適に暮らすことが可能になる。また、高齢者サービスの労働力不足を補うだけでなく、労力と時間のコストも削減できる[注]。 しかし、中国におけるスマートホームの普及はまだ途上である。製品の機能は多様化、複雑化する傾向にあり、以前に比べて、一般の人々が難しい操作に直面する場合が多くなってきた[注]。

研究目的

本研究では、スマートホームに関する研究の端緒として、音声認識技術により音声を介して対話しながら、操作するウェアラブル端末やスマートフォンなどが普及している[注]ことを踏まえ、スマートホームの中で音声インタラクション機能を担うAIスピーカーに着目することとし、将来の高齢者である中年者を対象として、中年者におけるAIスピーカーの有用性と使いやすさの要因を把握し、利用への意図行動との関係を明らかにする。



研究の方法

本研究では、スマートホームや技術受容に関するモデルの内容を整理することで、調査すべきところをまとめ、質問項目の調整を行い、適用な質問票を作る。 次に、中国でオンラインのWebアンケート調査を実行し、収集したデータをもとに、重回帰分析により定量化分析する。 最後に、仮説モデルを検証し、スマートホームの普及について考察する。



文献調査

先行研究

AIスピーカーの音声インタラクション機能は、高齢者にとって必要であることが実証的に示されている。荻田ら[注]は、パソコン操作の課題としてキーボード操作およびマウス操作の困難さを挙げている。永井らは[注]、タッチパネル使用時の手指操作と接触力の実験を行い、高齢者と若年者の間に差異があることを明らかにしている。

スマートホームの受容に関する分析モデルの先行調査

図1 技術受容モデル Davis(1989)

技術受容に関するモデルの変遷を把握し、最適なモデルを選択するために、技術を受容し使用につなげるモデルの系譜を整理した。そのうち、Davis(1989)[注]が開発した図1に示す技術受容モデル(TAM: Technology Acceptance Model)は、どのような情報システムとユーザーに対しても適用できる一般性と、なるべく少ない要因で情報システムの利用行動を説明できるという簡便性を同時に追求した点に特徴がある[注]。以上から、本研究では技術受容モデルの考え方を参考することとして、以降の研究を進めることにした。



調査と分析

調査の対象と方法

50~59歳の中年層は、もうすぐ老年期に入り、未来のスマートホームの利用における主要なユーザーになると考えられる。これを踏まえ、本研究では調査対象者を50~59歳の中年者に限定することとする。 また中国では地域によって、経済や生活水準の発展レベルが異なり、スマートホームに対する認識も異なることを考慮し、調査対象地域を中国の一線都市[注]に限定する。 そして、一線都市に在住している「Questionnaire Star」というアンケート会社[注]の50歳以上の会員を対象として、2022(令和4)年9月、Webアンケート調査を実施した。

調査の内容

図2 修正した質問項目(抜粋)

調査内容は、技術受容モデルと他の関連研究等において頻繁に使用され妥当性が検証された質問項目と、AIスピーカーの特性に基づいて適宜修正作業を行った。修正した質問項目の一部を図2に示す。 回答方法は、それぞれの要因に感じた程度、「まったく感じていない=1、あまり感じていない=2、どちらともいえない=3、多少感じている=4、とても感じている=5」の5段階評価とした。

調査の結果

400名から回答が得られた。このうち、重複回答した4名と年齢が不適切の55名を除く、341名からの有効回答が得られた。性別、年齢別、利用経験の有無にみた人数と割合を表1に示す。

分析対象者の選定

今回の分析では、利用経験の有無が評価に影響することを考慮し、利用したことがない113名を除く、残りの228名を分析の対象とすることにした。男性と女性では思考回路が違い、既存の調査により[注]、製品に対するモチベーションや信頼をとる方法、見せ方の重点が異なると挙げられた。従ってスマート製品に対する受容度も異なると推測される。そのために、男性107名と女性121名の2つのグループに分けられて分析を行った。

分析の方法

設問①知覚された有用性の6問と設問②知覚された使いやすさの7問を説明変数として、設問③利用への態度の一番目「AIスピーカーを利用することは魅力的だと思う。」を目的変数として、SPSSにより男女別で重回帰分析を行った(図3)。



結果

知覚された有用性

表2 重回帰分析の結果(有用性)

その結果は表2に示すように、男性側の重相関係数R=0.665、決定係数 R2 = 0.443となった。かなり相関関係があることがわかった[注]。女性側の重相関係数R=0.528、決定係数 R2 =0.279となった。重相関係数および決定係数ともに値は少し小さくて、やや相関関係があることがわかった。

標準化係数を見ると、利用への態度に大きい影響を与えているものは、設問①-1「AIスピーカーは私の生活に重要な役割をする。」(係数β=男性0.237・女性0.272)と設問①-5「AIスピーカーを利用すると自分で出来ることの幅が広がる。」(係数β=男性0.287・女性0.244)の2変数。

有意確率が0.05より大きい説明変数設問①-2,3,4,6は、利用への態度にあまり影響を与えていないことがわかった。

知覚された使いやすさ

表3 重回帰分析の結果(使いやすさ)

その結果は表3に示すように、男性側の重相関係数R=0.545、決定係数 R2 = 0.297となった。やや相関関係があることがわかった。女性側の重相関係数R=0.452、決定係数 R2 =0.204となった。重相関係数および決定係数ともに値は小さくて、重回帰式の当てはまりはあまり高くないことがわかった。

標準化係数を見ると、男性の利用への態度に大きい影響を与えているものは、設問②-1「簡単に、自分の思い通りに使うことができる。」(係数β=男性0.212)・設問②-5「使い方が明快でわかりやすい。」(係数β=男性0.297)・設問②-6「他のスマート家電との接続は円滑である。」(係数β=男性0.185)の3変数。有意確率が0.05より大きい説明変数設問②-2,3,4,7は、利用への態度にあまり影響を与えていないことがわかった。

女性の利用への態度に大きい影響を与えているものは、設問②-5「使い方が明快でわかりやすい。」(係数β=女性0.223)だけで、有意確率が0.05より大きい説明変数設問②-1,2,3,4,6,7は、利用への態度にあまり影響を与えていないことがわかった。

まとめ

さらに、これらの結果を男女間で比較すると、設問①-1や設問①-5、設問②-5この3つの変数は、男女にかかわらず、利用への態度に大きい影響を与えている。

一方、設問①-2(男性0.174・女性-0.012)や設問①-4(男性0.054・女性0.131)、設問②-2(男性0.140・女性0.003)といった変数は、男女間に大きな差があることがわかった。



考察

全体でみると、AIスピーカーに対するユーザーのポジティブな態度や、もっと受け入れ利用したい感じを高める要因には、利用可能な機能を追加するとともに、現在のインタラクションの難易度を下げ、より分かりやすくすることである。具体的に以下の三点から:①機能面では、中年層の期待に応えて機能をバージョンアップすることや、②インタラクションのデザイン面では、加齢により簡単に理解できるインターフェイスをデザインすること、③宣伝の仕方では、もっと利用シーンを見せることでAIスピーカーの有用性と使いやすさを伝えることは、利用への望みを高める手段として有効であると考えられる。

性別でみると、男性と女性の差はあまり見られなかったが、AIスピーカーが生活の質を向上させるという点で、女性より男性の方は納得していることが見られた。なお、男性はスマート製品の使い方に自信を持つようになったことが見られた。逆に女性は、AIスピーカーの情報収集について関心が高くて、受容度により大きく影響される。

上記の点について、AIスピーカーは生活の質の向上を実現できることを伝えて、男性は受け入れやすい。例えば、IoT技術によりAIスピーカーと多くのスマートホーム製品を連携して、生活全体の幸福度を向上させることを目指す。

一方で、AIスピーカーで検索・提供できる情報を向上させることは、女性ユーザーの受容度を高めるカギとなると考えられる。例えば、美容やメイク、ファッションなどの情報を常に送ってくれることである。



まとめと今後の課題

今回は男女間に大きな差は見られなかったが、これはAIスピーカーが新しいものであるため、個人差は生まれていなくて、マニュアルに基づいて基本的な機能だけで使っている可能性が高いと思われる。

今後は、今回のデータを用いて、別のグループの分析も可能になる。また、AMOSで構造方程式分析を用いて、それぞれの要因間の因果関係をさらに研究していく予定である。



脚注


参考文献・参考サイト

  • ◯◯◯◯◯(20XX) ◯◯◯◯ ◯◯学会誌 Vol.◯◯
  • ◯◯◯◯◯(19xx) ◯◯◯◯ ◯◯図書
  • ◯◯◯◯◯(1955) ◯◯◯◯ ◯◯書院