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2023年10月12日 (木) 15:51時点における版
- 地域の魅力を伝えるデザイン活動から -
注)
- この雛形は、研究発表(口頭)に適用されます。
- 英文概要は、80ワード程度を目安にご執筆下さい。
- 本文部分は、2,000文字程度を目安にご執筆下さい。
- 見出しの語句は参考例です。
- 「あなた」が編集を行うとページの履歴に利用者名が残ります。
- 塚本千晶 / 相模女子大学 学芸学部
- Chiaki Tsukamoto/ Sagami Women`s University
Keywords: Social, Design Education, Package Design
- Abstract
- The social design education practices of a student who was asked to design the package and label for a new product for the 'Sagami Chicken' project to solve a local problem are presented in this article.
- Through this activity, it became clear that the local people were highly aware of the interest in new product development, and that the students gained confidence in creating works, became interested in the local region, and had expectations of the effectiveness of their learning.
目次
背景と目的
サスティナビリティや地域貢献、貧困、福祉など、社会が抱える問題を整理し、解決するものとしてデザインの社会的役割が注目されている。デザイン教育においても地域活性化、地域コミュニティを題材にソーシャルデザインの実践に取り組む報告がされている[注1]。神奈川県相模原市は首都圏南西部と隣接し、市の中央には相模川が流れ、西側には丹沢山地、秩父山地がある自然が豊かな地域である。南区にある麻溝台地域は戦後、養鶏場が産業として栄え、現在では「たまご街道」と呼ばれ洋菓子などの観光グルメスポットにもなっている。しかしその一方で廃鶏として処分される親鶏が問題とされている。この問題に対し商店連合会は二次活用する試みとして「相模チキン」プロジェクトを立ちあげ、地域の飲食店でレトルト食品と、ジャーキー食品の開発が行われた。この新商品のパッケージデザインとラベルデザインの依頼を受け開発することとなった。 本稿では地域とゼミナールの学生が関わったソーシャルデザイン教育実践を紹介し一連の活動がどのような効果をもたらせ、可能性を含んでいるのか考察するものである。
ソーシャルデザイン教育実践における取り組み
- 期間 2022 年4月から12月
- ゼミ3年生 14名
- 14名の学生がA.B.C.D4つのチームを編成し、商品のデザインコンセプト作りと依頼者へのプレゼンテーションまでの企画をチームで行いその後その企画に基づき、デザイン案のプロトタイプ制作は技術取得意味を含め個人で取り組むこことした。
- デザイン開発は以下の手順で行った。
デザイン開発プロセス(図1)
- プロセス1
- 1.調査
- 地域調査:地域にはどのような歴史や風土、資源があるのか、特色およびSDGsの取り組みについて
- マーケティング調査:既存のレトルト商品のパッケージデザインの特徴など資料収集
- プロダクトの構造調査:具体的に箱を分解し、開け方などの構造も理解する。
- 2.アイディアの展開
- ターゲット:ペルソナ・シナリオ方を使用し、商品の利用シーンや購買シーンをイメージし、ユーザーを仮に設定した
- 中間報告として依頼者へのプレゼンテーション 意見交換
- 3.デザインコンセプトの決定
- 例としてBチームのコンセプトを示す(図2)
- プロセス2
- プロトタイプ制作
相模原市の色である緑による配色デザイン展開をした。また、「相模チキンの鶏すじ煮込み」には市の花である紫陽花の花びらと鶏のイラストとして配した案である。「相模チキンジャーキー」の ラベル案は開発者である依頼者からお年寄りから子どもまで食べられるジャーキーを目指している話から親しみのあるデザインを意識し、鶏のシルエットを配置した。
ソーシャルデザイン教育実践の取り組みの成果
- パッケージデザイン・ラベルデザインの選考
相模原南区サウザンロード商店街関係者31人と住民で「相模チキンの鶏すじ煮込み」パッケージデザイン15点と「相模チキンジャーキー」20点のデザインから投票による選考が行われ 図2が選定された。
- 評価
後日、選考会の様子が伝えられ自由記述によるフィードバックを受け取った。以下プロトタイプデザインへの感想が述べられ、プロジェクトへの関心の高さが感じられた。
- ・デザインの創作がとてもオリジナリティがある
- ・文字の並び方も面白い。
- ・思わず手に取ってしまいそう
- ・大人の晩酌感がある。
- ・高級感で皆さんが黒を連想する中、あえて白を基調としてデザインで構成して個性がある。
ソーシャルデザイン教育実践の効果
- リフレクション
- プロジェクトの過程で生成された調査資料、アイディアスケッチ、写真、デザイン作品、など活動を見直しながらチームの話し合いによるリフレクションを行った。活動の中で得た知見や今後に生かしたい視点など発表を行う中で「コロナで登校出来なかったが地域調査から身近に感じられるようになった」「依頼者との対話の中でアイディアが広がった」「試食の時ジャーキーを食べやすい形を提案し採用された」「提出したデザインの講評を受け今後のデザイン活動に役立った」などの意見も多く得られた。
まとめ
一連のデザイン活動を通じて学生の気持ちに変化が見られた。 調査段階では不安ンな声が多く聞かれたが、リフレクションからはプロジェクトの完遂を経た安堵や、自信の獲得が見て取れる。また、自分たちの身近な問題に一つの応答をしたという充足感も自信に繋がるであろう。さらに、このように他者と自身の繋がりを制作という表現活動の中で確認することで、ある問題に対して様々な応答が可能であるという発想に到達した受講者もいたようである。制作を通して学生たちが学んだことは、このような表現の一環、対話手段であり、他者との繋がり方なのではないだろうか。
脚注
参考文献・参考サイト
- ◯◯◯◯◯(20XX) ◯◯◯◯ ◯◯学会誌 Vol.◯◯
- ◯◯◯◯◯(19xx) ◯◯◯◯ ◯◯図書
- ◯◯◯◯◯(1955) ◯◯◯◯ ◯◯書院
- ◯◯◯◯◯ https://www.example.com (◯年◯月◯日 閲覧)