「ARを用いた住所表現の研究」の版間の差分

提供: JSSD5th2023
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 現在の住所表現には、歴史があるものの複雑化した地番と、新しくも規則的な住居表示が混在することで、住所を理解することは難と化しつつある。しかし、一方的な住居表示の実施は、これまでの地域のあり方に大きく変えてしまう可能性があり、実施において最新の注意が必要である。また、住所の整理に伴い昔の地名が消失する恐れが常にあるため、地名の保護をすると共に、地域住民からの愛着を持ってもらえるような取り組みが必要である。ARは空間性を拡張した表現ができるため、誰もが安易に住所や地名の情報にアクセスできる仕組みを構築できるかもしれない。今後は、AR表示のデザイン案を確定させて、実践的な制作を行うことを目標とする。
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 現在の住所表現には、歴史があるものの複雑化した地番と、新しくも規則的な住居表示が混在することで、住所を理解することは難と化しつつある。しかし、一方的な住居表示の実施は、これまでの地域のあり方に大きく変えてしまう可能性があり、実施において最新の注意が必要である。また、住所の整理に伴い昔の地名が消失する恐れが常にあるため、地名の保護をすると共に、地域住民からの愛着を持ってもらえるような取り組みが必要である。ARは空間性を拡張した表現ができるため、誰もが安易に住所や地名の情報にアクセスできる仕組みを構築できるかもしれない。今後は、AR表示のデザイン案を確定させて、実践的なAR地図メディアの制作に取り組む。
  
 
==脚注==
 
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2023年10月10日 (火) 19:07時点における版

- 糸島市をフィールドとして -


注)

  • この雛形は、研究発表(口頭)に適用されます。
  • 英文概要は、80ワード程度を目安にご執筆下さい。
  • 本文部分は、2,000文字程度を目安にご執筆下さい。
  • 見出しの語句は参考例です。
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◯◯◯◯ / ◯◯大学 ◯◯学部 ← 氏名 / 所属(筆頭者)
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ / ◯◯◯◯◯◯ University ← 氏名 / 所属 の英語表記(筆頭者)
◯◯◯◯ / ◯◯大学 ◯◯学部 ← 氏名 / 所属(共同研究者)
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ / ◯◯◯◯◯◯ University ← 氏名 / 所属 の英語表記(共同研究者)

Keywords: Product Design, Visual Design ← キーワード(斜体)


Abstract
Lorem Ipsum is simply dummy text of the printing and typesetting industry. Lorem Ipsum has been the industry's standard dummy text ever since the 1500s, when an unknown printer took a galley of type and scrambled it to make a type specimen book. It has survived not only five centuries, but also the leap into electronic typesetting, remaining essentially unchanged.



背景と目的

 日本の住所表現には、地番と住居表示の二つの方法があり、両者の併用による課題が存在する。地番は広く普及しているが、規則性に欠けて複雑化しており情報伝達に向かない。住居表示は規則性がある一方、実施区域が限定的であり実施によって既存の地名の消失する恐れがある。また、現代的な建築の増加によって街区表示板の取り付け場所が減少し、地理的な場所の理解は難しくなりつつある。近年では、技術の進歩により従来の地図にできないことが可能となった。中でも、拡張現実(AR)は現実の映像に情報を投影をすることで、現実世界を変えずに住居表示の問題を解決する可能性がある。本研究では、福岡県糸島市との共同研究である。地番と住居表示が混在した糸島市で、より分かりやすい住所表現メディアの制作を目標とする。

研究の方法

図1.◯◯◯◯

 研究では、まず、地番と住居表示の特徴や課題を明確化する。地番に関しては、資料や法律・条例を参考に文献調査を行うことで、地番の始まりである壬申戸籍から現代へ遡って地番の誕生経緯を探る。また、各都道府県ごとの地番制定の指針を記した「府県地租改正紀要」を参考に、地番の規則性の調査を行う。住居表示に関しては、「住居表示に関する法律」や、地域ごとのホームページなどをを参考に番号の振り方や規則を調査する。また、住居表示実施における、コストや住民からの反対などの課題を把握するために、関連する審議会の議事録や事例などを分析する。

 ARコンテンツについては、関連する表現の実例調査やユーザー調査を行うことで、ARが住所表現にどのように活用できるかを具体化する。既存のARコンテンツを、特性特性に分類すると共に、地図とARとの関係性を考察する。また、ユーザー調査を通じて、住所表現を不便に感じる人々の属性や要求を把握し、AR地図メディアの開発の方向性を決定する。




結果

 地番は、明治から続く制度であり、番号の割り振りの方針が市町村によって異なるため分布に地域差が見られた。番号の流れは蛇行しながら番号を振る「千鳥式」が主流であるが、区域ごとに使える番号を限定する「一村通し」や、小字を用いて番号を減らす「字限り番」の差異がある。また、多くの年月が経つにつれて地番が錯綜した地域も多く、大字や小字の存在もあって複雑化している。住居表示は、1954年から始まり今もなお実施が進んでいる制度である。日本のほぼ全ての地域では「街区方式」と呼ばれる地域を道路や河川で区切り、周囲を一周するように番号をあてがう方式が採用される。また、実施に伴って旧地番が整理されるケースもある。

 ARは情報表示、ナビゲーション、テレビ産業、広告、ゲームに区分でき、現実空間と仮想空間との間で情報を橋渡しできる点を活用するコンテンツが多く見られた。特に、地図との関係性の強いナビゲーション分野では、QRコードなどのマークを用いた場所やオブジェクトの提示や、2D地図とAR地図の切り替えなど、空間を拡張した表現が見られた。

 ユーザー調査とアンケートでは、現在の住所制度を不便に思う人が少ない一方、簡易に位置情報にアクセスできる仕組みと、GPSの座標のブレを改善して欲しいという実情が判明した。

考察

 地番は、大字・小字を用いることで由緒ある名前を保存することができる一方で、千鳥式や番号の錯綜がわかりづらさに繋がると考えられる。また、住居表示は規則的であるが、街区ごとに地域を分割する方式であるために、地番区域やコミュニティを分断するリスクがある。更に、地番整理に伴って小字が使われなくなり、古くからの地名が消失するかもしれない。住居表示の実施はあれど地域の名称は以前のまま利用できることが望ましい。

 ARには、現実世界を変えることなく情報を付与できる点が特徴であり、利用者との間に適切なインタラクションが発生することで実物の地図にはないアプローチができる。住居表示が行われても地番は存続するため、例えばコードを読み込むことで地番の名称と住居表示を共に表示するような仕組みが作れる可能性がある。  

まとめ

 現在の住所表現には、歴史があるものの複雑化した地番と、新しくも規則的な住居表示が混在することで、住所を理解することは難と化しつつある。しかし、一方的な住居表示の実施は、これまでの地域のあり方に大きく変えてしまう可能性があり、実施において最新の注意が必要である。また、住所の整理に伴い昔の地名が消失する恐れが常にあるため、地名の保護をすると共に、地域住民からの愛着を持ってもらえるような取り組みが必要である。ARは空間性を拡張した表現ができるため、誰もが安易に住所や地名の情報にアクセスできる仕組みを構築できるかもしれない。今後は、AR表示のデザイン案を確定させて、実践的なAR地図メディアの制作に取り組む。

脚注


参考文献・参考サイト

  • ◯◯◯◯◯(20XX) ◯◯◯◯ ◯◯学会誌 Vol.◯◯
  • ◯◯◯◯◯(19xx) ◯◯◯◯ ◯◯図書
  • ◯◯◯◯◯(1955) ◯◯◯◯ ◯◯書院