「親子の豊かな待ち時間を提供するプロダクトの提案」の版間の差分

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; 清水尭介 / 九州大学 統合新領域学府 ユーザー感性学専攻 感性価値クリエーションコース 
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: Kyosuke SHIMIZU / Kyushu University 
  
 
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''Keywords: Product Design,Digital Device'' 
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; 清水尭介 / 九州大学 統合新領域学府 ユーザー感性学専攻 感性価値クリエーションコース ← 氏名 / 所属(筆頭者)
 
: ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ / ◯◯◯◯◯◯ University ← 氏名 / 所属 の英語表記(筆頭者)
 
 
 
''Keywords: Product Design, Visual Design'' ← キーワード(斜体)
 
  
  
 
; Abstract
 
; Abstract
: Lorem Ipsum is simply dummy text of the printing and typesetting industry. Lorem Ipsum has been the industry's standard dummy text ever since the 1500s, when an unknown printer took a galley of type and scrambled it to make a type specimen book. It has survived not only five centuries, but also the leap into electronic typesetting, remaining essentially unchanged.
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: Opportunities for young children to play with digital devices are increasing. A survey of parents revealed that many parents give digital devices to their children while they are waiting, as they rate it as a useful way for children to kill time. On the other hand, more than half of parents expressed anxiety and concern about the impact of digital devices on young children. The purpose of this research is to propose a product that relieves parents' concerns and provides a rich waiting time for parents and children.
 
 
  
  
  
 
==背景と目的==
 
==背景と目的==
 ICTの普及により、幼児が電子端末で遊ぶ機会は増加傾向にある。令和元年度の内閣府の調査では、1〜6歳の幼児のインターネット利用率は57.2%と過半数を超えており、主な利用内容として、動画視聴やゲームなどが挙げられる1)。また保護者の意識調査にて、ICTを活用することで子供の機嫌を取ることができ、子供の暇つぶしに役立つという点が評価されており、待ち時間にICTを子供に与える保護者が多いということが明らかになっている2)。一方で、半数以上の保護者が、ICTが幼児に与える影響について不安や懸念を示している3)。
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ICTの普及により、幼児がスマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスで遊ぶ機会は増加傾向にある。令和元年度の内閣府の調査では、1〜6歳の幼児のインターネット利用率は57.2%と過半数を超えており、主な利用内容として、動画視聴やゲームなどが挙げられる。また保護者の意識調査にて、デジタルデバイスを活用することで子供の機嫌を取ることができ、子供の暇つぶしに役立つという点が評価されており、待ち時間にデジタルデバイスを子供に与える保護者が多いということが明らかになっている<ref> 大宮 明子、石田 有理.十文字学園女子大学人間生活学部紀要第12巻.2014年幼児のデジタル機器 利用実態と保護者の意識,p.17-18 </ref>。一方で、半数以上の保護者が、デジタルデバイスが幼児に与える影響について不安や懸念を示している<ref> 総務省情報通信政策研究所.未就学児等のICT利活用に係る 保護者の意識に関する調査報告書 2017 </ref>。
 本研究では、幼児期からの電子端末利用に対する保護者の不安を緩和し、外出時に生じる親子の待
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 本研究では、幼児期からの電子端末利用に対する保護者の不安を緩和し、外出時に生じる親子の待ち時間を支援するプロダクトの提案を行うことを目的とする。
ち時間を支援するプロダクトの提案を行う。
 
  
 
==研究の方法==
 
==研究の方法==
1.事前調査 2.ヒアリング調査 3.分析 4.要件整理 5.デザイン展開 6.プロトタイピング
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公共交通機関や自家用車での移動中の親子の過ごし方の概観を掴むためにYouTubeを用いて事前調査を行う。次に事前調査では把握できなかったより具体的な、移動中の親子の過ごし方や、保護者の意見や視点を調査するためにアンケート調査、ヒアリング調査を行う。アンケート調査、ヒアリング調査の結果をもとに、移動中の親子の待ち時間をより豊かにするためのプロダクトの要件を、子供側の視点と、保護者側の視点から整理する。要件からアイデア展開を行い、プロトタイピングを行う。
  
 
==待ち時間の定義==
 
==待ち時間の定義==
 辞書によると、待ち時間とは物事が始まったり実現するまでの時間と定義されている4)。
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辞書によると、待ち時間とは物事が始まったり実現するまでの時間と定義されている。
本研究で取り扱う待ち時間は、親子の長距離移動を伴う外出の際に生じる、公共交通機関や自家用車での移動中の時間を対象とする。
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本研究で取り扱う待ち時間は、親子の長距離移動を伴う外出の際に生じる、公共交通機関や自家用車内での1時間以上の移動時間を対象とする。
  
 
==研究対象==
 
==研究対象==
 1、2歳の幼児とその保護者を対象とする。なお、1、2歳にかけては、探索活動が活発になったり、
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1、2歳の幼児とその保護者を対象とする。なお、1、2歳にかけては、探索活動が活発になったり、一般にイヤイヤ期と呼ばれる自我が強くなる時期であり、保護者が子の待ち時間に対し、様々な対策を講じることから、研究対象とすることにした。
般にイヤイヤ期と呼ばれる自我が強くなる時期であり、保護者が子の待ち時間に対し、様々な対策を講じることから、研究対象とすることにした。
 
  
 
==事前調査==
 
==事前調査==
 公共交通機関や自家用車での移動時の親子の過ごし方の概観を掴むために事前調査を行った。
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[[ファイル:電車、新幹線.jpg|thumb|right|500px|表1.電車、新幹線での移動中の主な過ごし方]]
YouTubeにて投稿されている、1、2歳児を連れた外出の様子が記録された動画から、自家用車、電車・新幹線、飛行機での移動中の主な過ごし方をピックアップし、整理した。
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[[ファイル:飛行機.jpg|thumb|right|500px|表2.飛行機での移動中の主な過ごし方]]
調査結果として、電車・新幹線内では玩具を用いて遊ぶ子供が多い傾向が見られた。要因として、電車や新幹線の座席では子供が座席に固定されないため、座席空間の範囲内で自由に動くことができることが考えられる。一方で、飛行機や自家用車では、動画視聴や、シールブックが好まれる傾向が見られた。飛行機や自家用車内ではシートベルトやチャイルドシートの着用によって動きの制限が加わり、その制限の範囲内でも集中して遊ぶことができるためであると考えられる。
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[[ファイル:自家用車.jpg|thumb|right|500px|表3.電車での移動中の主な過ごし方]]
以上から、移動中に体が固定されている状態であっても、子供が満足できる遊び方を考慮する必要性があることが推察された。
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公共交通機関や自家用車での移動時の親子の過ごし方の概観を掴むために事前調査を行った。
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YouTubeに投稿されている、1、2歳児を連れた外出の様子が記録された動画から、自家用車、電車・新幹線、飛行機での移動中の主な過ごし方を各10件ずつピックアップし、移動時の家族構成と動画内で見られた過ごし方について表にまとめ、整理した。(表1,表2,表3)
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電車・新幹線内では様々な過ごし方が見られ、玩具を用いて遊ぶ子供が多かった。これは子供が座席に固定されないため、座席空間の範囲内で自由に動くことができるためであると考えられる。飛行機内では、タブレットでの動画視聴が好まれる傾向にあった。これはシートベルトによって動きの制限が加わるが、その制限の範囲内でも集中して遊ぶことができるためであると考えられる。車移動ではタブレットを利用する家族は少なく、家族での会話のやりとりが多くみられた。プライベートの空間で他者への配慮が必要なく、より円滑なコミュニケーションをすることができるためであると考えられる。事前調査から、他者への配慮が必要であり、より保護者が移動中の子供との過ごし方に対策を講じていた新幹線と飛行機での過ごし方に着目することとした。
  
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==今後の展望==
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事前調査では把握できなかった、移動中のより具体的な過ごし方や、保護者の意見や視点を調査するため、1、2歳の幼児の保護者を対象に、福岡市大橋駅周辺にある親子向けのカフェにて、飛行機や新幹線内の親子の過ごし方に関するアンケート調査を行う。アンケート対象者は30名とし、質問項目は移動時の家族構成、移動中の1、2歳の幼児の過ごし方、遊び道具、保護者が遊び道具を選択する基準について、それぞれ選択肢を用意し質問する。その後、ヒアリング調査を行い、アンケート調査とヒアリング調査の結果から、移動時の親子の待ち時間を支援するための要件を、子供側の視点と保護者側の視点の二つから整理する。
  
  
 
==脚注==
 
==脚注==
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==参考文献・参考サイト==
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内閣府.令和元年度 低年齢層のインターネット利用環境実態調査.2020
  
==参考文献・参考サイト==
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大宮 明子、石田 有理.十文字学園女子大学人間生活学部紀要第12巻.2014年幼児のデジタル機器 利用実態と保護者の意識,p.17-18
*◯◯◯◯◯(20XX) ◯◯◯◯ ◯◯学会誌 Vol.◯◯
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*◯◯◯◯◯(19xx) ◯◯◯◯ ◯◯図書
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総務省情報通信政策研究所.未就学児等のICT利活用に係る 保護者の意識に関する調査報告書 2017
*◯◯◯◯◯(1955) ◯◯◯◯ ◯◯書院
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辞典オンライン.「待ち時間・待時間」(まちじかん)の意味.2023 https://kokugo.jitenon.jp/word/p48099, (2023-06-30)
  
*◯◯◯◯◯ https://www.example.com (◯年◯月◯日 閲覧)
 
  
 
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2023年10月19日 (木) 17:10時点における最新版

清水尭介 / 九州大学 統合新領域学府 ユーザー感性学専攻 感性価値クリエーションコース 
Kyosuke SHIMIZU / Kyushu University 

Keywords: Product Design,Digital Device 


Abstract
Opportunities for young children to play with digital devices are increasing. A survey of parents revealed that many parents give digital devices to their children while they are waiting, as they rate it as a useful way for children to kill time. On the other hand, more than half of parents expressed anxiety and concern about the impact of digital devices on young children. The purpose of this research is to propose a product that relieves parents' concerns and provides a rich waiting time for parents and children.


背景と目的

ICTの普及により、幼児がスマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスで遊ぶ機会は増加傾向にある。令和元年度の内閣府の調査では、1〜6歳の幼児のインターネット利用率は57.2%と過半数を超えており、主な利用内容として、動画視聴やゲームなどが挙げられる。また保護者の意識調査にて、デジタルデバイスを活用することで子供の機嫌を取ることができ、子供の暇つぶしに役立つという点が評価されており、待ち時間にデジタルデバイスを子供に与える保護者が多いということが明らかになっている[1]。一方で、半数以上の保護者が、デジタルデバイスが幼児に与える影響について不安や懸念を示している[2]。  本研究では、幼児期からの電子端末利用に対する保護者の不安を緩和し、外出時に生じる親子の待ち時間を支援するプロダクトの提案を行うことを目的とする。

研究の方法

公共交通機関や自家用車での移動中の親子の過ごし方の概観を掴むためにYouTubeを用いて事前調査を行う。次に事前調査では把握できなかったより具体的な、移動中の親子の過ごし方や、保護者の意見や視点を調査するためにアンケート調査、ヒアリング調査を行う。アンケート調査、ヒアリング調査の結果をもとに、移動中の親子の待ち時間をより豊かにするためのプロダクトの要件を、子供側の視点と、保護者側の視点から整理する。要件からアイデア展開を行い、プロトタイピングを行う。

待ち時間の定義

辞書によると、待ち時間とは物事が始まったり実現するまでの時間と定義されている。 本研究で取り扱う待ち時間は、親子の長距離移動を伴う外出の際に生じる、公共交通機関や自家用車内での1時間以上の移動時間を対象とする。

研究対象

1、2歳の幼児とその保護者を対象とする。なお、1、2歳にかけては、探索活動が活発になったり、一般にイヤイヤ期と呼ばれる自我が強くなる時期であり、保護者が子の待ち時間に対し、様々な対策を講じることから、研究対象とすることにした。

事前調査

表1.電車、新幹線での移動中の主な過ごし方
表2.飛行機での移動中の主な過ごし方
表3.電車での移動中の主な過ごし方

公共交通機関や自家用車での移動時の親子の過ごし方の概観を掴むために事前調査を行った。 YouTubeに投稿されている、1、2歳児を連れた外出の様子が記録された動画から、自家用車、電車・新幹線、飛行機での移動中の主な過ごし方を各10件ずつピックアップし、移動時の家族構成と動画内で見られた過ごし方について表にまとめ、整理した。(表1,表2,表3) 電車・新幹線内では様々な過ごし方が見られ、玩具を用いて遊ぶ子供が多かった。これは子供が座席に固定されないため、座席空間の範囲内で自由に動くことができるためであると考えられる。飛行機内では、タブレットでの動画視聴が好まれる傾向にあった。これはシートベルトによって動きの制限が加わるが、その制限の範囲内でも集中して遊ぶことができるためであると考えられる。車移動ではタブレットを利用する家族は少なく、家族での会話のやりとりが多くみられた。プライベートの空間で他者への配慮が必要なく、より円滑なコミュニケーションをすることができるためであると考えられる。事前調査から、他者への配慮が必要であり、より保護者が移動中の子供との過ごし方に対策を講じていた新幹線と飛行機での過ごし方に着目することとした。


今後の展望

事前調査では把握できなかった、移動中のより具体的な過ごし方や、保護者の意見や視点を調査するため、1、2歳の幼児の保護者を対象に、福岡市大橋駅周辺にある親子向けのカフェにて、飛行機や新幹線内の親子の過ごし方に関するアンケート調査を行う。アンケート対象者は30名とし、質問項目は移動時の家族構成、移動中の1、2歳の幼児の過ごし方、遊び道具、保護者が遊び道具を選択する基準について、それぞれ選択肢を用意し質問する。その後、ヒアリング調査を行い、アンケート調査とヒアリング調査の結果から、移動時の親子の待ち時間を支援するための要件を、子供側の視点と保護者側の視点の二つから整理する。


脚注

  1. 大宮 明子、石田 有理.十文字学園女子大学人間生活学部紀要第12巻.2014年幼児のデジタル機器 利用実態と保護者の意識,p.17-18
  2. 総務省情報通信政策研究所.未就学児等のICT利活用に係る 保護者の意識に関する調査報告書 2017

参考文献・参考サイト

内閣府.令和元年度 低年齢層のインターネット利用環境実態調査.2020

大宮 明子、石田 有理.十文字学園女子大学人間生活学部紀要第12巻.2014年幼児のデジタル機器 利用実態と保護者の意識,p.17-18

総務省情報通信政策研究所.未就学児等のICT利活用に係る 保護者の意識に関する調査報告書 2017

辞典オンライン.「待ち時間・待時間」(まちじかん)の意味.2023 https://kokugo.jitenon.jp/word/p48099, (2023-06-30)